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.      る       .さん のコメント

「我らがマイスターは彼ら独自のやり方で
この芸術を作り上げました。
彼らの忠誠によって守られたおかげで、芸術はその真正さを維持することができたのです。
彼らが常に毅然とした態度を保っていなかったら、王族や貴族たちが動乱に巻き込まれた時、
芸術は真実なるドイツの雰囲気を失っていたでしょう。
彼らが信念を持って守り抜いたからこそ、芸術はその姿を歪められることなく、今あなたの前にその栄光を見せることができたのです。
これ以上マイスターに何を望むのですか?

気をつけてください!悪しきものが我々を脅かしています。
もしドイツの民衆と王国が倒れ、悪趣味に満ちた異国の手に落ちて、
民意を解せぬくだらぬガラクタを持ち込んで、このドイツの地に植え付けられれば、
真にドイツ的なもののことなど誰もが忘れてしまい、ドイツのマイスターという名誉もなくなってしまいます。

ですから、しっかりとあなたに申します、ドイツのマイスターに敬意を払いなさいと。
あなたの良き守護霊なのですから。
あなたの中に彼らの芸術をとどめておいてください。
たとえ神聖ローマ帝国が儚く滅びようとも、
神聖なるドイツの芸術は我々の手の内に残るでしょう!」

―リヒャルト・ワーグナー作曲『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より―


それにしても、肛門を広げるとか、鼻を板で挟むとか、市松模様とか、前髪の話とか、明日にでも誰かに話してみたくなるネタが盛りだくさん!!トクニ ジョセイニハナシタラ…ꉂꉂ(ᵔ▿ᵔ*)9モッテモテニナルンダゼ~♪ミタイナ?
経済、民主主義、それにヒトの免疫、そして性文化においてまでも、グローバルスタンダードなどないのだ!と、
今週も日本の芸能・男色文化を学ばせて頂きましたライジング配信お疲れさまでした。


不平等条約を押しつけられ、欧米列強の「くだらないガラクタ」を植え付けさせた不甲斐なき幕府を、もはや古い価値の遺物として倒したものの、
西洋に追い付こうと文明開化・欧化政策で、西洋の思想・価値観とともに、結局皮肉にも自らの手で、向こうのガラクタまで植え付けてしまったと。
欧米の文明の進み具合に目が眩み、そして日本そのものまで見失い、否定してしまったと。

『美味しんぼ』に、「外国のものを取り込んで、日本流にアレンジする。それが日本文化の真髄だ」とか言って、
海苔巻きや丼物を外人が称賛!なんてエピソードがありましたが、
男色をタブーとしている西洋思想は丼物にも海苔巻きにもアレンジしようもなく、そのまま直輸入して、
そして約150年後の現代にそのまま至ると。ノリマキ…ドンブリ…(*´༥`*)……タベタクナッテキチャイマシタ?


考えてみましたら、以前なら美輪明宏や美川憲一、今ならマツコ・デラックスやカズレーザーとか?ソウイエバツイサイキンノコトネ…σ(゜°;)リュウチェルノシハ…
正に「非日常・異世界」という「想念」をまとった人が普通に芸能界にずっと鎮座してきていますから、
ジャニー喜多川のオイタもまた「非日常・異世界」のことだからと、そう日本人は受け入れて特に気にもしなかったのかなと。

けれど、正義・人権を武器にして、そういった世界を否定してやりたい暗い破壊願望を持つ、悪趣味な堕落者たちがいると。
ジャニーズの悲劇のヒロイン症候群のルサンチマン弱者、それを装った二枚舌三枚舌のペテン師、
そして愚かにもそれに乗っかった(或いは共謀した)マスコミと、乗せられた大衆!

コロナ騒ぎで散々社会・経済・文化、そして子どもたちの健やかな成長をもメチャメチャに破壊し、
それがやっと終わったと思う間もなく、今度はジャニーズをぶっ壊せ!と。

人生何もかもが上手くいかなくて、思い込みで勝手に恨みを抱いて、多くの人を殺したあの京アニ事件の犯人と、本質は大して変わらない?
あの犯人が犠牲者たちがどうなろうとどうてもいいと自暴自棄になっていたように、
奴らはジャニーズの市場価値とか、日本の芸能の本質とか、そんなのはどうだっていいと思っているのでしょう。


