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ナツさん のコメント

>>27
有益な批判、有難うございます。
そうですね、大企業はしこたま内部留保を溜め込んでいるんだから、「民間にカネが無い」のではなく、「民間でカネが回ってない」という方が正しいですね。誤解を招く表現をしてしまったことをお詫び致します。
その上で反論させて頂きますが、藤井先生は、震災の復興に当たって、プライマリーバランスにこだわること自体が、不道徳だと批判しています。先日、クルーグマン教授が、某首相に説教した内容ですね。「日本のような安定した先進国が自国通貨で借入をしたならば、財政危機に至るまでは非常に長い道のりがある」ということです。目先の財政収支であるプライマリーバランスで見るより、世界基準の「政府の債務残高対GDP比」を重視すべきなのでは?マトモな復興事業をやれば、GDPも増えて、債務の比率も減って行きます。
また、日銀が金融緩和をするに当たって、130兆円もの国債を市場から買い取ったので、事実上の「国の借金」は減っています。国債を日銀が保有しているので、返済の必要も、利息を払う必要も無いのです。繰り返しになりますが、マイナス金利になっても民間の銀行が国債を手放そうとしないのは、国債も紙幣も足りてないからでは?発行する機関が違うだけで、両者は究極的には同じものですし。民間に投資先が無い、という理由もありますが。
最後に、耐震基準の問題ですが、震災は時に人知を超えるものとはいえ、少なくとも、公共施設ぐらいは最新の耐震基準を確保しておくべきです。宇土市役所本庁舎は今から51年前に建てられた建物で、耐震性にも大きな問題を抱え、今年の2月にも建て替えの検討が始まったそうです。庁舎の建て替えが今まで先延ばしになって来た理由は、ただ単に、「財政上の理由」ということです。三橋貴明氏は、存在しない財政問題を理由に、必要な支出をしないことを指して、「我が国は「狂った先進国」なのです」とまで喝破しています。
藤井先生も三橋氏も、言っていることは単純なことです。「民間の投資意欲が無く、金融緩和も限界なのだから、政府が率先して財政出動をしろ!」ということです。日本のデフレギャップは、ケチな内閣府の試算で10兆円ですから、おそらくは年間20兆円ほどの公共投資が必要でしょう。年間20兆円の公共投資があれば、上に書いた復興事業も可能なのでは?これって、バブル崩壊後に、「改革」が始まるまでは、普通にやっていたことですよね?もちろん、公共投資によってデフレギャップが埋まって行けば、公共投資を減らして、「国の借金」の返済に回しても構いませんよ。あまり意味は無いと思いますが・・・

あと、よしりん先生もブログを書いて下さったので、これに対して、以下、2点だけ指摘しておきます。

1、団塊の世代が高度成長時代を経験できたのは、人手不足のおかげである。
団塊の世代の二回りほど上の世代は、多くの方々が大東亜戦争で英霊となり、戦後の労働市場には参加しなかった。それに加え、バブル期まで冷戦構造が続いていたため、中国から移民を入れることなど、問題外だった。このような超絶的人手不足の中で、人材投資、設備投資が進み、何と、58年から91年まで、日本人の実質賃金は3,3倍に増えた。要するに、物価も上がったが、給料で買える物の量が、3,3倍になったということである。当時は労働組合も強かったので、今とは状況が全く異なるが、人手不足が投資を促進し、経済成長を可能にするという点では、当時と現在の状況は似ている。

2、アベノミクスは第2の矢、財政出動を行っていない。
2012年度の補正予算は10兆円だったが、13年度は5,5兆円、14年度以降はたったの2~3兆円のみである。安倍晋三が財政出動を渋ったため、この男は日本の憲政史上、経済を二年度連続でマイナス成長に叩き込んだ、初めての総理となった。どうやら藤井先生は内閣参与として単に「取り込まれた」ということなのだろう。
安倍晋三は経済政策を日銀に丸投げし、国家戦略特区という移民政策ばかりに精を出している。この男は小泉や竹中と同じ、構造改革論者なのだ。

これ以上、ここのブログで三橋氏や藤井先生の宣伝をするのも無礼ですので、コメントの投稿は最小限にして、この辺りで止めておきます。また有益な批判があれば、データを探して、回答差し上げますが。
結局はよしりんの直観が当たるんだろうけど、先生の経済理論は抽象論が多いから、ハッキリ言って、よく分からんです。事実認定を間違えてるようなところもあるし。これは最終的に、物語同士の戦いなのよね。「日本はまだ成長する!」「いや、日本はもうそんなに成長しない」っていう二つの物語。では、また!

