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KAZUさん のコメント

小林先生、はじめまして。私は都内の病院で呼吸器内科医として働いている者です。

ちぇぶさんから勧められてライジングを拝読しました。今回の投稿ですが、先生のご指摘はその通りだと思います。個人的な印象で根拠があるかと言われれば厚生労働省の発表する感染者数とかしかないのですが、おそらく日本はパニックになって医療機関に殺到するというような事態がない限り、ニューヨークみたいなことにはならないと思います。それはなぜか、先生もおっしゃっていましたが、今の日本の感染者の重症者(集中治療を必要としている人)の数がかなり少ないのです。これは集中治療室のベッドが足りないから一般病棟に入院していて重症者とカウントしていない可能性はありますが、少なくとも人工呼吸器がついていたり、ついていてもおかしくないぐらいの病状であれば普通は保健所に重症と報告しますので、おおむね発表された患者数で正しいと思います。重症者はやはり今後、なくなってしまう可能性が高いため、将来的な死亡者の推測になりますので、非常に大事な指標です。ちなみに、保健所は厚生労働省に忖度して情報を隠しているという人もいるかもしれませんが、保健所は厚生労働省と直接関係ないです。言ってみれば自治体病院と厚生労働省の関係ぐらいでしょうか。なので保健所が厚生労働省に忖度して情報を過小評価するメリットは保健所には全くないです。

先生の意見に付け加えるとするなら、保健所に報告したときは軽症・中等症でも重症になることもあり、また無症状で経済を回す担い手となる人の中に、介護職員などかかってしまうと重症化しやすい人と接触する機会が多い人もいますので、全く自粛しなくていいかと言われるとそうでもないと思います。ただ、いまの状況は多くの人たちは過剰反応していると思います。肺炎が疑われる救急患者の搬送先が決まらない問題はベッドがないというよりは、新型コロナウイルス感染症かもしれない、新型コロナウイルス感染症だったら感染対策ができていない、病院職員が感染したら病院の機能が維持できない、といった考えで疑心暗鬼になっているからだと思います。医師の立場としてはこのようなことはストレスですので、肺炎が疑われる患者さんが少なくするために自粛を要請するということは非常にわかります。例えて言うなら肺気腫や肺がん患者が増えて医療機関がパンクしたり医療費が増加しないようにするために禁煙をお願いするとかですね。しかし、それがすべてできないということも、医師としてはわかっていないといけないと思います。

クラスター班の西浦先生はとても優秀で、新型コロナウイルス感染症の動向をかなり詳しく追っかけており、いわゆる夜の繁華街クラスターもだいたい追跡されております。マスコミが感染経路不明と報道していますが、それは保健所に報告された時点でのことであり、民間検査会社を通じてPCRの検査ができる現状では報告時点で感染経路不明ということはいわば当たり前です。なお西浦先生の予測を公表したことについては、その予測をもとに行政が医療機関の数の確保等を行えばいいので、一般の人に西浦先生が予測を広く公表する必要はあまりないのでは?と思ってしまいました。西浦先生は危機感を持っていない人に危機感をもってほしいために公表したと思いますが、危機感を持っていない人はそんな話をされても聞かないし、もともと危機感がある人はもっと怖くなってしまい逆効果になってしまいます。これはまさに『煙草をやめないと死んじゃうよ』という感じに半ば脅して患者に行動変容を促す図式に似ています。このような医師と患者のすれ違いについて尾藤誠司先生が「医師アタマ」と称しており、本(「医師アタマ」との付き合い方―患者と医者はわかりあえるか (中公新書ラクレ) (日本語) 新書 – 2010/4/10)などで紹介しておりますので、もしよろしければお読みくださいませ。

自粛要請は感染症を蔓延させないために重要である、ということは正しいです。恐らくそれ自体に異論をはさむ人はいないと思います。だからこそ、先生が常々おっしゃっていること、『経済を回さないと貧困で自殺者が増えて社会が崩壊する』という警鐘は非常に大事です。正しいことを行っていると周りが見えなくなって足元をすくわれる、これは医療でもしばしばおこることです。政治家や行政には社会基盤を維持するための法的手続きや医療資材の確保、国民を分断させないような施策を検討して行ってほしいと思います。ちなみに私も新型コロナウイルス感染症の診療に携わっております。我々医療者側が疑心暗鬼になったり、皆さんがパニックにならなければ不可逆的な医療崩壊は起こらないと思います。我々としては感染対策をしっかりするために医療資材の確保を整え、診療の心得を医療サイドで決定していく、一般の方々はパニックになりすぎずに保健所に電話で苦情とか院内発症してしまった病院に苦情の電話をしない、保健所の指示がないのに過剰な隔離(新型コロナウイルス感染症をみてる医療機関で働く看護師の子供を保育園に預けないでくれと要請するなど)をしない、といったことを行っていただければと思います。みんながいて日本です、日本国民です。腹を割って話し合い、日本社会を崩壊させないようにしたいと思います。

