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.      る       .さん のコメント

今週もライジング配信お疲れさまでした。


何で読んだか聞いたか、全然思い出せませんで、失礼しますが、
今回のライジング両記事を拝読しまして、そして思い浮かんだ言葉が、
「この世の最も残酷な事実は、すべての人間の言い分が正しいということだ」とかいうもの。

それと対称となるのは、『名探偵コナン』の言葉、
「真実はいつもひとつ」。

・・・


「実は当事者の誰も和平なんか望んでいないのだ。それでは国際社会がどう仲裁しようと、どうにもならない。」
「重要なのはウクライナであり、パレスチナ・イスラエルのことまで真剣に考える必要はなく、もう放っておけばいい。」

なるほど、よしりん先生の今回のこれらの主張は、恐らく「真実」であろうと思われます。
あの地域はまったくもって無秩序でアウトローな憎しみのるつぼであり、
モンタギュー家とキャピュレット家のような、ロメオとジュリエットのような解決すらまずないだろうし、
どちらかが徹底的に壊滅させられるか、パレスチナが核を持つか、若しくは漁夫の利を狙うより強大な第三勢力に両方潰され、「千年の圧政」でも敷かれない限りは・・・。

できることは、なるべく犠牲者が出ないように、なるべく早く収束するように、
薄情にも、ただ「祈る」ことしかないと。


けれど、人間はだいたいそんな「真実」よりも、「正義」を信じたいものだと。
だから、血生臭い争いで決着つけるべしと言う冷徹な「真実」より、話し合いで解決しようと言った方が、怜悧な「正義」を信奉する俗情と結託しやすいのだろうなと。
そして、多くの人間にとって、「正義」とは「法・法秩序」よりも上位の価値だと思っているようだと。


『鬼滅の刃』の人喰い鬼は、「人間を喰う」という純粋な欲望で動いているけれど、
対する人間側「鬼殺隊」は、「悪鬼滅殺」という大義を掲げて、政府非公認ながら帯刀して戦っている。

しかし実際の世の中は、「人喰い鬼」とか、世界征服を目論む「ショッカー」のような堂々とあからさまな悪の組織などとの戦いより、
人間同士が互いに「正義」を掲げて、熾烈に争っている。
国家エゴを「正義」「大義」で飾って、その押しつけ合いのゲームをしていると。

ロシアも北朝鮮も、イスラエルもハマスも、アメリカも河野太郎元ワクチン大臣も、どれだけ無法な振る舞いをしようと自分たちを悪だなんて思ってはおらず、
自分たちの正義のために「仕方なしに」という論法で正当化し、確信犯的に悪に手を染めると。
ポアの思想でサリンを撒いたオウム真理教と、本質は大して変わらないと。ムロン モノホンノアクモ…(∵;)トウイツキョウカイ…ミヤサマサギシ…


それに、東京裁判では、戦勝国の蛮行は一切裁かれず、敗けた日本だけが一方的にデタラメな裁判で有罪とされ、
そして現在、ジャニーズの記者会見で、まったく同じデタラメで無法な裁きで、ジャニーズはキャンセルされてしまった……。

正義の側に立てれば、法を無視しても許されるのだと。


「正義は勝つ」・・・

相手の正義を打ちのめしさえすれば、自分の正義こそが本当の正義、滅んだ相手は悪だという証明になる。
法なんか関係ないと。屁の突っ張りにもならないと。

より正しかろうと、より真実・真理に近かろうと関係ない。
どれだけエゴイストであろうと、より強い力のある方が正義だと。

東京裁判では、満州事変の首謀者だった石原莞爾は裁かれなかった。
真実がどうであろうと、勝って正義トークンを獲得できれば、
都合の悪いものはすべて不問にして闇に葬れるのだと。

つまり、結局は野蛮な「弱肉強食」なのだと。。。
どれだけ正義を追及し、どれだけ綺麗事をほざき、どんな宗教を作ってどれだけ神を崇めたところで、
結局人間の世界は不公平で理不尽で、残酷で不条理なのが自然なのだと。ツリノトキモ…๛(˘・з・˘)リフジンナカゼニハ ホントマイルヨ…


