M.Oさん のコメント
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第373号 2020.9.22発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…『ゴーマニズム宣言SPECIALコロナ論』が発売されて、1か月が過ぎた。扶桑社に寄せられた「愛読者カード」が届いたが、それを見て驚いた。近年まれに見る量で、しかも書かれている感想が、どれも半端ない熱さなのである。人々はコロナ騒動の中、職場や家庭において、どんな思いで生活してきたのか?それがわかる「愛読者カード」を紹介しよう。
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…日本では今年6月まで「例年よりも自殺者数が少ない」と言われていたが、7月になってから増えはじめ、男女別で見ると、特に女性の自殺者が昨年よりも増えはじめている。「コロナに感染しない、させない」というような文言を盾にして経済を滞らせ、人々に通常の生活を送らせまいとしている状況下で進行している現実とは何か?そして、スウェーデンの最新情報と、テグネル博士の最新インタビューも必読!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!マスコミが首相の私的な好みなどを伝える必要はある?小室圭氏を誹謗中傷している人々は、小室氏から訴えられる可能性を考えないの?違法薬物に手を染める人達は「個」が弱い?コンビニ等でのトイレ・ゴミ箱の使用禁止や、エアータオルの禁止などは感染予防に意味があるの?岸部四郎さんと芦名星さんについての思い出はある?石破議員はどうして自民党内で嫌われているの?キン肉マン騒動をどう見ている?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第390回「『コロナ論』の反響」
2. しゃべらせてクリ!・第330回「ぽっくんパニック!恐怖の人食いワニ襲来ぶぁ~い!の巻〈前編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第184回「“感染しないこと”だけが正義の日本と、スウェーデン最新情報」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第390回「『コロナ論』の反響」 『ゴーマニズム宣言SPECIALコロナ論』が発売されて、1か月が過ぎた。といっても、そのうち11日間は品切れで買えない状態だったわけで、それが実に悔やまれる。
わしはこの本が10万部売れれば世の中は変わると言ってきたが、それはまだまだ先というのが現状だ。
そんな、ちょっと気落ちしそうな時に、扶桑社に寄せられた「愛読者カード」がわしのもとに届いたが、それを見てわしは驚いた。近年まれに見る量で、しかも書かれている感想が、どれも半端ない熱さなのである。
扶桑社の愛読者カードは、感想を宣伝に使用する際に本名で載せるか、あるいは匿名か、ペンネームかを選んでもらうようになっているが、本名で載せていいという人もかなりいて、それにも驚かされた。
これを読んで、わしの闘志にはさらに火がついた。
わしだけが読むのではもったいない感想があまりにも多いので、今回はその中から一部を紹介しようと思う。
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2日間で一気に読みました。
最終章の内容、そして「経済の方が命より重い」の言葉に感涙しました。
エンタメ業に生きがいを見出している者としては、辛い毎日が続きますが、ここまで踏み込んだ表現をされるとは思ってもみませんでした。
「文化」を担う「現場」の人間の気持ちを代弁していただいたことには感謝の言葉しかありません。
おかげでマスコミに心を乱されることなく、仕事に邁進できます。ありがとうございました。
(M.Oさん/大阪府・47歳男性・アルバイト)
ステイホームが出来ない零細インフラ関係企業経営の、いわゆるコロナ弱者です。日々データを見て報道や世の中の空気に大変な違和感を感じていました。
普段感じていて家族や親しい友人にだけ漏らしていた「本音」をコロナ論では余すことなく語ってくれました。
世の中の「空気の支配」に抵抗して声を上げていくことで自分の生活基盤を脅かすのではと思い、声を上げることを躊躇していました。でも、このままでは我が国の存続そのものが危うい。少しでもこの空気感への抵抗になればと願ってやみません。読ませていただいて本当にありがとうございました。
(渡辺弘輔さん/新潟県・42歳男性・自営)
よしりん先生、私のクリニックも今回のコロナ騒ぎで37度の微熱→念のためPCR検査を!!という患者がいて困りました。正しく恐れることを説明するのは本当に難しい。この本はモーニングショーに出てくる疫学を弄する医学者を斬り捨てるのみならず、「自然免疫」と「獲得免疫」まで科学的に解説してあるので、すばらしい。
漫画の発信力はつまらんTVよりはるかに強い。
当院の不安がる患者の教科書にしたい!!
(西村正さん/兵庫県・71歳男性・医師)
とても共感しました。私は看護師をしており、感染者差別が何より恐いです。娘もいるので、自分が感染したら学校でフクロ叩きに遭うのか…など、職業柄、職をバラされて…など、自粛ぎみになっています。でも本当はよしりんさんのように思っています。早く指定感染症2類から転落し差別をなくしたいです。医療関係者は外食もしてはいけないの!?
