皿うどんボンバーさん のコメント
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第275号 2018.7.3発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…6月24日、福岡・旧大名小学校校舎の創業支援施設で、「はてなブックマーク」のブログに「Hagex(ハゲックス)」のハンドルネームで発信をしていたブロガーが殺人される事件が起きた。ネット内のトラブルが原因とされ、犯人は一面識もない相手に一方的に恨みを抱き、メッタ刺しにしたのだった。筋違いの恨みつらみと被害妄想を募らせ、自分は正しいと信じて疑わない「基地外」には、一体どう対処すれば良いのだろうか??
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…芸術家と偏執性シリーズ、今回は女性写真家のダイアン・アーバス編!10代のうちから写真家としての頭角をあらわし、たちまち一流のファッション誌で活躍するようになったアーバスだが、ある頃からドキュメンタリー作品として、ギョッとさせられるほど強烈に個性的なポートレイトを撮るようになる。「見てはいけません」を正面から撮った真の意図とは?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!もしも自分に子供が居たら、今と同じ描き方や戦い方をしていた?天皇陛下は核保有反対では?読者が支持したとしても、出版社は自主規制しなければやっていけないもの?非道な事件が増加しているのは、自由が制限され息苦しい社会になっていることと関係性がある?締め切りまでに仕事を間に合わせる秘訣とは?女性受けが良い女性と、女性から嫉妬される女性、どちらがタイプ?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第283回「ネットの『基地外』の憎悪について」
2. しゃべらせてクリ!・第233回「ぽっくん衝撃のひとことぶぁい!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第87回「芸術家と偏執性~ダイアン・アーバス編」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第283回「ネットの『基地外』の憎悪について」 6月24日、福岡・旧大名小学校校舎の創業支援施設で、殺人事件が起きた。
ネット内のトラブルが原因とされ、犯人は一面識もない相手に一方的に恨みを抱き、メッタ刺しにしたのだった。
殺害されたのは、「株式会社はてな」が運営する「はてなブックマーク」のブログに「Hagex(ハゲックス)」のハンドルネームで発信をしていた41歳のブロガーだった。
Hagex氏は東京のネットセキュリティ関連会社の社員で、IT雑誌の編集長やセミナー講師を務め、勤務先や関係者の評価は高かったが、ブログでは半ば炎上狙いで何人ものブロガーに対して罵倒するような批判を繰り返し、その相手からはかなり嫌われていた。
だがHagex氏を殺したのは、氏が罵倒していたブロガーではなく、そのブロガーたちは「嫌な人だとは思っていたが、いくらなんでも殺すことはないじゃないか」といった反応を示している。
Hagex氏を殺したのは、氏がまともに相手にもしていなかった「荒らし」の男だった。
犯人の男は「はてなブックマーク」の「IDコール」というメッセージ通知機能を利用して、Hagex氏のみならず多くのユーザーに誹謗中傷・罵詈雑言を送りつけていた。やたらと「低能」という言葉を使って上から目線の言い草をすることから「低能先生」というあだ名をつけられていたが、このあだ名は誰ともなく言い出したもので、Hagex氏がつけたわけではない。
「低能先生」の荒らしは当然ユーザーが「株式会社はてな」に通報し、IDが凍結される。すると「低能先生」は別のIDを作成して罵詈雑言を送りつけ、また通報され、凍結される。するとさらに別のIDを作成する。
そんなことを繰り返して2年以上、作ったIDはわかっているだけで200以上に及ぶという。これだけでもその粘着性や異常性は十分わかる。
Hagex氏も「低能先生」の荒らしに対しては特に相手にもせず、粛々と通報し、凍結させていたようだ。
