Dr.Uさん のコメント
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第420号 2021.12.21発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…東京都内の街の人々は、マスクだけはビッシリと着用しながらも、百貨店やショッピングセンター、家電量販店などに「密」を形成して買い物に没頭している。一方マスコミはと言うと、相変わらず「オミクロン株キター!」の連呼である。そして「オミクロン空騒ぎ」に乗じてはじまったのが「ワクチン、ブースター接種急げー!」の煽りだ。製薬会社のグダグダさ加減、そしてワクチンを打った国々が現状どうなっているのか、最新のデータを見ておこう。
※「ゴーマニズム宣言」…まさに「歴史は繰り返す」ものなのだ。先週号を読んで、新型コロナワクチンの被害が闇に葬られようとしている現在の様子は、昭和30年(1955)に発生した森永ヒ素ミルク事件にそっくりだと思った人も多いのではないか。事件はその後どういう経緯をたどったのかを見てみよう。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!同じ「反自粛派」でも組織人か否かで言動は違ってくる?コロナの軽症者は入院までして何の治療を受けているの?21世紀型とは生物の本能を毀損していく過程の世代では?応援している女優さんのイベントに参加し『コロナとワクチンの全貌』を手紙と共に贈った自分は愚かでしょうか?クリスマスはどんな気持ちで過ごす?先生の考える「理想の正月の過ごし方」とは?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第241回「オミクロン空騒ぎとワクチン接種のその後」
2. ゴーマニズム宣言・第447回「森永ヒ素ミルク事件 中編」
3. しゃべらせてクリ!・第376回「あたくしゅ茶魔美! 沙麻代ちゃんとのガールズトークでしゅ!の巻【後編】」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第241回「オミクロン空騒ぎとワクチン接種のその後」
東京都内の街の人々は、マスクだけはビッシリと着用しながらも、百貨店やショッピングセンター、家電量販店などに「密」を形成して、買い物に没頭している。めぼしい飲食店は、予約満席のケースが多く、大衆居酒屋などでも、老若男女がゲラゲラ笑いながら酔っぱらっている様子があちこちで見られる。
ただ、マスコミはと言うと、相変わらず 「オミクロン株キター!」 の連呼である。
12月17日(金曜)の東京新聞には、度肝を抜かれた。
なにしろ、朝刊1面トップ記事が、これだ。
「オミクロン株『水際』すりぬけ」
「自宅待機 都内の女性陽性」
「接触し感染か 知人男性がサッカー観戦」
記事によれば、米国から帰国した20代女性が、空港検疫では陰性だったものの、自宅待機中に発熱し、オミクロン株に感染していることが発覚したというもの。
素直に自己申告しすぎだよと言いたくなるが、帰国当日には、女性の自宅に彼氏がお泊まりして濃厚接触しており(それもしゃべりすぎだよ)、彼氏は、発熱と咳の症状が出たが、薬を飲んで会社に出勤しており、家族や同僚らと一緒にサッカー天皇杯を観戦したという。
その後、彼女のオミクロン株をもらっていたことが発覚し、サッカー場で男性の周囲にいた人々に対して検査が呼びかけられ、女性と同じ飛行機に搭乗していた人は、濃厚接触者扱いになっている。
どんだけ恐ろしい変異株なのかという話だが、 肝心の女性は「ほぼ症状がなく、入院中」、彼氏も「症状がない」 と真面目に書かれているのでズッコケる。
症状がないなら、いつぞやの「新宿ホスト大量入院」と同じことになって、防護服で対応しなければならない看護師たちにストレスを与えるだけだから、すぐさま解放したほうがいい。
この日は、森友学園問題で自殺に追い込まれた財務省職員・赤木俊夫さんの妻が起こした訴訟が、冷酷無比に幕引きされた翌朝だった。東京新聞ならば、国家を糾弾する姿勢をトップで見せてくれよと思う。
だが、新聞社として、国家権力の疑獄よりも重要なのは、 風邪をひいた若いカップルのお泊まり話!
記者は、一体どんな顔でこの記事を書いたのか。
このくだらなさは、東京新聞だけではない。テレビでは、次々と速報が打たれ、報道番組は、カップルの様子について、ほぼ犯罪者扱いで解説。
https://youtu.be/UU_FJaxIaCE
https://www.youtube.com/watch?v=rJNK-zi3IZ8
https://www.youtube.com/watch?v=0XIa74BTWa8
どこもかしこも頭がおかしい。
ちょろっと熱が出て、すぐ治ったなら、 「風邪ですね」 で終わりでいい!
