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希蝶さん のコメント

 遅くなりました。説明します。

 実は、李氏朝鮮の王家の継承で、自分は伏見宮家のようなものが存在し、途中で本家が断絶し、傍系に移り、その際に傍系の家系の廟号(儒教における祭祀のためのおくりな)が制定された、というふうな勘違いをしました。どこかで、そういうなのを見たような気がした…。それだけです。
 どちらが王朝交替なのか、という気がしたので。

 上記の説明ではわかりにくいと思いますが、日本でいうなら、
1.承久の乱の後、後鳥羽上皇の異母兄にあたる守貞親(もりさだ)王が、出家の身のまま後堀河天皇の院政を行い、死後になって「後高倉院」とおくりなを与えられたこと、
2.南北朝・室町時代の後花園天皇即位時に、伏見宮家の貞成(さだふさ)親王が「後崇光院」、
3.江戸時代に光格天皇即位時に閑院宮家の典仁(すけひと)親王が「慶光院」とおくりなを与えられたような話で、
 支那では三国時代の曹操が、曹丕(文帝)即位後に「武帝」とおくりなを与えられた、というような例もあります(古代の周の文王なども同様)。
 ちなみに、南北朝時代の後亀山天皇も、室町時代においては、こういう扱いでした(即位はしていないけれども、上皇扱いされた。すなわち、「南朝」自体が公認されていなかった)。「壬申の乱」で有名な、弘文天皇(大友皇子)も、そうですよね。

 実は、李氏朝鮮では、国王即位時に死後になって王の父親に「廟号」を授けた、という例が散見されます。
1.9代成宗の父、「徳宗」(成宗自身は、徳宗の弟の8代睿宗の養子)
2.15代光海君の弟、元宗(その子供が、16代仁祖にあたる)

 ここで問題にするのは、21代英祖の後のことで、英祖のあとを継いだのは、孫の22代正祖で、それだけなら、おじいさんの後を孫が継承した、とよくあるような話ですが(日本でいうなら、毛利元就の後を、孫の輝元がついだ、みたいな感じ)
 実はこの時、何があったのかというと、英祖には太子の桓という人がいて(すなわち、正祖の父)、予定だったら彼が英祖のあとを継ぐはずだったのですが、

 ありていにいうと、桓が父親の英祖に対して「謀反」を起こしたと疑われて、米びつの中に閉じ込められて餓死させられた、という事件があり、
 その後、英祖は桓の子、正祖を後継者にした、というような事情があります。

 ところが、この時に非常にややこしいことをしているのです。

 桓には数え年9歳でなくなった兄がおり、実は当初、彼が「太子」でした。桓が謀反を起こしたということで、正祖はこの兄、つまり彼にとっては伯父の養子になって、あとを継いでおります。
 僅か9歳の子供のままなくなった、伯父の養子…なんだか変ですよね?ちなみに、この伯父の廟号は「真宗」といいます。

 桓にも、子の正祖が即位後、「荘祖」という廟号が与えられました。ここらへんの継承事情が、系図を見ていると、とても変に感じられた、まるで、別の架空の王朝が存在するような感じだった。それが最初にあげた「勘違い」の理由です。

 少し込み入った話になりました。つまり、祖父の英祖と、孫の正祖の間の二人の子で、即位しなかった王様が存在する、そして、正祖は幼くしてなくなった叔父さんの養子になった、という話でした。日本では絶対に考えられない話でしょう。
 西洋でも…まずないのでは?こういうのが「儒教にもとづく男系継承」なのかな、といったところです。

 それはそうと、替え歌、面白そうですね、思いついたら、参加します。
No.237
19ヶ月前
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小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!