そして5月2日、Hagex氏は「低能先生に対するはてなの対応が迅速でビックリ」と題するブログをアップした。
そのブログは、自分は「低能先生」の荒らしが来るたびに「はてな」に通報しているが、最近では詳しい理由も書かずに「低能先生です」と一言入れただけで凍結されるようになり、しかも昨日は通報してからわずか3分で凍結されたのでビックリしたとして、「株式会社はてな」は「低能先生」を威力業務妨害で訴えるべきだ、という内容だった。
そして、常人には一切理解できないのだが、「低能先生」はこのブログを読んでHagex氏に強烈な殺意を抱いたのだ。
しかも不運なことに、Hagex氏のブログには6月24日に福岡でセミナーを開催するという告知がつけられており、あろうことか、「低能先生」は福岡在住だったのである。
当日、「低能先生」は現場でセミナーが終了するまで2時間以上待ち伏せし、会議室から出てきたHagex氏をつけて、トイレで用を足しているところを背後から襲い、刃渡り16.5センチのレンジャーナイフで首や胸を十数カ所刺した。傷の一部は心臓まで達していたという。
「低能先生」の正体は、42歳の無職男性だった。
熊本県天草市の出身、読書好きで中学ではソフトテニス、高校では剣道に打ち込み、中学の同級生は一様に「おとなしくて真面目だった印象しかない。殺人事件を起こしたなんて信じられない」と語ったという。
成績優秀で中学時代から九州大学を目指し、目標どおり進学。父親は「地元で九大に進学する生徒は少ない。合格した時は本当にうれしかった」と語る。
大学には8年間在籍、在学中の平成12年(2000)から福岡県内のラーメン製麺工場でアルバイトを続け、平成20年(2008)に正社員になり、仕事ぶりは真面目だったというが、平成24年(2012)に突然退職、それ以降は福岡市内のアパートに引きこもっていた。親は立ち直るのを信じ、アパートの家賃として月3万6千円の仕送りを2年間続けたという。
犯行直後、「低能先生」はブログに犯行声明を出している。
実に気持ちの悪い文章だが、犯人の異常性を検証するために掲載しよう。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
お疲れ様です。
「ゴー宣」読みました。
「顔も見えない、匿名のネット空間の不気味さ・恐ろしさ」、
「共同体・社会の横軸・歴史の縦軸との繋がりが一切無くなった者は「獣を染み出す」」
ということを改めてひしひしと感じました。
「世間」という言葉はあまり好きではありませんが、
「世間」との繋がりを断った者がネットにのめりこんで、どんどんバランスを失い、狂気を育んでしまう、
砂粒の個だらけの現代、ネット・スマホが普及して当たり前になってしまった現代では十分にあり得ることです。だからこそ怖いことです。
いくら言葉を消したところで、言葉を言い換えたところで、
実際に「気違い」がいなくなる訳でもなく、
むしろ、いるのに「いない」かのようになっていく世の中の方が怖いです。
まさに、ディストピアです。
昔は精神疾患や精神障害と「気違い」がごっちゃに扱われていた・・・その偏見は払拭していく必要がありますが、
それは、言葉を消すことではない、ということを改めて思いました。
自分の子供時代、亡き祖父母や大人たちは、現在では「言葉狩り」されてしまって、
マスメディアや作品からは姿を消してしまったような言葉を普通に使っていましたが、
例えば「びっこ」という言葉にしても、差別的な意図で使っていた場面よりも、
相手を労わる場面で使っていたことの方がよく思い出されます。
片足を怪我した時などに「あら、びっこひいてかわいそうにねえ」という言い方で労わられたりとか・・・。
現代の、マスメディアや作品でどんどん言葉狩りがされ、自主規制され、コンプライアンスでガチガチに固められ、
その一方で、ネットの匿名空間の中だけでは差別語やスラングが溢れ返る、という状況は、著しくバランスを欠いた歪な状態だと改めて思います。
結局、ネットの匿名空間の中などでは、精神疾患や精神障害と「気違い」を、わざとごっちゃにして面白がっているような歪な状態が蔓延しています。
言葉を消したり、コンプライアンスで縛ったりしていっても、どうしようもないのです。
また、ポリコレ全体主義が行き過ぎる程、一方でそれに反するものが一気にマグマのように吹き出すことも今後考えられます。