イスラエルとハマスに比べれば遥かにショボいスケールの話ですが、
百田尚樹率いる日本保守党VS小川榮太郎の、安倍ちゃんに対する恋の鞘当てゲームも・・・ケッカガキニナルジャン?ꉂꉂ(ᵔဗᵔ*)ミナサマ ドッチニカケル?ミタイナ
ああ、まったく日本は平和だ!お花畑だ!と。

両者とも、自分こそが安倍ちゃんの思想の正統の後継者だと、自分の愛を熱した針のごとく相手の眼球に突き立てて、血の涙を流させようとしている。
そして、「小石河連盟」とか仮想敵を示したり、歴代最長内閣を達成した故・安倍晋三の威光にすがって、自分たちを権威付け、威厳を付けようとしていると。
実は安倍元首相は、彼らにとっては不倶戴天の敵であろうはずの反日・反天皇の外国勢力、統一協会の手先となって動いていたという事実には、両者とも一切目を向けずに……。ニホンユウスウノマヌケドモガイマ…щ((ဗᜋဗ))Hanadaニダイシュウケツト……


そしてジャニーズの記者会見では、「我こそは正義也!」と威厳を見せつけてやろうと、
各記者はヒステリックになって、チンピラどもの無法・無秩序な暴言大会になってしまったと。

そして、マスコミに吊し上げられたジャニーズは、「法を超えてきちんと補償」「時効も無視」と、オレオレ詐欺を容認し、
そしてジャニーズを吊し上げたマスコミも、そのオレオレ詐欺を追認した……。

ただ、私はあのヒガシが顔をくしゃくしゃにして号泣するところは、正直あんまり見たくないなぁ……と。イッポウノイノッチハ…σ(゜°;)……ナキッツラガニアイソウナァ…
芸能人、特にアイドルとか報道番組やっているような人は、イメージを守らなければならない商売ですから、
大恩ある故・ジャニー喜多川氏をスケープゴートにしてでも、自分たちも過去を悔いている、反省している、禊をする、正義の側にいるんだと、
そう世間に示す以外になかったんだろうなぁ……と??フジョウリナゲイノウカイ…(´・・`;)インガナショウバイ……


そう、人間は「悪」を背負うには弱すぎる存在なのかもしれないと。
或いは、未開の時代に比べ、科学・テクノロジーが発達するにつれて、人間は「弱者の奴隷道徳」にすがらずにはいられなくなったと。

だから弱い人間を支える「大義名分」を掲げないと、権威に「お墨付き」をもらわないと、何もできない。
誰も彼もが、責任なんか取りたくも背負いたくも果たしたくもないほどに、信念を貫けない弱者に成り果ててしまったのだから。オチキルニハ…(ơ ₃ơ;)ソレナリノカクゴガナイト…
日本人なんて、お上からの大義名分無しにはマスク一枚外すこともできなかったのだから!

ジャニーズはアイドルだから…などというより、
そもそも日本人はみんな頭お花畑で事なかれ主義になりがちで、責任から逃げよう逃げようとするから、
ろくな政治家、ろくな官僚、ろくなメディア、ろくなプロフェッショナルが育たずに、
その一方で、破壊願望を膨張させた無責任なマスコミ・大衆ばかりが、どんどん凶暴化していくのだろうなと。ニゲヨウニゲヨウトスルカラ…ሣ( ᢲ )ሥカエッテ イヌニオイカケラレルンダヨナァ…


「ワクチンで、人間の科学の力で、パンデミックに勝利した!」という大義名分を完成させるために、
全く効果ないどころか、各国で深刻な薬害を引き起こしたmRNAワクチンの開発者に、政治の力、政治の都合でノーベル賞が送られ、権威付けがなされた。
その圧倒的権威によってすべてが正当化され、その裏にある黒い実態・真実は有耶無耶にされたと……。ジュショウシタトウニンタチモ…a((ದဗಧ))オッタマゲテマシタナ…

