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希蝶さん のコメント

 今号の感想です。今回は少し簡単にします。
〇 ゴーマニズム宣言・第467回「コロナ感染経路をもう一度」
 正直言って、今回の記事についてつけ加えたいことは何もないです。「論理」は最強無敵のものであり、人は何かしらの行動原理で動いているはずです。「感情的」になるのもその人にとっての「論理」があるのだろうと思うのです。しかし、感情面の問題や超自然的なもの、未知の事項への恐怖に対しては、それらへの感情が論理を凌駕し、しばしば「論理」を忘れ、本能のままに動くことを許容してしまうのではないか、と思います。
 かくいう自分もしばしば「迷信」や「ジンクス」などに縛られることがあり、その原因として「なぜそのようなことになってしまうのか」「なぜひどい目に遭わないといけないのか」、その理由が論理的に考えても分からないので、何かそういう巡り合わせのようなものがあり、天運のようなものが発生するのだろうと考えてしまうのです。そうだとすると、人間は本当に弱い生き物だと思うのです。
 高森先生は「論理は必ず最終的に勝利する」と述べられましたが、その論理を語る人の辯舌能力なども含めて、私自身はそういうのはとても困難な道だと感じています。いくら話しても「小林よしのりは(不当に)金儲けをしている」という反応しかしない人もいるのだから。それでも論理的に考えることをあきらめてはいけない、と思います。
 今回の記事については、the_kさんの説明がいかに参考になり、説得力があり、分かりやすかったか、そのことに尽きるでしょう。持ち上げるようなことを記していますが、それしか申せません。だったら、それをほかの人にも説明すればいいのですが、自分には説得能力ないですから。こういう時に限って、「人徳」とかその人から発せられる「雰囲気」のようなものが問題とされる。それでコロナに関する「迷信」のようなものが流布され、「このような権威のある人、人徳のある人が言っていることだから、多分正しいだろう」ということになる。「猿猴が月を取る」という例もあるのだと気がついて欲しいです。「この人の発言はこの点では正しいけれども、別のところでは間違っている」とも。あるいはその逆も。そういうことを説明しようとしたら、かかりつけの医師と喧嘩になったりしたのだれども。それ以上に、「糞口感染」と「飛沫感染」の対立のことも分からない人もいるのでしょう。
 暗いことばかり記しましたが、それでも論理、ロジックで勝負してみたいです。

〇 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第261回「日本のコロナ死者、OECDで一番少なかったってよ」
 今回の木蘭さんの記事をよんで、日本人は海外の意見や思想に従順で、文句なしに受け入れてしまう舶来信仰が強いのかな、と思いました。これも一種の「権威主義」ですが、問題なのはただ鵜呑みにしているのではなく、「自分の都合のいい部分だけを部分摂取し、解釈してしまう」ということなのでしょう。そのブルームバーグというのも(マスクの件では勘違いがあるのだとしても)日本人に受け入れやすいように都合よく解釈されているわけですね。芥川龍之介が「杜子春」を発表する際に、元の話の結末を日本人向けに修正したことを思い出しました(芥川の話では地獄で馬になった母親が打擲される話ですが、原話では地獄を経た後、女に生まれ変わった杜子春が夫に子供を叩き殺された瞬間に口を開く)。
 印象や権威だけで物事を判断してはならないと思いました。あと、自分の都合だけでも。
 やはり、だらだらしました。疲れているのでしょうか?
