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山田玲司のヤングサンデー【第60号】勝負するのは「いつ」か?
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山田玲司のヤングサンデー【第60号】勝負するのは「いつ」か?

2015-11-23 07:00
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    山田玲司のヤングサンデー 第60号 2015/11/23

    勝負するのは「いつ」か?

    ───────────────────────────────────
     
    数年前から「いつやるの?」と言うと「今でしょ」と言う人が増えましたけど、別にやるのは「今」でなくてもいいと思います。

    人にはそれぞれ「その時」というのがあって、「何をやっても努力が報われない」という時もあるわけです。
    そういう時は「ああ、今じゃないんだな」と思って、むやみに試合に出なくてもいいと思います。
    「やっても無駄」って時期には、その時に備えて「できる事」をしていればいいってことです。

    でも、「その時が来ていない事」という事にして「勝負をしない」っていうのはもったいない。
    勝負した後の人生は、勝負する前の人生より「広くて自由」になるし、心は「少しだけタフ」になる
    からです。

    そうは言っても、勝負した事がない人にとって「挑戦」は、そんなに簡単じゃないものです。
    「勝負をすれば、そこで自分の価値が決まってしまう気がするから、その時期は慎重に考えたい」という気分もわかるんですけどね。

    じゃあそれはいつなんでしょう?


    先日番組にこんなメールを頂きました。

    ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
    久しぶりに裏バクマンお願いします。

    漫画家志望の友達がいるのですが
    持ち込みに行ったことは無いようです。

    原稿は見せてもらえませんが
    イラストは素人目には十分上手いので
    「持ち込みしてみたら?」
    と聞いてみると
    「人に見せるレベルに達していない」
    と言われてしまいました。

    今まで話を聞いてきた印象では
    「編集さんに見せて何にもならなかったら
    夢がそこで終わっちゃう」
    と考えているような気がします。

    人に見せられる基準を個人が持っていると
    永遠に前に進めない人がいると思うので
    「据え膳食わぬは男の恥」みたいに
    嫌でも何でも、この基準に達したら
    他人に見せなきゃいけない共通のルールを
    山田先生に作ってもらえませんでしょうか?

    ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^



    そんなわけで、この質問に答えます。


    「他人に否定されて自分の夢が終わるのが怖い」というのはよく聞く話ですけど「1度勝負に負けたらもう終わり」というのは「間違い」です。

    最初の挑戦は「第1回戦」に過ぎません。
    そして、その挑戦が報われるのは「第10回戦」なのかもしれないし「100回戦」かもしれません、「夢」なるものを実現したければ、そういう事は「当たり前の事」なのです。

    「持ち込みのタイミング」で、作品の「質的なライン」を言うなら「それが発売されたら、自分は買うか?」というラインでしょう。

    自分が買わないような漫画が売れるわけないんです。
    「自分は買わないけど、みんなは買ってくれる」というコンテンツも、あるにはあるんですが、最初はそれでは通用しません。
    多くの漫画家が「自分が読みたいものないから、自分で描いた」と、言っています。そういう衝動がオリジナリティを生み出すのです。

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    もう1つ、満足のいく漫画にはなっていなくても「できる事は全部やったけど、ダメだから突破口が欲しい」と思ったら、それは「行くべき時」でしょう。
    ベストを尽くした後なら、人の話を聞く事ができるからです。


    「否定されるのが怖い」と言うのもわかります。
    それなら言い訳を並べられるだけ並べて「私はこのまま、言い訳だけ言って何も挑戦しないで死ぬかも」とか思うようになったら、その時が「挑戦すべき時」ですね。

    「据え膳食わぬは・・」的な言葉を作るなら、

    「自分の漫画のファンになれたら、スーツ野郎をファンにしろ」ですかね。
    (スーツは担当編集のこと)


    アリエネで描いてますけど、僕自身は、漫画が完成するとすぐに出版社に持ち込んでしまう少年でした。「挑戦をすべき時を待つ」なんて耐えられない人間だったのです。

    最初の持ち込みは12歳ですから、どうかしてるレベルです。
    当然、漫画が採用されるわけはないんだけど、その時に少年チャンピオンの編集の人に手塚治虫先生の生原稿を見せてもらった事で、僕の人生は決定してしまうのです。
    それからは、闇雲に持ち込みはしないで、とにかく多くの漫画を描く事に専念していて、大学に入った18歳の時からは持ち込みを解禁しました。
    もちろんさんざんな批判も、大量のボツもくらいましたけど、そんなの業界では「当たり前の話」です。もちろん批判されれば落ち込むんだけど、「自分がするべき努力」も見えてきます。

    そんなわけで、否定していた「技巧派の漫画」も「ベタなストーリー展開」も、必要なら受け入れたのです。
    アシスタント先も紹介してもらい、そこでプロの仕事を経験させてもらったりしました。
    プロの仕事場では「プロになるのが普通」の世界で、すべてが実践的でした。
    僕のデビューが20歳で、青年誌では早い方なのはそのせいなのです。

    悩む前にジタバタと行動をしていたのですけど、この方法はお勧めです。
    「私はやります」と、手を上げた人にチャンスは来るのです。

    そうだね。
    やっぱりこれだね。

    「死にやしねえよ」


    では、今週も色々頑張ってね!


    山田玲司

     
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