堕落!堕落!堕落!
戦中の大衆は、「戦争」という非日常にあって、爆弾の恐怖に怯えつつも、日本の勝利を信じる以外のことを何も考えもしなかったと。
コロナ禍でも、「パンデミック」という非日常にあって、大衆はただひたすらお上やエセ専門家の言うことを信じて、
何も考えずにクソ暑い真夏でもみんなマスクし、みんな治験中のワクチンの実験台となった。タシカニアルイミ…༘( ॣ•͈૦•͈ ॣ)“ニンゲン”ノナイ ウツクシイコウケイダッタカモネ…

そして今回、あのBBCの記者に「性加害」というお墨付きを頂いた大衆は、
日本の芸能・男色文化の歴史など一顧だにせずに、「穢らわしきジャニーズの排除」という、これまでならあり得なかったはずの非日常に興奮し、乗っかってきたと。

そして、ぼかすのは面倒臭いので失礼しますが、
「陰謀論」という非日常・異世界にハマって、自ら築き上げてきたプロとしての信頼を破壊する井上正康氏ねぇ。。。。


いくら正義・人権を掲げて誤魔化し、非日常に酔いしれ現実に目を背けていても、
騒動が終われば、破壊が済んだら、たちどころにまた人はつまらない堕落の日常に戻っていく。
また破壊し、堕落し、その繰り返しで、どんどん劣化していく。
堕落こそが、本来の人間の姿と。

ジャニーズにせよビッグモーターにせよ、マスコミ・大衆は義憤に駆られているというよりは、
坂口安吾も魅了された「破壊」に、その非日常的・異世界的な「美」に、ただただ心を奪われているような。ハカイガンボウ…(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)アルイハ…リセットガンボウ??

もしも今回、ジャニーズが毅然と偽善に立ち向かい、ジャニー喜多川氏の名誉を守りきったとしても、
人々はきっと次に別の破壊のターゲットを見つけて、非日常を求めて破壊を繰り返していたことでしょう。
とことん劣化し、堕ちて堕ちて堕ちきるところまで!
プーチン・ロシアがウクライナの崩壊に、或いは世界の大衆がロシアの崩壊を嬉しがっているように。


♪オドリオ~ドルナ~~ラ…♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))o♪チョイトダ~ラクオ~ン~ド~ヨイヨイ♪


けれど、坂口安吾の述べた通り、この堕落もまた日本が再浮上するためには必要なのかも?

まだまだ自らの堕落を自覚せず、その破壊の行く末がどうなるか予見できていないならば、
日本人はまだまだ正しく堕ちる道を堕ちきっていないということでしょう。
恐らくは、「お花畑」に引っ掛かって日常と非日常の区別がつけられず、なかなか堕ちるに堕ちれなくなっているというところ??ビックモーターサンヨォ…ヾ(´・・`;)ジョソウザイマクトコロガチガウッテヨ…

堕ちて堕ちて、何もかも破壊し尽くし、ジャニーズも何もかも失って、その果てに、日本人は何を発見するのか?
日本人とは何か?日本とは何か?拠り所となるアイデンティティを見つけられるか?

その時になって漸く、日本人は自分たちの幸福さに気づくものなのかもしれません。見出だすかもしれません。
日本には、常にその歴史の中心に連綿と存在してきた、「天皇」という日本人特有のナショナリズムの象徴的存在があることを!✰⋆。:٩(ˊᗜˋ*)و゚・*☽


「ナショナリズムはならず者の最後の拠り所」と。
不平等条約を次々押し付けられ、あわや欧米の植民地になるところだった幕末の日本は、
それまでの幕藩体制を終わらせ、王政復古・天皇親政を掲げ挙国一致となって列強国に並ぼうとした。
その果てに破滅的に敗戦し、うちひしがれた日本人たちだったけれど、
昭和天皇の全国巡幸によって、各地でナショナリズムが爆発し、戦後復興のカンフル剤となったと。

つまり、日本人がとことん堕落し、日本が破滅されようとも、
天皇・皇室が諸外国からも敬意を払うべき存在であり続け、また我々日本人もその神聖な尊厳を維持すべく敬意を払い続けるならば、
天皇・皇室をよすがとして再起・再生し、世界に誇る「日本」は、「日本の伝統」は、また我々の手の内に残ることになるでしょうと。°⌖꙳✧˖٩(ˊᗜˋ*)وチヨニハチヨニ♪


