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「強きを助け・弱きを挫く『大増税・TPP・放射能』に象徴される、間違いだらけな日本を『改国』すべく訴えた、先駆けた具体策に賛同下さり、尼崎を・日本を後戻りさせてはならぬ、との思いで1票を投じて下さった方々に心から感謝したい」と僕は述べました。 

尼崎市全域を選挙区とする第46回衆議院議員総選挙兵庫県第8区の投票結果は、投票率57.5%。自由民主党と日本維新の会が推薦する公明党候補が9万7256票。民主党の候補が2万6246票。日本共産党の候補が2万2645票。新党日本の僕が6万2697票でした。

「国防軍創設」を唱える自民党総裁、「最低賃金撤廃」を訴える維新の会代表代行と握手するポスターを街中に張り巡らすも、所属する「福祉と平和の党」代表との写真は1枚も印刷しなかった当選者は、故・冬柴鐵三氏が大臣を務めた国土交通省の元課長補佐。小学校から関西創価学園。東京大学教養学部卒業の京都市出身34歳です。

自身が生まれ育った尼崎を選挙戦最終日、僕と一緒に回って下さった畏友・勝谷誠彦氏が投開票日の朝に配信したメルマガを引用します。

「前回の選挙では、私が選挙区に入った終盤あたりから、ようやく人々が公団住宅のベランダに姿を現したり、窓のカーテンの内側から手をそっと振ってくれたりしたものだ。今回はまったく違う。選挙カーを見付けると、あちらから手を振ってくれる。対向車がクラクションを鳴らして声援を送ってくれる」。

「幾つかの市場を歩くと、店の中からおっちゃんおばちゃんが飛び出してきて手を握る。奪うようにビラを持っていってくれる。いや、それどころか渡そうとすると『もう持っとんで』とポケットから出して見せてくれたりする」。「最後は阪神尼崎駅前で二人でマイクを握った。ずぶ濡れになるほどの降りなのに、傘を持った聴衆の方々は身じろぎもしない。その数が、どんどん増えて来る。日本国の民主主義は少なくともここでは死んではいない。この『種』があれば、陽はまた昇ると私は確信した」。

実は尼崎では今回、委員と委員長の人事案を市議会が提出・選任する選挙管理委員会が「突然の衆院解散で準備が間に合わなかった」と、通常は期日前投票が始まる公示日翌日には届く投票所整理券の発送を1週間も遅延させる一方、整理券無しでも投票可能と大書きした18頁に亘る全投票所の案内地図を公示翌日に全戸配布して、地元の地理に不案内な有権者にも優しい配慮を行いました。 

が、大きな組織の都合や面子を潔しとせず、長いものに巻かれない気概は、人情味と正義感の街・尼崎にも脈々と息づいているのです。改めて、後戻りさせない為の1票を投じて下さった尼っ子に感謝します。

(2012/12/19 初出:日刊ゲンダイ「にっぽん改国」)