広まりやすいのならば、たまたま人生の終末を迎えつつある人や、ひどく免疫機能の衰えた人の口内に入った所をキャッチされて、「オミクロン死者」と騒がれることになるのだろう。
しかし、そもそもバカの一つ覚えの「PCR検査」にさえ固執しなければ、注目すらされない話なのだ。
サッカーの試合は、入場上限が撤廃されて18,000人の観客が入っていたそうだが、同じ競技場にいたという若い男性が、 「密になっていた」「不安」 などとインタビューに答えているのでため息が出た。
みずから上限撤廃の試合に出かけておいて、何を言い出しているのか、「自分の免疫に自信を持て~!」と肩をつかんで前後左右に強く揺さぶりたい。それに、この時期、ノロウイルスなど、軽い発熱などでは済まない強烈な感染症はいくらでもあるではないか。
しかし、インタビューされている人の様子を見ていると、いま街に繰り出して楽しんでいる普通の人々も、テレビカメラを向けられて、オミクロン株について聞かれると、途端に 「みんな出てきているから怖いですね」「密は不安です」 と答えるのではと思えてくる。世間に対して見せる自分と、欲望に忠実に行動する自分とが分裂している。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
ウサギです。素朴な感想ですが、
千年以上続く「王家」で、千年前の王様と、現在の王様とで、本当に科学的に、血がつながっている「王家」ってあるのでしょうか。
ちなみに「血がつながっている」というのは、男系でも女系でもよいです。とにかく、祖父母、曾祖父母と、血のつながりをたどっていって、たとえば今上陛下は、平安時代や室町時代や江戸時代の天皇と、本当に本当に血がつながっていると、あなたは思いますか?
本当のことを知っているのは、実際に歴代の天皇を、自らのおなかを痛めて出産した、女性たちだけです。薄暗い、宮廷の奥深くで起こったであろう、女たちだけが知っていること。
神話的真理と科学的真理というものがあるとすれば、イザナキとイザナミが、天の沼矛で海水をかき混ぜて国土を作ったというのは、科学的真理ではなく、神話的真理に属するものです。それは科学とは違った次元で、人間精神にとって、ある重要なことを伝えようとしている。
現在の天皇が古代の天皇の血を引いているという話も、神話的真理に属することでしょう。
外国人に「日本の天皇って(科学的な意味で)古代の天皇の血を引いているの?」って聞かれたら、私なら、ちょっと笑って、こう問い返します。
「きみ、クリスチャンだよね? 天地は、五千数百年前に、ヤハウェによって作られたと考えてる? イエス様は、本当に生物学的な意味で父親なしで生まれてきたと思ってる?」
そして、こう続けます。
「科学的にはそれは<否>だよね。でも、だからといって「天地創造」や「無原罪の御宿り」の物語が、価値を失うわけではない。」
「天皇の話も、同じこと。現在の天皇が古代の天皇の血を引いているという物語は、私たちの魂の深いところに、なにか響くものがあるんだよ。だから、それを一種の神話として、大切にしたいと思う。」
天皇に関する男系と女系をめぐる論争は、本質的には、それは科学的・客観的史実の次元ではなくて、神学的・宗教的な次元での論争のはずです。
「天皇家は何がどうあろうとも男系でなければならない」と真面目な顔で主張する人のメンタリティーは、おそらくは、マリア様の「無原罪の御宿り」を、科学的な意味でも真実だと主張するクリスチャンと、同じようなものでしょう。
しかしさらに言えば、「男系であれ女系であれ、現在の天皇は生物学的な意味で千年前の天皇の血を引いているし、今後も引いていなければならない」と主張する人のメンタリティーも、かのクリスチャンのそれと、さほど違いはないのではないでしょうか。
結局のところ、男系固執派も女系容認派も《血統の神話》を信仰しているという点では、同じです。女系容認派も、もし「今後の天皇は必ずしも生物学的な血のつながりがある必要はない」という項目を皇室典範に盛り込もう、なんていう主張がなされたら、強いとまどいを感じるはずです。
そうしますと、男系固執派に対して女系容認派が投げかける言葉は、《科学的観点からの批判》ではなく、《宗教的・神話的な次元での語りかけ》という形にならざるを得ません。
「あなたは男の血筋というものが、天皇家の聖性を保つ上で最優先だと感じている。しかし、私は、女の血筋であっても、生まれたときから天皇にいちばん近いところで、日々その薫陶――霊性とか魂とかの次元での薫陶も含めて――を受けながら育った方が天皇になるのが、いちばん大切な事だと感じている。つまり、私は、血筋も大切だと思うけれど、それ以上に、環境の方が大切だと感じている。それは理屈の違いではなく、感じ方の違いだ。その感じ方の違いを、皇室存続の危機という状況において、なんとか埋めることはできないだろうか。」
…あるいは、ためしに考えてみたりする。天皇ご夫妻と血のつながりのない子供が、ものごころつかないうちに、天皇ご夫妻に養子として引き取られ、慈しみと薫陶を受けて育ったとする。その子は、天皇となりうるだろうか。私たちは、そういう事態を受け入れられるだろうか。
笹さんのブログを読んで、そんなことを考えました。
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