Dr.Uさん のコメント
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第386号 2021.1.26発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…今国会では、新型コロナに関する特措法を改正して「まん延防止等重点措置」なるものを設置しようという議論が行われている。これは「緊急事態宣言」の前段階の措置で、首相が対象地域を指定し、対象となった都道府県知事は事業者に休業や営業時間短縮を「命令」でき、違反すれば30万円以下の過料という罰則を与えることもできるという。しかも政府案では、どういう感染状況になれば重点措置を発令できるかも詳細が明らかではなく、国会への報告義務もない。しかし、今回取り上げたいのは、そういった法律上の問題ではない。ウイルスの「まん延防止」のために「重点措置」をするという、その根本的な発想そのものが間違っているのだ!
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…コロナ恐怖を煽る言葉にはいろいろあるが、最近のトレンドは「容態が急変して死亡」だ。「自宅療養中に急変」「無症状から容態が急変」というパターンもある。なにかとても恐ろしいことのように報じられているのだが、だいたい、どんな病気でも、とうとう死ぬ直前は「容態急変」だと思う。身のまわりで人が死ぬという体験をしていないのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!「今は科学や死生観といった本質での説得は無理」という意見をどう思う?社会及び個人に対して取り返しのつかない損害を与えたマスメディア(大手TV局)に対して、罰則を与えられる様な法律は出来ない?自民党は大きな支持団体でもある日本医師会には逆らえない?ピーチ航空機でノーマスクを貫いて逮捕された男性を責めるのはまだ早いのでは?バイデン米大統領をどう見てる?平成以降にアニメ化された手塚治虫作品は曲解されている?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第406回「まん延防止してはいけない!」
2. しゃべらせてクリ!・第343回「反自粛!自家用機で勝手にGoToトラベルぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第200回「高齢者の肺炎実態と、急変して死ぬ病気」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第406回「まん延防止してはいけない!」 ウイルスとは何か、ウイルスと人間とはどういう関係にあるものかということは、『コロナ論2』で描き尽くした。
しかし、この本質的な観点を完全に欠いたままの議論しか行われていないことが、歯がゆいばかりである。
今国会では、新型コロナに関する特措法を改正して 「まん延防止等重点措置」 なるものを設置しようという議論が行われている。
これは「緊急事態宣言」の前段階の措置で、首相が対象地域を指定し、対象となった都道府県知事は事業者に休業や営業時間短縮を「命令」でき、違反すれば30万円以下の過料という罰則を与えることもできるという。
首相が対象地域を指定するといっても、現在の緊急事態宣言が発令された経緯と同様、知事が世論の支持を受けて我が県を指定しろと迫れば、首相は拒否できないだろう。そうなれば都道府県知事には、罰則付きの命令を自由に出せるという強力な権限が与えられることになるのだ。
小池百合子を筆頭とする知事たちに突き上げられて、それに易々と追随してきた政府は、今度はさらにその権限を強めて差し上げようとしているわけで、そのヘタレぶりは全く情けない限りである。
そもそも、コロナがどういうものかを勉強する意思も能力もなく、ただ無意味に強権発動して「やってる感」さえ出しておけば支持率が上がるとしか考えていない、ポピュリズムだけのバカ知事どもの権限を強めるということ自体が、ものすごく危険である。
この 「まん延防止等重点措置」 は、「緊急事態宣言」を出す前の段階で命令ができる。 つまり全く「有事」にも至っていない段階でも国民の権利を制限できるという、とんでもないものである。
しかも政府案では、どういう感染状況になれば重点措置を発令できるかも詳細が明らかではなく、国会への報告義務もない。
そのため、政府が私権制限を伴う措置をフリーハンドで行使できる恐れがあるとか、罰則に歯止めがかからなくなり、過剰な規制が行われるかもしれないとか、実際に妥当な措置だったのかも評価できず、科学的客観性を担保する手立てもないといった批判が野党からは噴出しており、与党は修正の意向を示している。
だが、わしがここで取り上げたいのは、そういった法律上の問題ではない。
ウイルスの 「まん延防止」 のために「重点措置」をするという、その根本的な発想そのものが間違っているのだ。