http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/04/26/fujii-193/
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12155746653.html
No.43
101ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第176号 2016.5.3発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…熊本地震の発生から半月。震災パニックにかられ「不謹慎狩り」にうつつを抜かしていた連中も、今ごろはすっかり熱が冷めて、自分がさらした醜態も「なかったこと」のようにしてしまいGWを楽しんでいる。しかし、本気で震災について考えていれば、今こそ考えておかねばならないことがある。善意のつもりが「第二の津波」となることがある支援物資。非常時に備えて普段から採っておくべき対策とは? ※「ザ・神様!」…モクレンヒメが住むアパートの近所に生息する厄介な生物は、重度のアル中で生活保護受給者の“となりのアヅマさん”だけではなかった!突如出現した“大天使ミエテル”!!アヅマさんに加え、大天使ミエテル、さらに警官と大家さんも巻き込んだ大騒動が勃発!!どうなる!? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!ハリセンボンの近藤春菜の顔に似ていると思う人は誰が思い浮かぶ?「ユーチューバー」になりたい子供が急増している件をどう思う?文章を書く上で気をつけていることは?女優・有村架純に演じさせたいキャラは?女性専用車輌は本当に必要?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第170回「第二の津波に対処するシステムの構築を」 2. しゃべらせてクリ!・第136回「雲より高い鯉のぼりで一騎打ちぶぁ~い!の巻〈後編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第80回「ミエテルの偽証と濡れ衣~となりのおじさん孤独死事件4」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第170回「第二の津波に対処するシステムの構築を」  熊本地震の発生から半月が過ぎた。  震災パニックにかられて、全く無意味であるばかりではなく、社会の迷惑とでも言うべき「不謹慎狩り」にうつつを抜かしていた連中も、今ごろはすっかり熱が冷めて、自分がうろたえて醜態をさらしていたことなどすっかり「なかったこと」のようにしてしまい、ついでに被災地のことも忘れてゴールデンウィークを楽しんでいる最中といったところだろう。  だが、本気で震災について考えていれば、今こそ言っておかねばならないことがある。  4月20日、熊本地震の現地対策本部長として派遣された 松本文明・内閣府副大臣 が、わずか6日間で本部長職をクビになるという失態を演じた。  松本は被災地入りした翌日、政府とのテレビ会議の場で 「食べるものがないので戦えない。バナナでもおにぎりでも、差し入れを近くの先生からお願いできないか」 と河野太郎防災担当相に懇願。  被災地の窮状を後回しにして、我先に 「腹が減ったから戦えない」 と大臣に泣き言を言う有様に、さすがにこれでは使い物にならないと判断され、事実上の更迭となったのだ。  解任された日の夜、東京に呼び戻された松本は、記者団相手に弁明だか何だか、よく分からない発言を繰り返した。 「現地での食事はみなコンビニで弁当を買っているというので、自分の分を1万円渡したが、本震で1軒も開かなくなった。だからテレビ会議で大臣にコンビニを開けさせてくださいと頼んだ」 「私の部下がカップラーメンを持ってきたが、お湯が出ないので食べられないとも(大臣には)言った」 「開いている店を見つけ、どら焼きを1万円出して買ってみんなで食べた」  ……被災地はどこも大変な状態で、おにぎり一つ食べられない人がたくさんいる最中であり、それをどうにかするために 「現地対策本部長」 として派遣されたはずなのに、その人物が、自分や自分の周りについてだけ「腹が減ってたまらないから、何とかしてくれ」と、大臣に対して繰り返し泣きついたのである。  これはあまりにもひどすぎる安倍内閣の大失策で、しっかり追及しなければならないということは強調しておくが、松本文明が言ったことは、被災地のリアルな状態を知る見本にはなる。   発災後の最初の段階では、このように被災地に水や物資が届かないという事態が起こるものだ。  だがそれは、物資を送っていないからではない。物資があるのに、それを現地に送れないというのが最大の問題なのだ。   被災直後、どうしても最初に必要な物資は水と食糧だ。これがなかったら誰も動けない。その重要度は、はっきり言って生理用品なんかの比ではないのである。  こんな時に、被災地から遠く離れた場所から「あれ送れ」「これ送れ」なんて言っても何の意味もない。  政府は 「プッシュ型支援」 として、トップダウンで被災地に物資をどんどん送り付けている。 だが、それを末端の被災地まで運び込むシステムがないのが一番の問題なのだ。  政府は災害に備えてあらかじめ、交通網遮断などの事態があっても物資を届けることのできるシステムを作っておかなければならなかった。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!