しかし今、あまりに劣化し過ぎて破壊ジャンキーとなり、天皇・皇室に対する敬愛の念を忘れた者たちのために、日本人最後の希望となり得るはずの皇室は危機的状況にある。
言論の自由が著しく制限されているために、その皇室からの声は国民に、
特に最も耳を傾けなければならないはずの国会議員にもないがしろにされているという……。

自分たちは、結婚によってこの息苦しい皇室から、日本から解放されるのかどうか?
そこまで眞子さまや佳子さまを追いつめていたこともまるで気づかなかった、
いや、敢えて目を背けて考えないようにし、その劣化・腐敗に皇室を巻き込もうとしているのが、現代の日本人のかつてないほどの恐るべき堕落の姿だと。


天皇・皇室もまた、芸能と同じく「非日常・異世界」の存在。
日本の文化の最高峰であり、憧れであり、敬愛の対象であり、
それでいてしかし、「人権」という観点からみれば最下層の存在でもあると。

それゆえ、どちらか或いはお互いの心が離れてしまえば、皇室と国民との相思相愛が砕け散ってしまえば、もはやこれまでということになる。
愛情も人情も捨てなければ、男系の種は守れないかもしれないけれど、
愛情も人情も無ければ、皇室の未来は守れない…。
正に今回のジャニーズの解体は、皇室の未来の姿なのかもしれない……。『ヒキョウモノノシマ』…ੴアノ“グンジンサマ”ノマツロ……


現代、そしてこれからの時代に、天皇・皇室は果たして必要なのかどうか?
これからも皇族の方々には、我々国民のために、確定で鬱になるという牢獄のような状況のままでいてもらうのかどうか?
その答えは、日本人一人ひとりがよく考えるべきことでしょう。

日本人が、たとえ天皇・皇室が無くなっても、真に日本的なもののことを決して忘れることはないと、
どれだけ外国に蹂躙されようとも、我々日本人は日本の文化の名誉を歪めること無く、真正な形で守りきれるというなら、
それなら確かに、もう天皇・皇室はいらないといえるかもしれません。

けれど、こうもあっさり日本の男色文化を否定し、慰安婦も性奴隷だったと認めてしまい、自主防衛をも手放して、
正義ヅラしたBCCの記者に取り上げられたくらいで、いとも簡単に現代日本の巨大な文化であるジャニーズを死に体にしてしまった……。
しかも反日外国勢力の統一協会の侵略をここまで許して、それで全然気にもとめないようなのだから、
三島由紀夫が予言したように、「日本」は無くなり、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、極東の或る経済大国まっしぐらだろうなと。


我々は独善的なキリスト教の価値観に毒されたいわゆる人権派のように、国の歴史・文化をないがしろにはできない。ロシアトカキタチョウセントカハ…σ(°″゜)ナントカシタホウガイイダロウケレド…
かといって、ついに政界にまで「側室を復活せよ」というやつまで出てきた男系固執派のように、
ずっと宙ぶらりんでいる佳子さまをはじめ、窮屈な思いをされている皇族の方々の人権をないがしろにできるほど非情でも非常識でもない。

はっきりいって簡単ではないと。
「日本」の象徴である天皇制を維持し、且つ皇族の方々の人権も守るというのは。
倉山満の悪文や、陰謀論者どものぶっ飛び思考回路を理解するよりも、ずっとずっとむずかしかろうと。

けれど、挫けるわけにはいかない。
このまま日本人が自らの文化を破壊し続け、日本が日本でなくなるなら、我々もまた信念をもって日本を守れなくなり、
確固たる「日本」を失えば、「日本人」も喪失し、ただの日本列島に生息する、ただ「心臓を動かすこと」に執着するだけのヒト科の動物に成り下がるだけ。
「文化」こそが「人間の証明」なのだと!

ウクライナ人たちは何故ロシアに屈服せず戦い続けるか?
それは「ウクライナ」がキャンセルされれば、かつてあの忌まわしきホロモドールをもたらしたロシアにまた食い潰されてしまうから。
あれだけ無差別にミサイルを飛ばしてくるロシアが、ウクライナ人の人権のことなど考えてくれると誰が信じられる?

