M.Oさん のコメント
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第341号 2020.1.7発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…令和最初の新年、あけましておめでとう。ご譲位が無事行われて令和の正月を迎えられたことは、まずはめでたい。さて令和2年、2020年最初のライジングは、今年の展望を記しておこう。中東への海上自衛隊派遣、米国とイランの緊張、台湾総統選挙、日中関係、韓国との慰安婦・徴用工問題…今年は、本当に大変な年になりそうだ。
※泉美木蘭の血道一直線!…新連載開始!!私は「血道」と書いて「ケツドウ」と読む。通常、「血道(ちみち)をあげる」とは、色恋や道楽などに熱中するあまり、分別を失ってのぼせあがる状態を言うが、私の場合、「のぼせあがる」程度にはとどまらない。「そのことだけが、あたしの興味!」という常軌を逸したゾーンに突入するのだ。それはまさに極道、地獄道、阿修羅道などと同じく、ある種のおっかなさを伴う、サンスクリットな音読みの勢い!ケツドウ一直線である!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!アメリカに頼ってる状態で独自の政策を実行することはできるの?今田美桜のセカンド写真集は買う?作家と読者の距離感はどうあるべき?アメリカとイランの間の緊張が高まり、再び戦争になるようなことはある?北朝鮮が力をつけ、韓国を飲み込むという最悪のケースはあり得る?M-1というと関西勢が大半だけど、関東・東京の笑いは好き?どんなに理不尽なことをされても、怒りの感情を表すことができない自分はどうするべき?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第355回「【ゴー宣道場】今年の展望」
2. しゃべらせてクリ!・第298回「鏡もちんこで、おめでたまきーん!の巻〈前編〉」
3. 新連載!泉美木蘭の血道一直線!・第1回「アラブの春にケツ道一直線!」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第355回「【ゴー宣道場】今年の展望」 令和最初の新年、あけましておめでとう。
ご譲位が無事行われて令和の正月を迎えられたことは、まずはめでたい。
さて令和2年、2020年最初のライジングは、今年の展望を記しておこう。
しかし今年は、本当に大変な年になりそうだ。
2月9日には今年最初の「ゴー宣道場」が東京で開催される。テーマは「道場10年 成果と展望」である。
4月に10周年を迎えるゴー宣道場を記念する回であり、ここで道場そのものの意義や、10年を節目として今後どう変わるか、これから何をしなければいけないかといった話をする。
「ゴー宣道場」の最大の功績は、天皇陛下の生前退位を妨害しようとした安倍政権・自称保守派の企みを阻止し、ご譲位を実現したことである。
「ゴー宣道場」はこの体験を生かし、さらに活動を拡大していくが、それがこの先どうなっていくかを占うような回をやろうと思っている。
ただし、もしも何か一大事が起きてしまったら、予定しているテーマは大幅に変更せざるを得なくなる。
昨年12月27日、政府は中東への海上自衛隊派遣を閣議決定した。
年末ぎりぎりでニュース番組も激減し、人々の関心が政治や国際問題に向かなくなる時期に乗じて、重大な問題を国会での議論もなしに片づけてしまうというのは安倍政権の年中行事で、靖国参拝も、慰安婦問題「日韓合意」も、IWC脱退も年末のどさくさ紛れにやっつけたのだが、昨年はこれである。
これによって今月から「調査・研究」の名目で護衛艦「たかなみ」とP3C哨戒機2機、260人規模の自衛官が中東に派遣される。 しかも、憲法の制約上「軍隊」としての行動が認められないままで。
友好関係にあるイランへの配慮からホルムズ海峡やペルシャ湾を除外したというが、そんな折も折、 米軍はトランプ大統領の命令によりイランの精鋭軍事組織「革命防衛隊」のソレイマニ司令官を殺害。
イランは報復を明言し、核開発を大幅に拡大するのは確実、一方米軍は3500人の部隊を中東地域に派遣する方針を示し、一気に緊張感が激化している。
そんな時に海自は中東に派遣されるのだ。誰がどう見たって、アメリカの戦略にくっついていく行動としか思われないだろう。そもそも昨年の中村哲医師の殺害によって、もう中東における親日感情の遺産は完全に底を尽いてしまっていることは明らかなのである。
それに、いくら現時点ではホルムズ海峡やペルシャ湾には行かないと言ったところで、もしも米・イランの軍事衝突が勃発した時、すぐ近くに海上自衛隊の部隊がいて、米軍から応援要請があったら、それを断ることなどできるのだろうか?
