M.Oさん のコメント
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第384号 2021.1.12発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…説得力のある意見だと感じる専門家や、現場を知っているという人物であっても、よくよく話を聞いていると矛盾が見える場合がある。特に、スウェーデンに対する評価は、世界的なデマ、誤報、偏見が横行していることもあり、見解がぐらつきやすい。「スウェーデンは秋冬になって感染が再拡大し、マスク着用や営業制限など方針転換を余儀なくされた。国王も『失敗』を認めた。スウェーデンは、集団免疫策に失敗した」…現在は、おおむねこのような意見が、既成事実であるかのように語られがちだ。スウェーデンの現状はどうなっているのだろうか?正しい情報を知りたかったらこれを読め!!
※「ゴーマニズム宣言」…ついに関東一都三県に緊急事態宣言が発令されてしまい、関西圏や愛知県がそれに続こうとしている。日本トレンドリサーチによるアンケート調査結果によると、この発令に関して「賛成」がなんと72.5%!日本人の7割以上が「経済よりも自分の命」で、自分がコロナに罹るリスクに怯え、感染抑止のためとあらば、経済を止めたってかまわないと思っているのだ。経済を止められたら困窮する人が激増して、最悪の場合、自ら命を絶つ人が続出するかもしれないなんてことは、全く考えようともしないのである!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!日本のコロナ全体主義に抵抗する芸術家が全然出てこないのはなぜ?マスク警察から恫喝を受けた場合の対処法は?自由を求めて戦うはずのロッカーは今どこに?本を選ぶ際、読者のレビューを参考にする?スコッチはお好きですか?敵討ちが合法だった昔の社会のほうが庶民感覚を反映した世界だったのでは?ミステリーやサスペンス映画は好き?小林家ではどのような雑煮を食べる?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第198回「詳しすぎるスウェーデン情報:集団免疫は失敗ではありません」
2. ゴーマニズム宣言・第404回「弱者は常に少数派」
3. しゃべらせてクリ!・第341回「忠牛ばっふぁ郎登場!猪突モ~進ぶぁい!の巻〈後編〉」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第198回「詳しすぎるスウェーデン情報:集団免疫は失敗ではありません」 説得力のある意見だと感じる専門家や、現場を知っているという人物であっても、よくよく話を聞いていると矛盾が見える場合がある。特に、スウェーデンに対する評価は、世界的なデマ、誤報、偏見が横行していることもあり、見解がぐらつきやすい。
「スウェーデンは秋冬になって感染が再拡大し、マスク着用や営業制限など方針転換を余儀なくされた。国王も『失敗』を認めた。スウェーデンは、集団免疫策に失敗した」
現在は、おおむねこのような意見が、既成事実であるかのように語られがちだ。
「失敗」については、 昨年12月のスウェーデン国王の発言 を「ロックダウンしなかった我が国のコロナ政策は失敗だった」という意味に誤読・曲解した世界中のメディア報道を、鵜呑みにして流されているところもあるだろう。だがそれは、 第196回「”スウェーデンは失敗だ”を問い質す」 で解説したとおり、立憲君主国の国王とはなにかということも、スウェーデンならではの問題も理解せずに、ただレッテルを貼っているだけだ。重なる部分もあるが、改めてさらに現状を精査しレポートする。
●スウェーデンと各国の比較
まず、スウェーデンの現状を確認しておこう。
2021年1月10日現在の最新のデータによると、スウェーデンは11月ごろから急激に感染者が増えはじめ、現在も上昇中だ。「今週が山場」という警鐘も鳴らされている。では、たびたびスウェーデンをこき下ろすアメリカ、そして、ロックダウン政策に転じたイギリスと比べてみよう。
どこも大して推移に変わりはない。そして現状、感染者数、死者数ともに一番多いのは、3回目のロックダウンに入り、小中学校まで再び閉鎖してしまったイギリスだ。
グラフを眺める私は、
「3月にデビューしたこの新しいウイルスは、最初はバッと感染して患者を出したけど、すぐにピークアウトした。でも冬になるとやっぱり風邪っぴきが増えるのと同じ経過をたどるんだな」
という風に考える。
なにしろ、 南半球のオーストラリアは、冬にあたる6~8月に見事に感染者が急増して、そして春先の9月には収束している のだ。
オーストラリアは、真夏の現在も、集団感染が発生するたびに3~6日間の超短期ロックダウンを行っている。なんの意味があるのか不明だが、窮屈で気の毒だ。
PCR検査の偽陽性にかなり慎重な姿勢をとるニュージーランドも、3月の時点でウイルスは入り込んでいた。その後、「封じ込めた」とされたものの、真冬の8月にふたたび感染者が発見されているのだから、根絶はしていない。