そして「気違い」に実際に出会ってしまった時の恐ろしさを想像してしまいます。
この御時世、どこでそういう人物に出会ってしまうか分からないということは、本当に怖いことです。
ネットで他人を罵倒することでしか存在意義・承認欲求を満たせないようになってしまった人物は、哀れではありますが、
そういう「気違い」の一方的な憎悪にいつどこで巻き込まれるか分からないということも、たまったものではありません。
共同体の崩壊が進む現状は、なんとかしなければならない、とは思うのですが、
そこに政府などが介入して制度でなんとかしていく、というのも、何か違うように思えます。
ただ、自分の身は自分で守るしかない、
守るべき人がいれば、その人も守る、その覚悟は一層重要になってくる、ということを改めて肝に銘じるようにしたいと思いました。
「トンデモ見聞録」読みました。
自分達の感性から何が奪われたのか分からない・何が消滅しているのか分からない状態が蔓延化していくということは、本当に恐ろしい事です。
北朝鮮や中国やロシアを笑えません。
表現の自由があるはずだと思っていた日本でも、何が規制されたのか分からないうちに、いろんなものが規制されていっている現状があるということが恐怖です。
そして、写真家は体力勝負、よく分かります。写真家ではないので現場を知っている訳でもないのですが、想像はつきます。
かつて、測量の補助の仕事をしていたことがありました。
その時は、重くて高価な測量の機材を担いで、山登りをして測量の現場に行っていました。
スポーツも苦手で、体育会系とは真逆の人生を送って来た自分が、よくあんなこと出来たなと振り返って思います(苦笑)。
実際、やっていたのは短期間だけで、ガタイのいい人達に助けられながらなんとかやっていた、アブラムシに過ぎなかった訳ですが・・・(汗)。
「シャイニング」は見たことがあります。
ホラー映画苦手な私が見た数少ないホラー映画の一つですが、滅茶苦茶怖かったです。
ジャック・ニコルソンの鬼気迫る演技が、もう怖くて怖くて・・・(汗)。
双子の登場シーンもトラウマです(汗)。
そして、今回「トンデモ見聞録」で泉美先生が取り上げてくださったダイアン・アーバスの世界、
「見世物小屋にいるような人達を見世物にするな」という批判は、まさに「偽善」だと思いました。
当時の障害者の人達は、今以上に差別に晒されて傷つけられることが多かっただろうと思います。
そんな中で、写真を撮るダイアン・アーバスに、こんな心を開いた表情をみせているということが、
ダイアン・アーバスが彼らを撮る時の姿勢というものがどれだけのものだったか、ということが伝わってきます。
もしも、将来、アーバスの写真が規制されて、見ることが出来なくなってしまったら・・・
という危惧も頭を過るのですが、
現在の写真家にはアーバスのような写真を撮ること自体がそもそも難しいだろうな、ということも思います。
そういえば、現在の行き過ぎた自主規制・コンプライアンスについて、
中井貴一氏のドラマの話題がニュースになっていました。
「片手にピストルを持って、人を撃ち殺しに行く役」を演じた時に、
タバコを投げ捨てようとしたら、
「コンプライアンス的に問題がある」と言われてしまったことがあったそうです。
中井貴一氏は「ピストルを持って殺しに行くのに、タバコの投げ捨てはダメ?ちょっと訳が分からなくなってきた」というようなことを仰っておりましたが、
今では、例えばピカレスク小説のドラマ化というのは相当に難しいのでしょうね・・・。
そのうち、映画もそういうテーマでは撮れなくなってくるのかもしれません。
追伸:Q&A、たくさん回答して戴いてありがとうございます。
「訴訟を起こされたらカネがいる」・・・自主規制もコンプライアンスも、この先どんどんガチガチになっていきそうですね(汗)。
小林先生のお墓参りの写真は、前号で見て、思わず笑っちゃいました。
不謹慎というか、小林先生ならではの「茶目っ気」のようなものを感じました。
あと、別の方の質問で、「平凡を馬鹿にし過ぎる」という回答が心に残りました。
誰にでも普通にある「個別性」と、ごく限られた人にしかない「個性」(というか、才能)を、ごっちゃにする風潮は良くないですね。
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