正義の前には、法も人権もその裏の真実もない。
ただ、強者の都合があるのみだと。
オスロ合意?ノーベル賞?糞食らえだ!と。


しかし、『キン肉マン』でも、どんなに悪の超人であっても、基本的にはルールの支配するリングの上で決着をつけようとする。
それで負けたのなら、忸怩たる思いでも納得せざるを得ないと。マケヲミトメナイ ミグルシイチョウジンハ…°⌖꙳✧˖(๑° ꒳ °๑)タシカニ イッサイデテコナイ…

国際法、国際法秩序こそが、あらゆる言い分の是非、善悪、優劣を決める、より普遍的な価値基準となるべきだと。
国際法が、グローバリズムのように正にアメリカ一極体制のようなものでなく、インターナショナルなものであれば!

「正義」の戦国時代が、「国際法による正義」によって平定・統治されることこそが、人類が真に世界平和を望むなら目指すべき境地。
それがあらゆる正義の上に立つべき「真実」ではあるまいかと。


ここまで考えて、気づきますのは、
結局「正義」とは、永遠的に争いを生むもので、人間を誰も幸せにするものではなく、
それよりも「真実」への希求の方が、人間に充実した実存、幸福や平和をもたらし得るものではないか?と。
国際法秩序は、野蛮な本来の人間性を否定するものではあるが、それを目指そうとする希望的姿勢はまた人間的であると言えると、そういうことかと。サカグチアンゴナラ…( ॣ•͈૦•͈ ॣ)ソウイウノカナト…

ハマスとイスラエルの戦争、ロシアとウクライナの戦争、
この二つの戦争から、多くの流れた血の中から、果たして世界は目下よしりん先生のみが到達した真実を悟り得るかどうか?
そして国際法秩序の進歩への道へと?


「ニホンジンロン」…=͟͟͞͞(´oั ₃oั๑=͟͟͞)=͟͟͞͞(´oั ₃oั๑=͟͟͞͞)「コロナソウカツヘン」トモドモ チョーキタイシテマスゾ…


人間誰もが正義を掲げようとする。
百田尚樹や小川榮太郎のような者までもが・・・
いや、むしろ彼らはあの程度だからこそ、正義にすがらずにはいられないのだろうと。

だから誰もが正義に正義で立ち向かい、だから泥仕合になるだけで、
結局弱肉強食になるだけと。。。

実際コロナ禍を振り返りますと、
私もまた「コロナ禍はマスコミのペテンだ!」「マスクはただの偽善!ワクチンは人殺しだ!」と、
人々に真実を突き付けるのに「正義」に頼って、「正義漢」を気取っていたかもしれない……。
それ故に、「感染させない気遣い」などという正義と相対化され、圧倒的な世間の圧力に敗れてしまったと。ミゴトニダ~レモ…๛щ(*̩̩̥Д*̩̩̥щ)ミカタシテクレナカッタダワサ…

ジャニーズの「真実」の一部を利用して、マスコミが「正義」を振りかざしたことで、多くの喜び、楽しみ、幸せが潰されてしまった。
ジャニー喜多川氏のヘンタイ性こそがその幸せを多くの人にもたらしていたという、より巨大な真実の不条理な全容を丸無視して。
同様に、ナリワヌイ氏もオフシャンニコワ氏も、それにあのプリコジンも、巨大なプーチン・ロシアの「正義」に喰われてしまったのだと。


悪を背負う覚悟が持てるかどうか?
それが「サタンを飼い慣らす」ということかと。
「ひとりでも寂しくない男になれ」の究極奥義かと。\\\\(`””´)9////ウオウッ!!

