ゲストさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
第312号 2019.4.23発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…天皇皇后両陛下は三重県伊勢市へ、在位中最後となる地方ご訪問をされた。このニュースをめぐってNHKが皇室の祖先は「天照大神」と報道すると、「NHKによる現人神宣言」「NHKは神話と現実を統合することにしたらしい」などと批判の声が出たという。実は神話を否定したいのは左翼だけではない。男系固執派にとっても天照大神が皇祖神であることは都合が悪く、「神話と歴史を混同するな!区別せよ!」と言っていたのだ。なぜ天皇皇后両陛下は伊勢神宮に赴かれたのか?その際、皇居にある「三種の神器」のうち剣と勾玉が持ち出された意味とは?新天皇が即位された後、直ちに「剣璽等承継の儀」が行われるのは何故なのか?全ての日本国民が知っておくべきである!!
※「泉美木蘭のトンデモ見聞録」…東京大学入学式での上野千鶴子氏の祝辞が話題になっている。医学部の不正入試問題から始まり、全文を通して主に「女性差別」について語っているが、果たしてこの祝辞は本当に絶賛されるべきものだろうか?そもそも、上野氏の男性観・女性観は現代社会に則しているのか?泉美木蘭版・東大新入生への祝辞を読んで考えよう!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!保守の立場としては同性婚をどう考えるべき?リニアって本当に必要?人の性格はある程度の年齢を過ぎたら変わらない?現在30~40代の就職氷河期世代を「人生再設計第一世代」と名づけて救済に乗り出す政策はアリ?少子高齢化をなんとかしなければデフレ脱却も難しいのでは?デフレのうちにプライマリーバランスを整えた方が良いのでは?高齢ドライバーによる暴走事故を防ぐためにはどうすべき?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第322回「三種の神器に見る日本の国柄」
2. しゃべらせてクリ!・第269回「天高く御世替わりを祝福しまーしゅ!!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第124回「東大新入生に贈りたい、私からの祝辞」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第322回「三種の神器に見る日本の国柄」 今回が、平成最後の「小林よしのりライジング」となる。
天皇皇后両陛下は三重県伊勢市へ、在位中最後となる地方ご訪問をされた。
伊勢神宮で天照大神に退位の報告をする「神宮に親謁の儀」を行うためで、勅使ではなく 天皇自らが伊勢神宮に赴き、退位を報告するのは史上初 のことだという。
この際、皇居にある 「三種の神器」 のうち剣と勾玉が持ち出され、侍従が移動の際に神器の入ったケースを捧げ持っている様子や、天皇陛下の伊勢神宮参拝の際に、陛下の前を剣、後ろを勾玉の入った箱を捧げて歩いている様子がテレビ等に映されて、世間の関心を呼んだ。
「三種の神器」とは、「八咫鏡(やたのかがみ)」「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」をいう。
八咫鏡の本体は伊勢神宮に 、 草薙剣の本体は熱田神宮にあり 、 皇居の鏡と剣は「形代(かたしろ)」と呼ばれる分身である。
分身というのは「レプリカ」とか「複製」とか言われることが多いが、「模造品」というわけではない。
例えば小さな神社は大きな神社から祭神の分身を勧請して創建される。大国主命は出雲大社の御祭神だが、全国の多くの神社も大国主命を祀っている。しかし、だからといって出雲大社が祀る大国主命だけが本物で、他が「模造品」というわけではない。大国主命は出雲大社にも、他の神社にもいるのだ。
それと同じことで、 神器の分身も本体に準ずる神器なのである。
三種の神器のうち八咫鏡は、天皇の祖先である天照大神の魂を宿した、別格に重要なものとされており、滅多に動かされることはなく、 皇居の鏡は天照大神を祀る祭殿「賢所(かしこどころ)」の奥深くに安置されている。
一方、剣と勾玉はセットで 「剣璽(けんじ)」 と呼ばれ(「璽」は勾玉のこと)、 常に天皇と共にあるものとされ、普段は天皇のお住まいである御所の寝室の隣の「剣璽の間」に置かれている。