(まりんこさん/愛知県・40代女性・看護師)
小学5年生の息子が、突然の長期にわたる休校で、心を病みかけました。「ステイホーム」という言葉は二度と聞きたくない、と小林先生と同じ事を言っています。
「自粛」の弊害は本当に大きく、しかも今もまだ続いています。『コロナ論』、多くの人に読んでもらいたいです。息子がテレビの煽り報道を嫌がるので、我が家はこの半年テレビを一切観ていません。
(北海道・47歳女性・公務員)
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
やはり人間は仕事で実存を得ないと、命が縮んでしまいますね。
さて、ラジオ番組『伊集院光の深夜の馬鹿力』で、コロナに関する海外の面白いニュースが紹介されていました(Yahoo!ニュースでのリンク先 https://news.yahoo.co.jp/articles/236c8dbed81601baf1c18dacabf6cea1413437f2)。
要約すると、ドイツの11部にあたるサッカーリーグのとあるチームが、コロナ感染者と接触したという選手が属するチームとの試合を延期したい旨を訴えた(当人は陰性だった)が認められず、試合放棄すれば罰金(といっても日本円で25,000円程度)が科されてしまうため、試合成立要件ぎりぎりの7人の出場選手数で戦ったのだそうです(少しでも当該選手と接触する選手を減らしたかった)。
ここまでならば、「感染に神経質すぎるエピソード」で終わるわけですが、スゴいのはここから。
監督は「勝利よりも安全」を優先し、当該選手と「距離を取れ・ボールを奪わなくていい」と指示。
結果、当該選手はお構いなしにゴールを決め、試合は37-0というサッカーとしては有り得ないスコアで幕を閉じたとのことです。
この話を聞いた時、当初私は「後世の笑い話になるエピソード」だと感じたのですが、今の日本のことを考えれば全然笑えないな、と思い直しました。
「距離を取れ・ボールを奪わなくていい」――この方針を社会生活の規範に落とし込んだのが「ステイホーム」なのではないでしょうか。
このサッカーチームはアマチュアなので、何もせずとも給料が貰えるわけではないし、選手ら自身も感染に不安を感じる中でボランティア的に7人が出場したという事情も、日本の「ステイホーム」とは少し異なる部分ではあります。
でも、いかにアマチュアとはいえ、37のゴールを面白いように決められ、サッカー選手として悔しさや屈辱を感じないはずがはずがありません。
途中から、少々のリスクを冒してディフェンスしたいと感じるようになった選手もいたかもしれない。
何のためにサッカーやってるんだろ、と虚無感がつのってきた選手もいたかもしれない。
でも、ディフェンスは御法度だし、サッカーよりも感染予防の方が大事だから、「ステイヒア」を遵守しなければならない。
ピッチで棒立ちになっている選手の姿は、傍目から見れば滑稽でもあり、哀れでもあるわけですが、これは唯々諾々と「ステイホーム」に従った日本人そのものなのではないでしょうか。
しかも、こんな無茶な方針を立ててまでも試合をした理由は、罰金を払いたくなかったからです(チームの代表者は、我々にとっては決して小さな金額ではないと主張)。
「アスリートとしての尊厳」よりも25,000円の方が大事――お店を閉めて大人しく給付金貰っとけよ、という発想に似てませんか?
「経済より命」が持論の人にとっては、このニュースは衝撃でも笑い話でもなく、「コロナで世界は変わりつつあるんだ」と納得できるエピソードとしてとらえてしまいそうです。
一方で、何でもいいから「パンとサーカス」さえ得られればそれでいい、という大衆は、こんな試合でもそこそこ楽しんでしまうのかもしれません。
そうなった時に、高い技術や技法を追求し続ける一流のプロの中から、自らの実存を見失ってしまう方が出てくるのではないでしょうか。
大衆は「リスクを冒してボールを奪いにいく」のを期待しているのではない、「棒立ち」でも何でも楽しければそれでいいということだったんだ、と1ミリでも感じてしまえば、心の中でガラガラと音を立てて何かが崩れ落ちてしまった、というプロもおられるのではないか、と想像してしまいます。
ちなみに伊集院光の喋りは相変わらず絶好調でした。
木蘭先生がブログで「爆問の田中が感染して、コロナをネタにしづらくなった」という別のラジオ番組での発言が紹介されていましたが、ギリギリのラインでうまいこと皮肉を効かせていて、行間を読めばなかなかの事を喋っていたなという印象でした。
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