日本人も「日本」をキャンセルしてしまえば、冗談でもなんでもなく、人権など奪われ、チベットやウイグルなどのように諸外国の奴隷になるだけだと。
運が良ければ、芸能で社会の最下層で生きていけるかもだけれど……。


(ง ˙˘˙ )ว(ง ˙˘˙ )ว(ง ˙˘˙ )ว


……ジャニーズ問題と皇統問題がどう繋がるか?
過日の「悪のタッグ」では結局時間切れになりましたが、
私も私なりに頭こねくり回して、その宿題に答えてみました。ジブンジシンノタメノ…( ॢꈍ∀ꈍ ॢ)アンチョコミタイナ

ジャニーズ問題に限らず、堕落の種などいっぱいありますから、
これならどんな話からでも皇統問題に話を持っていけるんじゃないかな♪と。
それも我ながらかなり本質に迫った話を。'`,、(´∀`) '`,、

今のジャニーズのアイドルたちは、日本人は、このたびの騒動によってジャニーズのブランドをとことん貶めてしまいましたが、
ジャニーズ再興のために見いだすことができるのでしょうか?
彼らにとっての「天皇」であったはずの、故・ジャニー喜多川氏を。
或いは……いるはずもなかろう、代わりの何かを。


さあ本日これから「オドレら正気か?IN名古屋」、
正にコロナ君のごとくどんどん変異していく「公論イベント」!

そうさ!どんどん変異していけばこそ、どんどん感染の裾野を広げて、生き残っていける!
変異できなければ、そのまま免疫に対抗できずに衰退し、無くなっていくだけ。セイブツハトクイダッタケド…٩(ᐛ٥ )ﻭセイブツガクニ ナンノキョウミモナイ ヒゲキ…

日本の男色文化は、キリスト教というワクチンにやられてそうなったということになる?まだくすぶっている?
陰謀論の方は果たして??ウックツシタブンショウデシツレイシマス…m(゜°;(。。;(゜°;(。。;m)ソノワケハ ツギノコメントニ…




