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さらうどんさん のコメント

中村哲氏の「フェミニズム」に対する考えを、小林先生との対談から拝察すると、至極真っ当ですね。
医科大での減点採点の問題の時にあったような、女性が社会で不当な扱いを受けていることを解消する、という思いは「いい」としても、
それには時・所・位(TPO)が、あるだろう、ということですね。
中東での男尊女卑は日本以上の熾烈さがある訳ですが。
(しかし、日本もレイプ問題とか、皇位継承問題とか、中東に上から偉そうに言える立場でもない・・・(汗))

あと、「ボランティアスタッフ」についてのことも考えさせられますね。
日本人の先人の遺産を食い潰した結果として、伊藤和也氏が襲われて死亡したということがある訳ですが、
その前の時点で、伊藤氏がボランティアで中東に行くことは、命がけではあったということです。
己の命がかかっている場所で無償で働く、それが「公の為」という思いからであったとしても、
ボランティアと一括りに言っても、一人一人にかかる責任やプレッシャーがそれぞれで違い過ぎるなと。
しかし、命を懸けてでもいく何かが、あったのかもしれませんね。
それは、ボランティアの範疇を超えた行為ではないかと思えてきますが。

タリバンとISの違いについての説明も、頭を整理する上で分かりやすかったです。
そして、安倍首相が、一国の首相としての責任感が希薄なんじゃないかと、
安倍首相に限ったことでなく、戦後の首相の多くに言えることかもしれませんが。
首相の立場を経験したこともない、その重圧が分からないいち国民が想像で言いますが、思ってしまいます。
そこを敢えて言わないと、誰もがニヒリズムのままかもしれないので。

安倍首相は、国内のことしか見えていないんじゃないかと。
国外のことは、兎に角、アメリカの御機嫌を損ねることだけが絶対のタブーで、
他諸外国に関しては、官僚などに丸投げなんじゃないかと。
韓国に対する処遇は安倍首相の裁量の中で珍しく真っ当なものでしたが、
それも、常識のバランスを崩していない担当者の裁量と、安倍首相のやりとりが、
珍しく合致したのではないかなと。
或いは、首相の政治家としての良心の発露だったのかな。そう思えたらいいのですが。

皇位継承に関する安倍首相の現在~今後の采配も、
ブレーンや配下の人たちの常識のバランス次第ってところもあるんじゃないか、と思ってきます。
勿論、不勉強、不見識な政治家は論外で、それで声ばかりが大きい政治家など邪魔でしかないのですが。
そこに、外部からどれだけ、影響を与えられるか、という戦いなのかも。

ネトウヨは、中村哲氏を九条護憲派といっしょくたにして叩こうとしているみたいですが、
彼らが、思考停止して「〇〇と言ったら保守」「〇〇と言ったら左翼」と、紋切り型に、薄っぺらい見方で決めつけているからでしょう。
それは、左翼も同じで「〇〇と言ったらネトウヨ」「〇〇と言ったらリベラル」と紋切り型に判断しがちです。
それは、双方とも、思想の劣化、考える力の劣化なんだろうと思います。
自分自身が上からそう言うつもりはなくて、自分自身にも、そういう傾向はありはしないか?と、自戒しながら、
思うことです。
紋切り型の主張が溢れる中の心地良さに微睡んで、政治のことを考えている「体」になっても、それは空しいだけです。

命がけで台湾の為に尽くした「六士先生」、今回の中村哲氏、中村氏と対談された小林先生が、複雑な胸中と共に、
今回の中村氏の事件を受け止めておられることを、ひしひしと感じます。

恵まれた環境で生活させて戴いている身として、
自ら逆境に飛び込んでいかれて、公の為に生涯を尽くされた中村哲氏に、深い哀悼の意を表します。
せめて、中村氏の名前と功績を後世に伝えていく一助に、微力ながらでもなることが、
今回のライジングを読んだ私の細やかな思いでもあります。
私は単なる漫画好きでしかありませんが、
ゴー宣を読んだことをきっかけに、いろいろと考えて今に至ります。
No.64
60ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
号外 2019.12.10発行 【目次】 1. ゴーマニズム宣言・第352回「中村哲を従米ポチはどう見るか?」 2. 泉美木蘭の「トンデモ見聞録」・第149回「子どもの読解力を崩壊させているのはなにか?」 第352回「中村哲を従米ポチはどう見るか?」  いまの日本人で、わしが心から凄いと思えて、文句なく尊敬できる人など滅多にいない。  そんな数少ない人物だった、ペシャワール会現地代表の中村哲医師がアフガニスタンで何者かに襲撃され、死亡してしまった。  本当に残念で、惜しまれてならない。  中村氏は九大医学部を卒業後、国内の病院勤務を経て1980年代半ばからアフガニスタンに近いパキスタンのペシャワールで、ハンセン病治療を主に扱う医療奉仕活動を始めた。ペシャワール会は、そんな中村氏を支援するため1983年に福岡で設立されたNGOである。  その後、政治情勢からパキスタンでの活動が困難になった中村氏は、拠点をアフガニスタンに移し、ハンセン病だけではなくあらゆる病気を診療するようになる。ハンセン病を特別扱いするのは先進国の発想であり、マラリア、赤痢など「伝染病の巣窟」であるアフガニスタンで、そんなことはやってられなかったのだ。  そしてさらに中村氏は、アフガニスタンに伝染病が蔓延している原因から正さなければならないと、ついに医療活動を超えた支援に乗り出した。  自ら陣頭指揮をして井戸を掘り、さらにアフガン伝統のカレーズという地下水路も修復。すると赤痢などの感染症は激減したのだった。  ところが2000年ごろからアフガニスタンを大旱魃(かんばつ)が襲い、地下水も枯渇してきた。そこで次に中村氏は用水路を建設して川から水を引き、砂漠の土地を緑化する事業を始めた。  そしてやがて砂漠は緑に覆われ、パキスタンなどで「旱魃難民」となっていた人々が戻ってきて、再び農業をするまでになったのである。  わしは雑誌「わしズム」7号(2003年7月25日発行)で中村哲氏と対談したことがある。  当時はイラク戦争の真っ最中で、アフガニスタンの現状がイラクの今後を占うと言われており、米軍の攻撃でタリバン政権が崩壊した後のアフガニスタンの状況は安定していて、イラク戦争も同様に成功するだろうという予測がメディアにはあふれていた。  だがそのとき中村氏は、メディアのアフガン報道は嘘とインチキだらけで、アフガンの治安はここ20年で最悪だと断言したのだった。   (SAPIO 2003.8.20/9.3)  対談の中で、中村氏はこう語っている。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!