No.139
29ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第438号 2022.6.21発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…今回は改めて新型コロナウイルスの感染経路について、わしがどのようなロジックで考えているかをまとめておきたい。コロナ禍初期の頃から、現実やデータを冷静に見れば「飛沫感染説」よりも「糞口感染説(接触感染)」の方がはるかにロジックが通っていた。しかし問題なのは「糞口感染」という言葉のイメージから来る誤解が大きすぎることで、専門家ですら「新型コロナの」糞口感染をわかっていないのだ。「接触感染なんかありえない」は本当か? ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…6月20日に米ブルームバーグが配信した記事によると、OECD加盟国のなかで、日本はコロナの致死率が最も低い国になったという。前回のライジングで紹介した人口動態統計の死因、「がん」「心疾患」「老衰」「肺炎」などを追加して考えれば、この2年間、日本では「何も起きていなかった」ということが丸わかりである。日本においてコロナ被害が少なかった理由とは何なのだろうか? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…韓国ソウルは慰安婦問題などで日本から脅し取った賠償金で発展したという噂は本当?「わしズム」での連載漫画『夫婦の絆』の続きはもう描かないの?身近な女性に「傷ついた」と言われたらどう返すのがベスト?日本人特有の集団性は今後悪化するばかりなの?「古事記」や「日本書紀」の記述はどれくらい信憑性がある?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第467回「コロナ感染経路をもう一度」 2. しゃべらせてクリ!・第394回「大蛇に乗ったお父ちゃま! どこ行くとでしゅか?の巻【前編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第261回「日本のコロナ死者、OECDで一番少なかったってよ」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第467回「コロナ感染経路をもう一度」  もう飽きた気もするのだが、わしがすぐ忘れてしまう体質なので。わしのためにまとめておく。  専門家も素人も関係ない。  論文がどこに何本出ているかを競っても意味がない。  もちろん権威の有無など、全く判断の基準にはならない。  重要なのは、「ロジックが通るか」だけである。  今回は改めて新型コロナウイルスの感染経路について、わしがどのようなロジックで考えているかをまとめておきたい。   まず、第一に否定しようのない事実は、クルーズ船・ダイヤモンドプリンセス号で最も多くのウイルスが検出されたのが、 「客室トイレの床」 だったということだ。  もしも「飛沫感染説」が正しくて、ウイルスが飛沫と共に排出されたとすれば、乗客がトイレに座っている時に一番多く咳やくしゃみをして、最も大量の飛沫を撒き散らしていたことになるわけだが、いくらなんでもそれはありえない。   トイレで検出されたのなら、ウイルスは糞便と共に排出されたと考えた方がロジックは通る。それはあまりにも明らかなことである。   ウイルスが下水道の中で特に多く検出されているというのも否定の出来ない事実であり、ウイルスの下水中濃度を調査し、今後の新規陽性者数を予測するシステムも構築されている。  下水で発見されるということは、これまた糞便と共に排出されたとしか考えようがないわけだが、飛沫感染説のロジックで、この事実をひっくり返すことができるのだろうか?   これだけでも、「飛沫感染説」よりも「糞口感染説」の方が、はるかにロジックが通る。これで話が終わっていると言ってもいいくらいだ。  ここで問題なのは 「糞口感染」 という言葉のイメージから来る誤解が大きすぎることで、直接ウンコを食べるとか、手にくっついたウンコをなめるとかして感染するものだと思い込んでいる人が相当にいるようだ。  宮沢孝幸氏も、6月4日の「オドレら正気か?大阪LIVE」でも糞口感染についてこんな発言をしていた。 「下痢だったらバーっとやって、ワーっといくけど、ウンコ触った、いやウンコ触ってないですよね、トイレでこうやって、そこまでいくかなっていうのは僕ちょっと…」  何を言ってるのかわかりにくいが、要するに、下痢だったらシブキが手に付着することもあるだろうが、トイレでウンコを触るわけじゃないから、糞口感染はないと言っているのだ。  これには呆れた。まさかと思うような無知である。  糞口感染とは、ウンコを食って感染するという意味ではない!  いくらなんでも、それくらいはわかるだろうと思っていたのが盲点だった。   水洗トイレでウンコを流す際には、水流によって糞便から最大80万個のウイルスが、水分と共にミスト状になって舞い上がる。これを 「トイレット・プルーム」 という。  その膨大なウイルスは、トイレの床やら壁やらドアノブやらに付着していく。水分の重みで落下する分が一番多いので、床で最も多く検出されることになる。  これを「富岳」のシミュレーションで可視化したらさぞかし凄いことになるだろうが、そうでもしない限り誰の目にも見えない。トイレでは、誰もが全く気付かぬうちにウイルス入りのミストを浴びているのである。  そのため当初は感染防止策として「トイレのフタを閉めて流す」ということが言われていたのだが、「権威」が飛沫感染説を唱えるようになって以降は、それが言われなくなってしまったのだ。   ウイルスはトイレ中に付着しており、人がドアノブなどに触れれば、その手指に移る。そしてさらに、その人が触れたモノに移っていく。   ダイヤモンドプリンセス号で、トイレの床に次いでウイルス検出量が多かったのが枕、電話機、テレビリモコンだったのだが、それもトイレから手指を介して広がったと考えればはっきりロジックが通る。   ウイルスは低温・硬質なものに付着すると長く存続する。 電話機・テレビリモコンはまさにそのような環境にある。そしてそう考えれば、もっと人の手を介してウイルスが多く堆積していると考えられるものがある。スマホだ。  スマホは乗客個人の持ち物なので検査の対象にならなかったのだろうが、 もし検査されていれば、トイレの床の次に多くのウイルスが検出されたのは、スマホだったであろうということは容易に想像がつく。  ところが、宮沢氏は「トイレット・プルーム」のことを一切知らない。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!