新型コロナは1年の累計で陽性者数31万人超、死者数約4400人。季節性インフルエンザの年間患者数1000万人、死者数1万人に比べてずっと少ない。
そんな弱いウイルスを 「まん延防止」 したって意味がない。逆に、さっさとまん延させた方がいいのだ。 さっさと大流行させて、さっさと国民の大多数が感染して、さっさと6割の人間が抗体を持って、さっさと集団免疫を獲得して、さっさと終わらせるべきなのだ。
それを 「まん延防止」 なんてやっていたら、「さざ波」のような小流行が何度も何度も来ては収まり、来ては収まりということが延々と繰り返されるばかりで、いつまでも集団免疫が出来上がらず、結局は終息が遅れて、その間に経済や社会がズタズタに破壊されてしまうことになるのだ。
政府の 「まん延防止等重点措置」 案に反対している人でも、 「まん延防止」 自体に反対している人は一人もいない。 誰もが 「まん延防止」 自体は必要だということを前提とした上で、その大枠の中で法的な不備を指摘しているだけなのだ。
病原菌やウイルスに対する根本的な感覚が全然違う。これこそが重大問題なのである。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
さっちんadさま
こんにちは、ウサギと申します。おたずねの件について。
2020年の1~7月に「コロナ死」として一般に(「東洋経済」などで)報告されていた数字は1010人でしたが、厚生労働省の「人口動態統計月報」で報告された数字は957人でした。その差の53人について、これは厚労省が「コロナ死」を精査した結果、コロナ以外の理由で亡くなった人(コロナの症状はなくて、ガンとか心臓疾患とか交通事故とかで死んだのだけれど、死亡時に45サイクルのPCR検査で陽性反応が出てしまった人)の数が53人であると確認された、ということのようです。
このことをもって、一部の方々は、ゴー宣の多くの読者は「『コロナ死』には実際にはコロナ以外で死んだ人がたくさん混ざっている」と言っているがそれは間違いだ、そんなものせいぜい5%(53/1010)くらいに過ぎないではないか、とおっしゃっているわけです。
先に、わたくしウサギは、埼玉県の報告例から、一般に報告されているコロナの死者数のうちの2~3割くらいは、コロナとは関係のない死者のようだから、そこから推測するに、2020年のコロナ死者(5000人弱)も、2~3割くらいは差し引いて考えた方がいいのではないか、という書き込みをしました。一部の方々は、こうした考えが、どうにも承服できないようです。
さて、こうした御指摘については、以下の2点において、疑問があります。
まず第1点目。確かに「人口動態統計」は厚労省の人たちが《コロナ死》と《コロナ死とはとうてい言えない死》を精査したものなのかもしれません。しかし、そうした精査をする際に、果たして彼らは、どれだけ十分なデータに基づいてそのような精査を実施できたのでしょうか。
ご存じの通り、各県の報告において本当に《コロナ死》と《コロナ死とは言えない死》を明確に区別して報告を出しているのは、埼玉県くらいのものです。他の県によるHPでの報告は、ただ《新型コロナ関連死》として、こまかい区別もなく死者数が挙げられているものばかりです。
そうであるとすれば、1~7月の死者について厚労省の人たちが精査したと言っても、そもそも、そのような精査をするための十分なデータを彼らが持っていたかどうかは、きわめて疑わしいと言わざるをえません(そんなデータが存在するなら、各県は埼玉県に倣ってとっくの昔にHPで公表しているのでは?)。
推測するに、厚労省の担当者たちは、7月が過ぎた時点で、各県から上がってきたデータのうちで、埼玉県の報告のような《コロナ死》と《コロナ死とは言えない死》をはっきりと区別しているものだけ見てみたら、少なくとも53人は「コロナ死とはとうてい言えない死》であると確認できた、ということではないでしょうか。そして他の県のデータについては、そもそもそのような判断ができなかった。たとえば、X県の報告では1~7月に100人のコロナ死があったとされるが、その内訳が何も記されていなかったため、厚労省としては、100人そのまま全部を「コロナ死」とカウントしておくしか方法がなかった、ということではないでしょうか。
以上のようであるとすれば、厚労省が「月報」で報告した957人の《コロナ死》の中には、実際には、数多くの《コロナ死とはとうてい言えないような死》が含まれていることになります。もし、これを目にした厚労省関係の方で、事情を知っている方がいらしたら、教えてください。
第2の疑問点は、上のデータは1~7月の死者についての話ですが、それ以降の4000名弱の死者については、まだ報告がなされていません。ですから、それを待たずして「5%程度に過ぎない」と断定するのは、拙速に過ぎるように思われます。
以上、ウサギでした。
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