確かに、相手の欺瞞だらけの正義をひっくり返すには、敢えて「悪」になる戦略こそが実は有効なのかもしれないと。
『るろうに剣心』の「相楽左之助」のように「悪一文字」を背負ってこそ、真実・真理の矢を偽善者の欺瞞に打ち立てることができると。カマッテチャンミタクオモワレル?٩(ᐛ٥ )ﻭカマッテクルヤツガアホナノサ…
それには、ソクラテスやガリレオ・ガリレイ、岡本太郎のように、たったひとつの真実を追及し、誰かにとって都合のいい小賢しい正義に屈しない信念を持つことが必要かと。


『ONE PIECE』の世界では、世界政府の海軍は「正義」を背中に背負っているけれど、
麦わらの一味は、人助けしたり王国を救ったりしても、自らは「海賊」「悪」を標榜することで、
お尋ね者になりながらも、世界政府の欺瞞を暴き立ててきた。

『名探偵コナン』は、毛利探偵は眠らされることで、そしてコナン君は陰から「眠りの小五郎」を演じることで、
残酷な真実を突き付けられた犯人の怒り、憎しみの目をかわしている。
これを「ズルい」「卑怯」ととればそこまでですが、
「上手いやり方」ととれば、案外楽しいかも?

ハマスも、イスラエルやアメリカの掲げる正義に対し、話し合いなどでは自分らの正義は何も解決できないから、テロを開始した。
小川榮太郎は、自分の言い分が百田尚樹・日本保守党とその支持者たちに届かないとなれば、果たしてどうする?


悪を背負う、例えばコロナ禍でいうなら、
「俺はマスクも自粛もしなかった。ワクチンも打ってないし、PCR受けて自宅待機なんかしなかった。
何故なら、俺がそうやってコロナを撒き散らして流行らせていたんだ!笑えると思ってさ。
いや実際、たかがコロナ風邪でみんなパニクって狂態を晒してくれたよなあ、アッハッハ♪

けれども、俺は最初から確かに言ってたぜ、コロナはインフル以下のただの風邪だと。
新しい風邪が流行って、病気持ちや高齢者に感染させて死なせてしまったなんて、日常茶飯事のことだったろうと。
それをエボラや結核並みに危険だと煽って、世の中を恐怖でパニックに陥らせてしっちゃかめっちゃかにしたのは、一体誰の責任だ?

東本大震災の復興予算が10年で約32兆円に対し、コロナ禍3年で使った国家予算は104兆円だとさ。
日本人はとことんトラブルに弱いねえ。
この物価高の中増税したって、そりゃもう馬鹿な日本人の自業自得なんじゃね?オソカレハヤカレ…σ(⌯¤̴̶̷̀ω¤̴̶̷́)ソノトキハ イズレ…?

で、俺はコロナを人に感染させまくったけど、それでどんな法で裁かれるんだ?
もし俺が裁かれるなら、お前もお前もお前も、あいつもあいつもどいつもこいつもみーんな同じ罪で裁かれることになるんだぜ。
自粛もマスクもワクチンも、なーんも意味なかったってことを証明してやるから。

俺は自分の悪に正直になっただけ。これが人間本来の本性だと。
対して、みんなは善人ぶって自分の悪を誤魔化している、卑怯な弱虫だ。
まさか自分だけは違うとでも?誰にカッコつけてんだ?」と、
こういうことかと。


これなら馬鹿げた陰謀論への牽制・対抗策にもなり得るし、
正義に狂って運動から抜け出せなくなったり、
望月衣塑子や玉川徹のように異常なほど独善的になったりすることもないかと。

「いいこちゃん症候群」よろしく正義を気取って偽善に立ち向かうより、
こんな感じで開き直って悪を背負った方が、もっと気が楽だったかもしれなかったなと。チョイワルヲキドリタクテモ…щ(१д१;)チョボチョボトシカ クチヒゲハエナイモノデ…

そう、「正義は我にあり!」で全体主義に立ち向かっていたから、ただひたすら暖簾に腕押しで疲弊させられてしまって、
その結果、お上からの大義名分によってやっとマスクを外した程度愚鈍な連中が、或いは今なおマスクを外さない連中が、
3年間ずっとノーマスクだった私を、堕落した奴或いは堕落した仲間だと思って見てくるような目が気に食わなくてしょうがなくて、イライラということになったのだと。
だからといって、マスクしろとは言えませんしね……。アッシモマダマダ…ฅ(ФωФ;)アオカッタニャア…


そしてこの手法、ジャニーズ問題でも充分応用可能かと。
さらには、皇統問題にも・・・?フハハハハ…☠щ(`∀´)9ミテイルガイイ!ギゼンシャドモ!

