• このエントリーをはてなブックマークに追加

希蝶さん のコメント

 今号の感想です。
〇 ゴーマニズム宣言・第451回「30周年記念・Special本の始まり」
 先にも記しましたが、30周年おめでとうございます。これも積み重ねの成果だろうと思います。加えて、的確な批評が描かれていたことにもよると感心いたします。
 差別論、脱正義論については少し触れましたが、脱正義論の厚生省食堂作戦のようなユーモアの効いたアイデアが完全に実現できていたら、世の中、もっとぎすぎすしたものではなしに、穏やかに変わっていったのではないか、と悔やまれます。「運動」はそれ自体が目的となり、カーニヴァルと化して、「栄誉なき蕩尽」を繰り返してゆくのかな、と思われます。それでも、前車の轍を踏まないようにとたけし社長やカレーさんたちなどが頑張っておられる姿を見ていると、何とかなるのではないか、という希望も生まれます。パンドラの箱で最後まで残されたのが「希望」であるように、私たちは希望を捨ててはいけない、そのためにもゴー宣、およびスペシャル本に期待します。

〇 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第245回「嘘・大げさ・まぎらわしい! mRNAワクチンは誇大広告です」
 JAROが出てきたのには笑えました。『黄金の日々』の呂宋の壺の昔から(知ってる人、いるかな)、誇大に広告されて、さも価値がありなむともてはやされてきた事象物は数多くあると思うし、文学とか映画とか有名レストランとかでも評論家が褒めると、それが一流だとされてしまうケースはあるのだと思います。そういうのだったら、批評を真に受けた自分が愚かだった、と反省する餘地もあるけれども、ワクチンの場合はそれが薬だと喧伝されているだけに、毒だと分かった時には既に時遅し。いかにイメージだけでものを判断する人が多いか、有名な誰かさんが発言しているから、知人が勧めるから、ブックカバーが恰好がいいからで中身まで決めつけてしまうものなのか、と思いました。今回はそれを国家レベルで行っているから、よけいに罪深い、いかに集団の中から取り残されないようにするのが大事だと考えている人が多いのか、ということなのでしょう。

 ワクチンのことで言われるのは「みんなのため」という言葉ですが、果たして世の中にみんなが仕合わせになるものがあるのか、例えば誘拐犯を逮捕したら、被害者は解放されるかも知れないし、そのことでめでたし、めでたしになってしまうけれども、誘拐した側の事情は無視されるかも知れない(例えば、離婚して裁判で敗訴して子供を手放した、とか)。全員が幸福になれる道などありはせず、ただ、不幸になる側にもそれなりに救いや埋め合わせがあって欲しい、ということが肝腎なのではないか。その意味で、本当の鬼畜や没義道でない限り、意見をいう権利はあると思う。そして、ワクチンの場合は、少数(と一般には見られている、実際は見えないだけで多数の)被害の程度を調べてみたら、そちらの方を優先し、ワクチン強制接種をして、みんなで仕合わせになろうという考えの方が誇大で、歪んでいると気づかなければいけない。そういう智慧を人間は持っているはずだ、と思うのですが。
 勿論、人にはいろいろな意見はあってもいいと思うけれども、みんなでワクチン接種では、自分が他者からよく窘められている「あなたは自分の考えだけが正しいと思い込んで、強要する」と同じだろうと思います。そういう世の中を見せつけられるとは思わなかったです。

 以上です。ライジング配信の件については、毎週大変だろうと思っていますし、「オドレら正気か」を毎週放映するのも然りです。せめて協力者がほかから出てくれたら、と著名人のことをこき下ろすようなことを上述しながら、やはり人間の権威に対する弱さに甘えてしまいたくなります。
 とりあえず、ライジング隔週でもよいかなとは思います。あるいはよしりん先生はお休みで、笹さんとかの記事がある週、でも。木蘭さんには頑張って欲しいです。
 しかし、2時間の映像を見るには2時間かかるけれども、文章を読むのはその購読者のペースで、その人の判断力や想像力を駆使して自由にできることなのだから、もっとそっちを好む人がいてもよいのでは、と思うのですが。映像の方が生で伝わるものがあって面白いのでしょうか。それだけつけ加えておきます。