ほかにも「そりゃ、寒けりゃ熱出す人は増えるだろう」としか言いようのないデータは、世界中にいっぱいあって、なんだか呆れてしまう。
こう眺めると、 「スウェーデンって、そんなにおかしいか?」 としか思えない。
●「集団免疫」のとらえ方
いまスウェーデンを「失敗」と評する人々の不思議なところは、 「冬になって、結局、感染拡大した」 という点をあげつらうところだ。各国のグラフを見れば、ロックダウンしていても、冬になれば感染拡大しているのに、である。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
戦後日本の様々な問題点が絡み合っていると思うのですが、どうも医療業界が歪なものになっているのではないかという疑念が湧き出てきたので、近藤誠著『健康診断は受けてはいけない』(文春新書)という本を読んでみました。
大ビンゴでした。
タイトルがややイロモノ的ですが、きちんとしたデータに則った科学的知見から「健診および検診の問題点」を厳しく追及した内容になっています。
著者は生放送で登壇された萬田緑平氏と『世界一ラクな「がん治療」』という対談本も出されていて、死生観や終末医療について極めて真っ当な考え方をお持ちの方とお見受けします(本書の語り口がややシニカルでオーバーな表現に傾くことがあるのが玉に瑕のような気はしますが)。
驚いたのは、本書で述べられている健康診断やがん検診にまつわる現状が、PCR検査のそれと酷似していることです。
・「健診・検診」が死亡数を下げるというデータは存在しない。
・「がんの急増」は健康な人にがん検診を行い、そのままでも問題ない病変を「がん」と認定していった結果。
・がん手術で臓器を摘出した結果、呼吸器不全などでなくなったケースでも、厚労省では「がんによる死亡」として統計に加えられる。
・「健診・検診」推進派の専門家が、データがもつ意味を意図的に歪曲して「健診・検診」の必要性を訴える。
・多くの医師は医学論文の冒頭に置かれている要約(サマリー)までしか読まない(ネットに流通する情報もサマリーに基づく)。しかし、論文著者がが意図的に重要なデータ(「健診・検診」推進の反証など)をサマリーに記述しない。
・「健診・検診」は「日本医師会」「日本高血圧学会」「日本動脈硬化学会」「国立がん研究センター」といった組織や団体が推進しており、彼らと厚労省との結びつきが強いらしい。
・著者の近藤誠氏が「健診・検診」推進派の専門家に討論を申し込んでも断られる。しかし、彼らは別の「場」で近藤氏の主張を批判する。
要するに、「健診・検診」で「患者」を少しでも増やしたい、という思惑が見て取れます。
少子化で患者(お客さん?)の数が先細りとなる医療業界(開業医のみならず、製薬会社や医療機器メーカー含む)の生き残り戦略ではないか、彼らと癒着するかたちでサポートしているのが厚労省だろう、と近藤氏は推察しています。
だとすれば、厚労省、薬害エイズの頃から何一つ体質が変わってない。
「国民の健康と命」よりも「医は算術」の方を重視している。
また、マスコミは製薬会社が大手スポンサーとしてついているため、「健診・検診」推進に反する番組作りは非常に難しいのだそうです。
こうした構造が、コロナ禍においても成立しつつあるのではないかと思い、書かせていただきました。
即ち、「患者」を増やすためにPCR検査を拡大している、それを主導しているのが厚労省や「日本医師会」なのではないか、ということ。
もちろん、その政策が一部医療機関の経営危機を招いているという事実が存在しているので、はっきりしたことは言えません。
しかし、マスコミが先鞭を付けた「コロナ恐怖煽動」について、当初は彼らは目立った動きを見せていませんでしたが、夏頃からがっつりと「乗っかってきた」ように感じられるので、その辺りで彼らが何らかのビジネスチャンスを見出した可能性を検討してみる余地はあると思います。
こうした観点に立つと、医療業界が「第一権力」として存在感を増してきたのではないか、と思えてきます。
直接的な影響力を発揮するのはマスコミですが、医療業界はそれをスポークスマンとして利用しているのではなかろうか、と。
前掲書や森田洋之氏の『日本の医療の不都合な真実』で業界の実態を知ってしまうと、当たらずといえども遠からずではないかと思えます。
私たちが戦う相手は「全体主義」ですが、それを作りだしている大元は医療業界なのでしょう。
彼らが本格参戦することで、マスコミは「これぐらいにしといたろか」と自分で引くことができなくなったのでは!? 何しろ広告収入が減少しているわけだし――というのは、あくまで私の想像です。
ただ、医療業界が想像以上に腐敗しており、「人治主義」や「権威主義」に端を発する非科学的な言説にまみれた世界だということを知る上では、前掲書はオススメの本です。
著者は恐らく業界のはぐれ者であり、テレビに出演されたこともほとんどないだろう、という意味において、数少ない信用できる専門家ではないか(笑)、と思われます。
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