敢えて悪役となって偽善を斬る!
これこそがキャンセル・カルチャーに取って変わる風潮になれば、或いは・・・?ブラック·ジャック…ルパン3セイ…( ॢꈍ∀ꈍ ॢ)……フウフノキズナ!?


……ということ等々、とってもとってもと-っても考えさせられました、過日の「よしりん独演会」お疲れさまでした♪

私も近年、陸っぱりからの釣りで、1時間も立ちんぼでいたら、もう脚が痛くなって痛くなって。。。
元々昔の怪我で、脚がちょっと悪いというのもあるのですが。。。
それでも、よしりん先生のお歳で、休憩挟んでも3時間立ちっぱなしで独演会をやり通したというのは驚異的ですな!ヒュ~♪(*’▽’ノノ゙☆°⌖꙳✧˖

一寸先は闇。
谷村新司の急死には仰天しましたが、ザイツイチロウハ…(☉_☉;)ユウテモ キョウネン89サイデシタカラ…
しかし小林よしのり先生のなんという安定感!ユカイゾ♪o((〃∇〃o))((o〃∇〃))oツウカイゾ♪

あのお姿だけでもう、私はとっても勇気づけられましたが・・・






No.81
10ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第483号 2023.10.17発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…まさかここに来て、ハマスがガザ地区からイスラエルへ越境攻撃し、イスラエル史上最大規模の戦争状態になろうとは思ってもいなかった。朝日新聞社説は11日、ハマスのテロ行為を非難しつつ、パレスチナ人を追い込んできたイスラエル側も批判している。産経新聞社説は同じく11日、イスラエル側の責任について触れながらも、あくまでも「テロは絶対悪」とする単純脳でハマスだけを非難している。一方、この事態にどう対応すべきかという点に関しては、朝日も産経もほとんど意見は同じで、どちらも、国際社会の働きかけで戦争を止めなければならないという論調だ。だが、わしの意見は朝日とも産経とも違う。一見、冷淡と思われるかもしれないが、これがパレスチナとイスラエルのどうしようもない真実である!! ※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…共同通信が行った最新の世論調査によれば、岸田内閣の支持率は32%で、発足以来最低を記録したらしい。そんななか、アンチ自民党の集結する日本保守党は、意気揚々。ネット募集で4.5万人を超える「日本を愛する」党員が集まり、まもなく結党記念パーティーが開催されるようだ。月刊「Hanada」11月号でも「私たちは、日本保守党を応援します!」という特集が組まれ、自称保守界隈の著名人たちが党への期待を寄稿している。しかし、そんな日本保守党お祭りムードの「Hanada」で、ひとり気を吐く人物がいた。文芸評論家の小川榮太郎だ。百田尚樹VS小川榮太郎が勃発、その理由とは?? ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…若い世代の保守論客が現れない原因は何?海外進出とグローバリズムの明確な違いとは?東アジアに欧米流・法治主義が根付くのは無理なのでは?法意識も常識もない劣化したマスコミに存在意義ってあるの?男子高校生が生理について学ぶために、生理用品をベタベタ触ったり、果ては実際に着けてみたり…こんな教育は必要?埼玉県の子供虐待禁止条例について、どう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第512回「パレスチナよりウクライナだ」 2. しゃべらせてクリ!・第439回「へごわっしゅ! メイドお父ちゃまがシュークリーム差し入れぶぁ~い!の巻【後編】」 3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第306回「自称保守派、分裂の様相」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 編集後記 第512回「パレスチナよりウクライナだ」  まさかここに来て、ハマスがガザ地区からイスラエルへ越境攻撃し、イスラエル史上最大規模の戦争状態になろうとは思ってもいなかった。  