 以上です。それでは次号を期待します。
No.288
34ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第424号 2022.1.25発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…1月23日、扶桑社が『コロナ論』シリーズの全面カラー広告を朝日新聞と読売新聞に出してくれた。新聞の全面広告で著書の宣伝をしてもらうなんて、ゴー宣を始めてからというより、漫画家になってから初めてだ。「祝・ゴーマニズム宣言30周年」というコピーも、大いに効果を発揮するだろう。30年も続いている言論・思想漫画が今なお戦いを続けていて、未だに「空気の支配」や「全体主義」に屈していないのだという事実を、全国の読者に知らせることができたからだ。さてそうなると、もともと「何周年」に興味のなかったわしでも「ゴー宣30周年」の重みを意識しないわけにはいかない。そこで、少し30年の歩みを振り返ってみようと思う。 ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…最初にオミクロン株が発見された南アフリカは、世界中から渡航制限をかけられ「エンガチョ」されたが、結局、重症者は出なかった。WHOもコロナを理由にした渡航制限は効果的ではないとして、はっきりと制限の撤廃を勧告している。しかし日本人は、世界から見れば10分の1程度の流行レベルで、これから規制を強めていこうと切望しているのだ。同時に、ワクチン追加接種の圧力もじりじり高められている。「ワクチンの効果は有効性95%」「ワクチン4回接種者は感染予防効果が2倍、重症化予防効果が3倍になった」…果たしてこれらのワクチン宣伝文句は本当なのか? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!大好きだった作家や芸能人がコロナ脳になってしまい残念、どう考えれば良い?既にワクチン接種した人は今後どうすべき?新型コロナは大したことないウイルスだと言う一方でワクチン接種は勧める医者の考えとは?新聞が復権するためには何が必要?コロナでピリピリしている職場の雰囲気を変える方法は何かない?“コロナの女王”岡田晴恵は『脱正義論』の読者だった!?テレビ各局のスタンスが少しずつ変更している状況をどう見てる?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第451回「30周年記念・Special本の始まり」 2. しゃべらせてクリ!・第380回ミクロのぽっくん、コロナ君と共演ぶぁ~い!「の巻【前編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第245回「嘘・大げさ・まぎらわしい! mRNAワクチンは誇大広告です」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第451回「30周年記念・Special本の始まり」  1月23日、扶桑社が『コロナ論』シリーズの全面カラー広告を朝日新聞と読売新聞に出してくれた。新聞の全面広告で著書の宣伝をしてもらうなんて、ゴー宣を始めてからというより、漫画家になってから初めてだ。  画像は先に見ていたが、新聞全面というサイズで見たインパクトはケタ違いだった。部数日本1位・2位の全国紙にこれが載ったことは、全体主義を突き崩すための大きな力となるに違いない。  扶桑社の英断に、深く感謝する。   「祝・ゴーマニズム宣言30周年」というコピーも、大いに効果を発揮するだろう。30年も続いている言論・思想漫画が今なお戦いを続けていて、未だに「空気の支配」や「全体主義」に屈していないのだという事実を、全国の読者に知らせることができたからだ。  さてそうなると、もともと「何周年」に興味のなかったわしでも「ゴー宣30周年」の重みを意識しないわけにはいかない。そこで、少し30年の歩みを振り返ってみようと思う。  最初は軽いエッセイ漫画くらいのつもりで始めた『ゴー宣』がここまで育ったのには、1冊1テーマの「スペシャル」を出してきたことが決定的に大きかったと言えよう。  それでゴー宣の「スペシャル」が何冊出ているかトッキーに確認してもらったら、文庫を除いて最新刊の『コロナ論4』までで32冊だという。  そんなに出していたかと自分で驚くが、いい機会だから32冊のスペシャル本を振り返ってみたい。最近は『コロナ論』シリーズから読み始めたという人も相当にいるらしいから、新規の読者のためのガイドにもなるだろうし、古参の読者にとっても、リアルタイムで見てきたものが一種の「歴史」のようになっていくところを目撃できて面白いのではないだろうか。 ゴーマニズム宣言 差別論スペシャル(1995.10.25 解放出版社/文庫版・1998.8.25 幻冬舎)        ゴー宣初のスペシャルは「差別論」だった。  実を言うと、ゴー宣からひとつのテーマを抽出して1冊の「スペシャル」にするというアイディアは、わしの発案ではない。  先述したとおり、当初のゴー宣は軽いエッセイ漫画のつもりで、身の周りで起こったことや感じたこと、好きな芸能人とか、テレビ番組を見て思ったことなどを描いていた。  そしてその中の1本として『朝まで生テレビ!』を見て、堂々たる論陣を張っていた部落解放同盟書記長・衆議院議員(当時)の小森龍邦氏に触発されたことから、自分が幼少時に目撃した部落差別の記憶を描いた。  当時は、特にマスコミ内では部落差別問題は絶対のタブーで、「解同(解放同盟)怖い」という認識がすっかり定着していた。  田原総一朗氏は事あるごとに、そんな時代に部落問題を真正面から扱い、解同幹部を出演させたことがいかに画期的だったかと自慢しているが、確かにこの頃の朝ナマにはまだ意義があったとは言えるだろう。  ところがわしが部落差別の記憶を描いた原稿は、予定通りには掲載されなかった。 「絶対のタブー」だった部落差別問題を扱った漫画を載せることに対して、扶桑社の上層部がストップをかけたのだ。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!