いよいよ日本が米国の侵略戦争に巻き込まれる恐れが現実的になってきた。
アメリカが中東情勢の方で手いっぱいになれば、当然ながら得をするのは北朝鮮だ。 米朝会談なんか無意味となり、北朝鮮はアメリカと完全に決裂して核保有へと突進していくかもしれない。
今週末に行われる台湾総統選挙では蔡英文が優勢を保っているが、蔡英文総統が続投となれば、中国の習近平国家主席が目指す中台統一の野望は大打撃を受ける。そこへ来て香港情勢がくすぶり続けているとなれば、習近平は威信を保つためにも香港に対して強硬手段に出かねない。
そんな習近平を安倍政権はこの春に国賓待遇で招こうとしているが、これも大問題である。
そして日韓関係では、元慰安婦らが韓国政府に対して、慰安婦問題「日韓合意」は憲法違反だとして起こしていた訴訟については昨年末、韓国の憲法裁判所がさすがに却下する判断を下したものの、 慰安婦問題の解決の糸口は全く見えない状態のままである。
ましてや、 徴用工問題で差し押さえられている日本企業の資産が現金化されたりしたら、一気に最も深刻な事態となってしまう。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
ゴーン被告の海外逃亡について書いているのですが、ゴーン被告を擁護するというよりも、海外逃亡したことに喜びを禁じ得ない、心の中で快哉を叫んでいるとういうニュアンスの文章になっており、非常に気色悪いです。
少し内容を紹介します。
そもそも青木氏は、ゴーン被告が逮捕された際に、このコラムで「検察は「地獄の釜の蓋」を開けてしまったのではないか」と書いたのだそうです。
どうも「地獄の釜の蓋も開く」という慣用句を「パンドラの箱を開ける」という意味として誤用しているようなのですが、そこは今回は目をつむります。
青木氏は日本の刑事司法に「反人権的な悪弊」がいくつも残っている、と主張した上で(この主張自体は、今後議論の余地があるものだとは思います)、ゴーン被告の逮捕によって
「そうした部分に国際的注目が集まるのは必至」
と書いています。
まるで、
「検察、やっちまったな! こんな国際的なVIPを逮捕しちまったら、お前らのやり方が海外から叩かれるぞ~。今までようにはいかなくなるぞ~」
と、「海外側」の威を借りて揶揄しているように感じます。
実際に海外からは「人質司法」と言われる検察のやり方に批判が集まりましたが、その後の裁判所の保釈決定を青木氏は「異例」とした上で、
「裁判所が国際的な批判を意識したのは間違いありません」
と断じています。
ええっ!? 何で「間違いありません」なんて断定できるの?
国内法とか、過去の前例とか、国内世論とか、いろいろ判断材料はあるはずだけど、「国際的な批判」に限定してしまう根拠は何なの?
さらに青木氏は、「取り調べに弁護士すら立ち会えない」「警察に逮捕されると警察の留置場にぶち込まれる「代用監獄」」「死刑制度」といった「反人権的な悪弊」を挙げ、ゴーン被告が記者会見で日本の司法の問題点を訴えれば、
「国際的にはゴーン被告への共感も出るでしょう」
と、海外逃亡を好意的に記述しています。
何だかまるで、
「ゴーンが逃亡してくれたおかげで、日本の司法の悪弊があらためられるチャンスが到来した!」
と興奮しているように感じられます。
もっと言えば、
「よくぞ逃亡してくれた! さあ会見でバンバン日本の司法を批判しちゃって下さい!」
「いやまあ、私も日本の司法に問題はあると訴え続けていたんですけどねえ。全然あらたまらないんですよ。だから「国際的な批判」に頼っちゃいます」
「これだけの有名人とあれば、影響力抜群ですよね」
――といったような青木氏の胸の内が透けて見えます。
青木氏にとっては、ゴーン被告が実際に犯した罪などどうでもよく、ただただ日本の司法が「国際的な批判」にさらされる機会が到来したことを喜ばしく感じているだけのようです。
いやあなた、ジャーナリストでしょうよ。
左翼ではあるけど、綿密な取材に基づいた『日本会議の正体』『安倍三代』といった骨太のルポを著した人でしょうよ。
だったら「国際的な批判」をアテにするのではなくて、自分の言論で世に訴えなさいよ。
他力本願に陥っているから、ゴーン逮捕と海外逃亡に拍手喝采を送るようなねじくれた文章を書いちゃうんでしょう。
韓国や北朝鮮に過度のシンパシーを抱いているのは、もう「そういう人」だから放っとくしかないと思っていたけど、ジャーナリストとしての態度に失望してしまいました。
取材や研究に基づいて、自分の言葉で問題提起をする人だと思っていたけど、そうじゃなかった。
たった一つの短いコラムでここまで批判するのは辛辣すぎるかもしれないけど、「そういう態度」がにじみ出てしまったらもう駄目だと思います。
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