追伸

医療従事者への給料爆上げ発言、ありがとうございました。ちなみにPCR検査ができなくても自宅療養のための指針はありますので、PCR検査のことについても先生のおっしゃる通りです。
No.176
55ヶ月前
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第352号 2020.4.14発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…日本における新型コロナウイルスの死亡者は4月12日時点厚労省発表で98人、諸外国に比べて極めて少ない。デマ恐怖を煽りたいマスコミは「不都合な真実」である死亡者数を一切無視し、ひたすら感染者数だけを取り上げて恐怖を煽りまくっている。そして連中が最近必ず言うのが、「東京もこのままではニューヨークのようになる」「今のニューヨークは、2週間後の東京だ」である。本当に東京はニューヨークになるのか!? ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本中が「新型コロナ恐怖症」「一億総強迫神経症」だ。日本の感染死者数は他国に比べて驚くほど少ないが、この事実は「新型コロナ恐怖症」に罹った者にとって都合が悪いのか、「日本には10万人の肺炎死者がいる、コロナ死者が混じっていて、本当はもっとコロナ死者がいるはずだ」という陰謀論が蔓延している。まるで「謎の大量の肺炎死者」がいるかのような情報はデマである! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!玉川徹はコロナが入ってきた原因であるグローバリズムについて、今どう考えている?もっと危険な疫病が流行した時のために、防疫体制や緊急事態法なども考え直すべきでは?家族の「コロナパニック」に従ってしまった自分は個が弱い?庶民の生活がわかっているような政治家を出すためにはどうすべき?スポンサー企業はマスコミが自粛を煽る状況をどう思っている?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第368回「東京はニューヨークにはならない!」 2. しゃべらせてクリ!・第309回「現代の闇!メタボ・パラサイト万引き家族ぶぁ~い!の巻〈後編〉」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第162回「撲滅すべき肺炎陰謀論」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第368回「東京はニューヨークにはならない!」  生きてるうちに、こんな世界規模のパニックが見られるとは思いもしなかった。しかもそのパニックを巻き起こしている恐怖の正体が実はデマにすぎないのだから、まさに現実は漫画よりも奇怪である。  だが、わしがいくらこれはデマだと発信しても、一向に世間には浸透しない。  マスコミがあまりにも愚かで悪質だからだ。   日本における新型コロナウイルスの死亡者は4月12日時点厚労省発表で 98人 、諸外国に比べて極めて少ない。  デマ恐怖を煽りたいマスコミは「不都合な真実」である死亡者数を一切無視し、ひたすら感染者数だけを取り上げて「今日1日で何百人感染した、過去最高だ!」と連日煽りまくっている。  4月12日時点厚労省発表の感染者数は6748人だが、こんなのは微々たる数字と言っていい。本当は、検査せず表に出ていない感染者は既に5万人くらいいるのではないかとわしは思っているが、それでも大した数字ではない。   毎年のインフルエンザの感染者は1000万人だし、2009-10年に流行した新型インフルエンザは、免疫を持っている人が少なくワクチンもなかったため2000万人が感染したと推計されている。  新型コロナの感染者数も、死者数さえ抑えられれば2000万人まで増えても全然かまわないのであって、そうなれば集団免疫ができて、これは単なる「ふつーのウイルス性感冒」になるのだ。  マスコミの中でも特に極悪であるテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」では「コロナ真理教」の二人の教祖・玉川徹と岡田晴恵が毎朝毎朝恐怖を煽りに煽り、出来る限り 全国民にPCR検査を行え、感染者は一人残らず隔離せよ、新型コロナウイルスを根絶せよ という主張を繰り返し、そのためならば 経済が崩壊しようとかまわない とでもいうような勢いである。  ウイルスとは共生していくしかないのであって、根絶などできない。玉川・岡田の言うことは、できるわけのないことをできると言い張るカルトの教義そのものなのだが、マスメディアの威力で、異論を許さぬ全体主義の空気を生み出している。  そして連中が最近必ず言うのが、 「東京もこのままではニューヨークのようになる」「今のニューヨークは、2週間後の東京だ」 である。  現在のニューヨークは世界で一、二を争うような悲惨な状況だから、その映像を見せて東京もこうなるぞと脅せば、洗脳効果は抜群である。  かつてオウム真理教は「地獄のビデオ」を見せて恐怖で信者を思考停止にさせ、教団の教義を吹き込んで洗脳していたが、やっていることはそれと全く同じなのだ。  ところがこんなカルトにお墨付きを与える「専門家」もいるのだからタチが悪い。  英国キングス・カレッジ・ロンドン教授で、WHO(世界保健機関)事務局長上級顧問の渋谷健司とかいう医師は「ダイヤモンドオンライン」のインタビューで、日本の現状は手遅れに近いと主張している。  渋谷は、「外出自粛要請」をベースとする緊急事態宣言では効果が望めず、都市封鎖(ロックダウン)の対策強化をしなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性もあるとまで言う。  そして「検査と隔離」を徹底し、ロックダウンで交通を遮断して人とウイルスの動きを止める以外に感染拡大を防ぐ方法はないとして、こう断言する。 「ロックダウンはやるかやらないかではなく、やるしかないということです。本来であれば4月初めにロックダウンすべきでした。今からやっても遅過ぎますが、やるしかない段階です」  ウイルスを止めるには社会を殺すしかないと言っているようなものだが、渋谷は、ロックダウンの際には 「休業補償などもしっかりとやらなければなりません」 と言うのだ。どこまで現実離れしたことを考えているのか?  玉川徹などは間違いなくこの記事を読んで勇気づけられて、ますます狂気をエスカレートさせているのだろう。  だがいくら渋谷が力説しようと、日本政府がロックダウンに踏み切ることはない。 そんなことをする法的根拠はないのだから。  その結果、数十万人の死者が出るのかどうか? 渋谷健司という医者は正しいことを言ったのか、単にカルトなだけだったのか? その結論は、いずれ必ず明確に出るのだ。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!