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希蝶さん のコメント

場の雰囲気を変えてしまいますが、今号の感想です。

トンデモ見聞録「移民政策の行く末、ドイツのガストアルバイターに学べ」

ゲルマン民族の大移動の昔から、移民政策はどうしてかくもこじれるものなのか、と嘆息します。先の号などで『日本沈没』のことなども書いてしまいましたが、新天地に渡って母国語を保持できるのは、南北アメリカ大陸やオーストラリアのような、植民地世界位しか思い当たりません。
アメリカ合衆国にはペンシルバニア・ダッチといって、ドイツ語話者の暮らす地域があるそうですが(この場合の「ダッチ」は「オランダ人」ではなく、「ドイツ人」)、西ドイツのような元からの住民が政府に保護されて暮らしている地域では、そういうことは起こらず、圧倒的多数である「ドイツ語」が移民間でも主流になってしまうのは必然でしょう。そうすると、ワラビスタンとか、ロヒンギャ難民とか、華僑の暮らす地域は例外になってしまいますが、これはペンシルバニア・ダッチと同じく、集団で集住しているから、こういう現象が起こるのだと思います。「ガストアルバイター」については昔の授業でやったこともあり、懐かしさを覚えましたが、ドイツ統一前でさえ、西ドイツ国民の仕事を奪っていると問題になっていると教えられました。
南アフリカはこういうことが起こらないようにバンツーホームランドという国内の名目上の各民族の「独立国」を設置し、アパルトヘイト政策を補完していたわけですが、そこでもスラム化が発生しており、アパルトヘイト廃止後は、ヨハネスブルクなどの都市部に拡散したわけで、ある特定の集団を国内に住まわせると、周辺の住民との軋轢が起こる、というのは歴史上の真理のようです。人間はただ労働をするだけのロボットではなく、文化や習俗・歴史をもその地域に持ち込むか、あるいはその地域の習俗や歴史に飲み込まれてゆくか、そのいずれかの道を歩むものなのでしょう。

ちょっと上から目線のことを記しましたが、アイヌ民族問題もこれと共通する部分がある、と思います。かりにアイヌが北海道を独立させ、アイヌ文化による共和国を成立させたとしても、既に日本文化に染まってしまった彼らが元からのアイヌ文化を復活させられるかというと否で、「日本文化に影響されたアイヌもどきの何か」になってしまうのだと想像します。それに、アイヌという共通の民族は存在しなかったわけですし、言語もかなり異なっていたようですし。金田一京助博士がアイヌ語を習得し、それによって彼らと交流をはかったといいう話も学校で習いましたが、私はそのこと自体を偉大なことと思いつつ、やはり時代の短針や長針は進んでしまったのだ、今更逆に巻きもどすのは不可能だ、と言わざるを得ないと見ています。

というか、ありていに述べると、立憲民主党の古谷のガセツイート支持にかなりいらだっています。今年の十大ニュースの一つは、この背信行為で良いのではありますまいか。
あまり感情的になってもしょうがないので、この程度にします。
立民党、思い直すなら、今のうちです。
No.105
72ヶ月前
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第293号 2018.11.27発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしの人たち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…1950年代、ドイツが戦後復興のために受け入れた大勢の外国人労働者=ガストアルバイター。彼らは当初、「労働契約満了後には母国に帰る人々」と認識されており、あくまでも短期の出稼ぎ労働者とみなされていた。就労期限が過ぎたら帰国する外国人労働者たち…「入管法改正案」の議論における現日本政府の説明と同じである。果たして「ガストアルバイター」の結末とは? ※「ゴーマニズム宣言」…今月14日にシンガポールで安倍とプーチンが日露首脳会談を行い、平和条約交渉を加速させることで合意した。しかし安倍は「東京宣言」ではなく「56年宣言」を基本とすることでプーチンと合意してしまったのだ。これは、北方領土交渉の重大な、そして最悪の方針転換を意味する。日本政府、いや国民は、本当にこのまま北方領土を諦めてしまって良いのか!? 【今週の目次】 1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第106回「移民政策の行く末、ドイツの『ガストアルバイター』に学べ」 2. ゴーマニズム宣言・第302回「北方領土交渉の敗北」 3. しゃべらせてクリ!・第250回「カメ乗り世界一の妙技を見てクリクリ~!の巻〈前編〉」 4. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 5. 編集後記 第106回「移民政策の行く末、ドイツの『ガストアルバイター』に学べ」  ドイツは、 全人口の約14%にあたる1200万人が移民 という超移民大国だ。2015年のヨーロッパにおける難民・移民危機では、メルケル首相が移民受け入れを主導し、約110万人を受け入れた。  しかしその年末、大事件が起きた。2015年12月31日から翌1月1日にかけて、ケルンの駅前広場に集まった新年を祝う群衆のなかで、外国人男性らによる集団レイプ事件が発生したのだ。判明しているだけで1000人以上の女性が大勢の男性らに取り囲まれ、その場で強姦・強盗の被害に遭った。被害者は10代~20代の女性たち、容疑者の多くは北アフリカやアラブ諸国からの難民希望者や不法移民だった。  ドイツでも特に西側のケルンは、治安が良く安全と言われていたが、この事件によってドイツ社会は震撼。以降、反移民デモが続発し、極右政党の支持が勢いを増した。結果、メルケル首相は地方選挙で連敗し、与党党首と首相の座を「今期限りで退任」と表明するに至った。 ■ドイツの教訓「ガストアルバイター」  2015年の移民危機以前から、 ドイツはもともと「移民受け入れに失敗した国」という教訓を持つ国 だった。失敗の原因は、1950年代、戦後復興のために南欧から受け入れられてきた外国人労働者たちの存在だ。  多くの肉体労働者が必要だった西ドイツは、送り出し国へドイツ人医師を出向かせ、現地の男女の身体検査・能力検査を行い、「合格」と判断した者に就労を許可していった。裸の労働者たちが並んで身体検査を受ける古い映像が残っているが、さながら「奴隷市場」である。  イタリア、スペイン、ギリシャなどから多くの労働者が西ドイツを訪れたが、それでも人手が不足すると、大勢のトルコ人が国境を渡った。  当時のドイツ政府は 「就労期限が過ぎたら帰国させる便利な低賃金労働力者で目下の人手不足が補える」 と考え、送り出す側の国は 「ドイツで外貨を稼ぎつつ、最新技術を母国に移転できる」 と考えていた。そして外国人労働者たちは 「短期間で高収入を得られる」 と考え、ドイツ国民たちは 「きつい・汚い・危険な肉体労働を外国人にやってもらえる」 と考えていた。   ドイツの経済発展が見えていた時代、それぞれの “目先の期待” が一致していたのだ。  彼ら外国人労働者は、 「ガストアルバイター」 と呼ばれた。「ガスト」はドイツ語で「客(ゲスト)」という意味だ。 当初は「労働契約満了後には母国に帰る人々」と認識されており、あくまでも短期の出稼ぎ労働者とみなされていた。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!