Docさん のコメント
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第352号 2020.4.14発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…日本における新型コロナウイルスの死亡者は4月12日時点厚労省発表で98人、諸外国に比べて極めて少ない。デマ恐怖を煽りたいマスコミは「不都合な真実」である死亡者数を一切無視し、ひたすら感染者数だけを取り上げて恐怖を煽りまくっている。そして連中が最近必ず言うのが、「東京もこのままではニューヨークのようになる」「今のニューヨークは、2週間後の東京だ」である。本当に東京はニューヨークになるのか!?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本中が「新型コロナ恐怖症」「一億総強迫神経症」だ。日本の感染死者数は他国に比べて驚くほど少ないが、この事実は「新型コロナ恐怖症」に罹った者にとって都合が悪いのか、「日本には10万人の肺炎死者がいる、コロナ死者が混じっていて、本当はもっとコロナ死者がいるはずだ」という陰謀論が蔓延している。まるで「謎の大量の肺炎死者」がいるかのような情報はデマである!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!玉川徹はコロナが入ってきた原因であるグローバリズムについて、今どう考えている?もっと危険な疫病が流行した時のために、防疫体制や緊急事態法なども考え直すべきでは?家族の「コロナパニック」に従ってしまった自分は個が弱い?庶民の生活がわかっているような政治家を出すためにはどうすべき?スポンサー企業はマスコミが自粛を煽る状況をどう思っている?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第368回「東京はニューヨークにはならない!」
2. しゃべらせてクリ!・第309回「現代の闇!メタボ・パラサイト万引き家族ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第162回「撲滅すべき肺炎陰謀論」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第368回「東京はニューヨークにはならない!」 生きてるうちに、こんな世界規模のパニックが見られるとは思いもしなかった。しかもそのパニックを巻き起こしている恐怖の正体が実はデマにすぎないのだから、まさに現実は漫画よりも奇怪である。
だが、わしがいくらこれはデマだと発信しても、一向に世間には浸透しない。
マスコミがあまりにも愚かで悪質だからだ。
日本における新型コロナウイルスの死亡者は4月12日時点厚労省発表で 98人 、諸外国に比べて極めて少ない。
デマ恐怖を煽りたいマスコミは「不都合な真実」である死亡者数を一切無視し、ひたすら感染者数だけを取り上げて「今日1日で何百人感染した、過去最高だ!」と連日煽りまくっている。
4月12日時点厚労省発表の感染者数は6748人だが、こんなのは微々たる数字と言っていい。本当は、検査せず表に出ていない感染者は既に5万人くらいいるのではないかとわしは思っているが、それでも大した数字ではない。
毎年のインフルエンザの感染者は1000万人だし、2009-10年に流行した新型インフルエンザは、免疫を持っている人が少なくワクチンもなかったため2000万人が感染したと推計されている。
新型コロナの感染者数も、死者数さえ抑えられれば2000万人まで増えても全然かまわないのであって、そうなれば集団免疫ができて、これは単なる「ふつーのウイルス性感冒」になるのだ。
マスコミの中でも特に極悪であるテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」では「コロナ真理教」の二人の教祖・玉川徹と岡田晴恵が毎朝毎朝恐怖を煽りに煽り、出来る限り 全国民にPCR検査を行え、感染者は一人残らず隔離せよ、新型コロナウイルスを根絶せよ という主張を繰り返し、そのためならば 経済が崩壊しようとかまわない とでもいうような勢いである。
ウイルスとは共生していくしかないのであって、根絶などできない。玉川・岡田の言うことは、できるわけのないことをできると言い張るカルトの教義そのものなのだが、マスメディアの威力で、異論を許さぬ全体主義の空気を生み出している。
そして連中が最近必ず言うのが、 「東京もこのままではニューヨークのようになる」「今のニューヨークは、2週間後の東京だ」 である。
現在のニューヨークは世界で一、二を争うような悲惨な状況だから、その映像を見せて東京もこうなるぞと脅せば、洗脳効果は抜群である。
かつてオウム真理教は「地獄のビデオ」を見せて恐怖で信者を思考停止にさせ、教団の教義を吹き込んで洗脳していたが、やっていることはそれと全く同じなのだ。
ところがこんなカルトにお墨付きを与える「専門家」もいるのだからタチが悪い。
英国キングス・カレッジ・ロンドン教授で、WHO(世界保健機関)事務局長上級顧問の渋谷健司とかいう医師は「ダイヤモンドオンライン」のインタビューで、日本の現状は手遅れに近いと主張している。
渋谷は、「外出自粛要請」をベースとする緊急事態宣言では効果が望めず、都市封鎖(ロックダウン)の対策強化をしなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性もあるとまで言う。
そして「検査と隔離」を徹底し、ロックダウンで交通を遮断して人とウイルスの動きを止める以外に感染拡大を防ぐ方法はないとして、こう断言する。
「ロックダウンはやるかやらないかではなく、やるしかないということです。本来であれば4月初めにロックダウンすべきでした。今からやっても遅過ぎますが、やるしかない段階です」
ウイルスを止めるには社会を殺すしかないと言っているようなものだが、渋谷は、ロックダウンの際には 「休業補償などもしっかりとやらなければなりません」 と言うのだ。どこまで現実離れしたことを考えているのか?