天皇即位の際に最初に行われるのが 「剣璽等承継の儀」 で、天皇が代替わりするとまず剣と勾玉が引き継がれる。また、古くから剣璽は災害や戦乱から天皇が避難する際にも、必ず一緒に移動していた。
源平合戦の際にも、源氏に追い詰められた平氏が8歳の幼帝・安徳天皇と共に都を逃れた時には三種の神器を擁しており、壇ノ浦の戦いに敗れた時、 安徳天皇は剣璽を収めた箱と共に入水したのだった。
この時、勾玉を収めた箱は海上に浮かんできたところを回収されたが、 剣は水没し、ついに発見されなかった。 それは熱田神宮の本体ではなく形代だったが、以降二十数年間、宮中では剣が不在となった。
そしてその後、 順徳天皇の夢に神示があり、伊勢神宮から贈られた剣を新たな形代とすることになった。それが現在、皇居に伝わる剣である。
このような古くからのしきたりに従い、戦前は天皇が一泊以上の行幸(外出)をする際には必ず剣璽も一緒に移動していた。これを 「剣璽動座」 という。
敗戦後、昭和天皇は人々を励ますため全国御巡幸を始めるが、昭和21年6月、初めて一泊することになった千葉県巡幸の際には剣璽を伴わず、それ以降、剣璽動座は中止された。
天皇の「神格性」を否定するGHQの方針を受けて、当時の侍従長が「天皇の神格性と、人間天皇として行う地方巡幸は分けて考えた方がよい」と考え、さらに巡幸先で剣璽を安置する場所を確保するのが困難という事情もあって、昭和天皇の許しを得て決定したのだった。
その後、神道界を中心に剣璽動座の復活を求める運動が起こり、昭和49年(1974)、伊勢神宮の式年遷宮後の参拝で復活、以降、 伊勢神宮参拝に限って行われることになった。 そのため、今上陛下の即位のご報告と、平成に2回行われた式年遷宮後の参拝の際も剣璽動座が行われ、この度の退位報告でも踏襲されたわけである。
今回の剣璽動座によって「三種の神器」に対する関心が高まり、テレビのワイドショーなどでも「三種の神器って何?」といった番組が組まれたが、4月18日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」での東大教授・本郷和人の解説は危うかった。
そもそも本郷の専門は中世史で、天皇や皇室に対してはそんなに詳しくなく、この日の説明もかなりあやふやだった。
例えば八咫鏡について、本郷は「鏡は、ちゃんと、皇居の内侍所(ないしどころ=賢所の別名)っていう、女官の人たちがお守りするところに安置されてるの。だからもう二つである、勾玉、それから剣は外に出るんだけど、鏡だけはちゃんと、同じところに置いてあるんですね」と説明したが、これに対して羽鳥に「鏡って、でも、伊勢神宮にあるんじゃないですか、形代っていうのが皇居にある」と突っ込むような形で聞かれると、 「今の解釈だとそうですね。今の解釈だと、伊勢神宮にあるのが本物」 と答えた。
明らかに予想外の質問に対応できず、いい加減なことを言って取り繕ったのだ。「今の解釈」って何だ? そうじゃない解釈だった時があるのか!?
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
同性愛者が制度化を求めるのは、婚姻した血縁関係がないと、入院時、家族にしかできないことがあったり、、死別後の相続ができないなどの、重要な問題があるからでは?と思います。
高齢者の運転は、家族制度が崩壊した戦後の日本では、高齢者の代わりに運転してくれる子供が、同居していない、という不幸もあると思います。高齢者が運転を断念するためには、代わりに運転してくれる人が必要です。足腰が弱った高齢者は、公共交通機関を利用して外出するのは、とても大変だからです。
私の母も、ずっと運転してきましたが、80過ぎて、危険と自覚し、運転をやめました。代わりに同居している私が運転免許を取り、母が必要なときに車を出せるようにしました。
同居している若者がいない現代の日本では、高齢者が、免許を返上して、その後、足をどうするかという問題があります。
車を使ってきた人ほど、なれない公共交通機関を使って外出することには、大変な努力が必要です。ましてや足腰が不自由になっています。家族の協力、話し合いなしに、高齢者の免許返上は難しいのかもしれません。
痛ましい交通事故が報道されるたび、深く考えさせられます。
Post