No.99
13ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第479号 2023.9.5発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…ジャニーズ問題は案の定、慰安婦問題と同じ道を辿る一途だ。右も左も、日本が「文明開化」で西欧の価値観を無批判に受け入れていった明治以降の歴史しか知らないから、こうなるのだ。今回も前回に引き続き、本来の日本を取り戻すため、日本人が忘却した江戸時代以前の歴史について語っていこう。 ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…8月30日、厚労省がワクチン被害の認定審査会を開き、一気に54人の死亡被害を認定した。部会を4つに増やして処理をスピードアップさせたというが、どんどん申請数が増えて、いまだに4000件以上の審査が終わっていないらしい。久しぶりにワクチンを話題にしたのは、今週、メールボックスに、こんな件名のメールが届いたからである。〈コロナは終わりの始まりに過ぎず、本格的な修羅場が始まる〉……メールにはさらに、「NHKから国民を守る党」の立花孝志と、「ごぼうの党」の奥野卓志党首による『日本人削減計画・日本が終わる』という対談の切り抜き動画が添付されていた…。 ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…ウクライナの失地奪還は達成できずに終わってしまう?ハリウッド映画などで無理矢理、LGBTQや黒人を出したりすることも受け入れるべき?大きな悲しみや苦しみをどのように乗り越えられてきた?共同親権推進派は、「子の利益」のためと言いながら子を守る気なんて無いのでは?「クリーンな業界」へと変わろうとしている芸能界、もう蜷川幸雄やつかこうへいのような演出家は出てこないのかと思うと残念では?処理水を海に流したことをどう思う?クリストファー・ノーラン監督の新作映画『オッペンハイマー』が日本で公開されたら観る?混浴は恥ずべき因習?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第508回「芸能とは何なのか?(後編)」 2. しゃべらせてクリ!・第435回「猛暑でも酷暑でも夏はスイカ割りぶぁ~い!の巻【後編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第302回「インボーデミック ~それロシアのプロパガンダです」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第508回「芸能とは何なのか?(後編)」  ジャニーズ問題は案の定、慰安婦問題と同じ道を辿る一途だ。  右も左も、日本が「文明開化」で西欧の価値観を無批判に受け入れていった明治以降の歴史しか知らないから、こうなるのだ。  今回も前回に引き続き、本来の日本を取り戻すため、日本人が忘却した江戸時代以前の歴史について語っていこう。  歌舞伎の元祖とされる 「阿国歌舞伎」 と、その人気を奪った 「遊女歌舞伎」 は売春と一体だったため、風紀を乱すとして 幕府に禁止され、女性は舞台に立てなくなった。  そして少年だけで構成された 「若衆歌舞伎」 も、男娼が問題となって禁止され、 前髪を剃った男だけが出演できる 「野郎歌舞伎」 に代わった。  当時は元服した男性は額から後頭部にかけて髪を剃っていた。剃る部分を 月代(さかやき) といい、成人しても月代を伸ばしているのは病人か浪人くらい。 少年の前髪は若さと美のシンボルであった。  しかし前髪を剃ったくらいで男娼文化は全く揺らぎもしなかったことは、前回書いたとおりである。  とはいえ、役者当人は前髪がないことを気にしていたようで、 頭に綿をつけたり、頭巾を被ったり、色染めの手ぬぐいを置いたりして月代を隠した。  さらには「前髪髷(まえたば)」と呼ばれる付け髪をつけて舞台に上がることが流行ったが、それでは前髪を禁止した意味がないと、幕府は前髪髷も禁止。そこで役者は 方形の絹布の四隅に重りをつけて前髪に載せる 「野郎帽子」 というものを開発して舞台に上がるようになった。   こうして役者は、無理やりにでも前髪がないことを隠して少年の若さを保っているということにした。 また、野郎帽子が紫縮緬で作られるようになると、これがさらに優美であると人気を呼ぶようになったという。  その頃の舞台は後世の歌舞伎とは比較にならないほど単純で、 「華やかな服装の伊達者(かぶき者)が茶屋の遊女に通ってくるところ」 とか 「殿様が一人の小姓を特に寵愛していることに他の小姓たちが嫉妬して怒るところ」 といった風景を寸劇にした内容で、演目の数も少なく、同じようなものを繰り返し上演していた。  それがなぜ飽きられもせず続けられたかというと、 舞台はいわば遊女屋の「張見世」みたいなものであり、客が役者を買うための装置 として存在していたからだった。  これがその後、舞台そのものの魅力で客を呼ぶエンターテインメントとして洗練され進化していって、現在の歌舞伎にまでつながっていくのである。  歌舞伎の劇場の傍には上演前後に客が楽しむ茶屋があり、 役者が客をもてなしていた。そのもてなしのひとつに男色があり、これが後の 「陰間茶屋」 の発祥 といわれる。  初期の時代の役者は不特定多数を相手にしていたわけではなく、パトロンとなる金持ちに身を任せる男娼だった。  その後長らく男娼のことを 「野郎」 と呼んでいたが、18世紀初めの享保の改革でいったん下火になった男娼が復活した頃から 「陰間」 という言葉が使われるようになる。この言葉自体は以前からあり、まだ舞台に立てない未熟な者のことを指していたが、やがて舞台に関係しない者も含めて 男娼全てを「陰間」と呼ぶようになった。  当初は裕福な武士や僧侶くらいしか陰間茶屋の客にはなれなかったが、経済が発展すると町人の客が増え、それと共に女性の客も増えていった。そして、歌舞伎とは関係ない個人営業の陰間も出てくるようになったという。  天保年間の『三葉雑記』という書には、役者を養成するには 「男子を遊女屋の女を抱える如くに抱え置きて、芸をしいれるなり」 とある。   役者修業の間に、12歳になると肛門を少しずつ広げる訓練がされて肛門性交の技法が施され、舞台の芸と共に寝屋の芸までが仕込まれる。  歌舞伎役者になるための教程には男色の技法も入っており、舞台に上り始めたもののまだ一人前ではない 「舞台子」 は、舞台で役者としての芸を磨くと同時に、 客からの要請によって座敷も勤め、体を売っていた。  また、本舞台に上がる前に田舎廻りで芸の修業に行くものは 「飛子(とびこ)」 と呼ばれたが、 飛子は巡業に行って芝居の興行主から夜の伽を請われれば、自分の利益のため断ることはできなかった。  男娼として売れるにも修練が必要で、容貌をよくするため、 10歳から12歳くらいの時に毎晩、鼻を板で挟み、紐で結び付けて面をかぶったような状態にして寝させていた という。当時は目を整形することはできなかったが、これを続けることで、鼻筋はある程度高くできたらしい。  肌をきれいに保つためにザクロの皮の粉末で体を磨き、歯を磨くにはハチクの笹の葉を炭にしたものを用いた。   陰間は女性的な容貌と若さが勝負で、無毛や薄毛の者が人気だったため、ムダ毛の処理は入念に行われた。特にヒゲは陰間の大敵で、毛抜きを使って処理していたという。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!