玉川徹などは間違いなくこの記事を読んで勇気づけられて、ますます狂気をエスカレートさせているのだろう。
だがいくら渋谷が力説しようと、日本政府がロックダウンに踏み切ることはない。 そんなことをする法的根拠はないのだから。
その結果、数十万人の死者が出るのかどうか? 渋谷健司という医者は正しいことを言ったのか、単にカルトなだけだったのか? その結論は、いずれ必ず明確に出るのだ。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
念のため、今から書く内容は、そうなるということを言いたいのではなく、どういう考え方なのかを説明するためのものです。
1927年からある古典的な疫病の数理模型にSIR模型というものがあります。
この模型は、総人口を未感染者(S)、感染者(I)、回復者・隔離者・死亡者(R)の3つに分け、日々、感染者の一部が回復者等になっていき、また、未感染者の一部が感染者になっていくという時間変化を記述する模型です。
ここで重要になるのは、感染によって増える感染者数の増加分の決め方です。この模型では、増加分は感染者数に比例すると仮定します。感染者が多いほど、感染が増えるということです。さらに、増加分は感染対象である未感染者数にも比例すると仮定します。免疫を持つ回復者や死亡者、感染者が増えると未感染者が減り、その分だけ感染が減ります。
この模型は、人の個性を無視して平均化・単純化している点を除くと、尤もな模型であり、特に対策を行わない場合には、この模型に近い状況になると考えられています。
この模型では、集団免疫獲得後の最終的な回復者・死亡者の総数は基本再生産数(R0)という一つの定数で決まります。さらに死亡者数は、回復者と死亡者の比率(もしくは致死率)で決まります。
具体的には、基本再生産数が2.5の時には、最終的な回復者・死亡者の総数は総人口の90%になり、致死率1%とすると死亡者は108万人程度になります。同様に、基本再生産数が1.6(現状の日本のデータに近い値)の時には、最終的な回復者・死亡者の総数は65%になり、致死率1%とすると死亡者は78万人程度になります。
もちろん、この模型は単純すぎるものですので、専門家はもっと詳細な模型とデータを用いて計算するわけですが、結果が数十万人規模になるというのは、どう計算しても変わらないため、大体そんなものなのだろうと認識されています。
なんでこんなに感染者や死亡者が増える計算になるのかというと、新規感染者数(増加分)が感染者数に比例しているからです。これは借金の利息の複利計算と同じ(借金=感染者数、利息=新規感染者数)で、集団免疫の効果が現れるまで、ねずみ算式に増えていきます。集団免疫が効いてくるのは回復者等が総人口の何割かを占めてきてからなので、どうしても大きな数になってしまうわけです。(インフルエンザが1000万人程度で済んでいるのは元々免疫を持っている人が多いからだとどこかで見ましたが、この辺は専門でないので分かりません。)
具体的に、上の模型で基本再生産数が1.6、致死率1%(医療崩壊は考えない)で、時間スケールを適当に合わせる(gamma = 1 / 7 days)と、累計の死亡者数はこんな感じで増えていきます(計算サンプルとして増加のイメージを見て欲しいというだけのものです)。100人になる(4月半ば)までに50日程度、5月頭は300人程度、6月頭は4千人程度、7月頭には4万人程度、8月頭には30万人程度、9月頭で65万人程度。
最後に自粛についてですが、模型上では自粛は基本再生産数を一時的に下げるということに対応し、その分だけ感染が減ります。ただし、やめれば基本再生産数は元に戻るので、最終結果は変わらず、被害を先延ばしにするだけです。時間を稼いで、その間に何とか対策しようとするためのものだと考えられます。
長くなってしまいましたが、理系研究者で悲観的な人は、大体以上のような感覚を前提にしていると思います。
私自身も、よしりん先生のように楽観的に考えることはできていません。ただ、日常生活を守ることが大切だという考えには賛成します。ずっと自粛を続けるというのは、戦争に例えるなら、無条件降伏して穴倉に引きこもるのと同じです。犠牲者数は最小化できるかもしれませんが、日常と平和は失われてしまいます。
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