こんな時に、まだジャニー喜多川の「性加害問題」なんかを追及している日本のマスコミに、存在する意味なんかあるんだろうか?  パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム組織・ハマスは、2021年5月の大規模戦闘の後、イスラエルに対する戦意を喪失したかのように装いながら、周到に計画を練っていたらしい。  そして10月7日、ハマスはイスラエルの油断を突いて作戦を実行。ドローンでイスラエル軍の監視システムを空爆、複数の戦闘員が電動機付きパラグライダーで空から越境。さらに地上ではガザを封鎖していたフェンスを破って、多くの戦闘員と武器を積んだトラックが越境した。  これと同時にハマスはロケット弾数千発をイスラエルの中部、南部に向けて発射。イスラエル軍が混乱している間に、野外の音楽イベントや警備の手薄な集落を襲い、多数の住民を殺害し、女子供まで連れ去って人質にした。  この攻撃は米政権にも「寝耳に水」の奇襲だった。完全に不意を突かれたイスラエルはガザ地区への燃料や水、食料の供給を遮断する「完全封鎖」を実施した上で、地上戦を開始。近く全面侵攻に踏み切るとみられる。  ハマスとイスラエルの死者は戦闘開始から1週間で合計3500人を超えたが、戦闘の長期化は避けられず、死者数は到底これでは済まないだろう。  朝日新聞社説は11日、ハマスに対して「いかなる理由であれ、一般市民の殺害や誘拐は卑劣なテロ行為であり、容認できない」と非難。  だがその一方で、結論では 「イスラエルは占領地への違法な入植を拡大し、解決を遠ざけてきた。パレスチナ人を絶望の淵に追い込んだことが、今回理不尽な形で暴力が噴き出した背景にあることを忘れてはならない」 と、イスラエル側も批判している。  産経新聞社説は同じく11日、ハマスを 「これは無差別の大規模テロ行為であり、民間人や非軍事目標を攻撃した国際人道法(戦時国際法)違反の非道な戦闘行為である。いかなる理由があれ、到底容認できない」 と非難した。  ただし、産経はイスラエル側の責任について触れながらも 「だからといって、多くの人命を奪う攻撃が正当化されるわけはない」 として、あくまでもハマスだけを非難する。9.11から1ミリも動いていない「テロは絶対悪」とする単純脳だ。  だが、この事態にどう対応すべきかという点に関しては、朝日も産経もほとんど意見は同じである。  朝日はこう書いている。 「憎悪と報復の連鎖を止め、流血拡大を抑えるため、国際社会は最大限の働きかけを講じる必要がある。」 「イスラエルに大きな影響力を持つ米国や、ハマスとパイプがあるエジプト、カタールなどアラブ諸国には、連携した外交努力が求められる。」  一方、産経はこうだ。 「戦火の拡大はなんとしても防がなくてはならない。」 「『2国家共存』を支持するバイデン大統領は今こそ『中東の仲介者』としての役割を発揮してほしい。イスラエルやアラブ諸国と良好な関係を持つ日本にも大きな役割があるはずだ。」  どちらも、国際社会の働きかけで戦争を止めなければならないという論調だ。  だが、わしの意見は朝日とも産経とも違う。  国際社会の中で問題を解決するのであれば、当然ながら「国際法」がベースになる。  だが、ハマス対イスラエルの戦いは、国際法秩序の範囲内には入らない。なぜなら、どちらも国際法を守る気が全くないからだ。  ハマスがやっている、民間人を拉致して人質にするとか、非軍事目標を攻撃するとかいうことは、産経新聞も指摘するとおり明白な国際法違反である。  だが、産経はスルーしているが、イスラエルも国際法違反をやりまくっている。そもそもヨルダン川西岸のパレスチナ自治区内でユダヤ人入植地を拡大していることが国際法違反だし、今回のハマスの攻撃以後、ガザのパレスチナ民間人を標的に水や食料、エネルギーを遮断したのも明確な国際法違反である。しかもイスラエル軍はガザへの砲撃で国際人道法に違反する白リン弾も使用している。  そして、それら数々の国際法違反については、国連やEUや国際人権団体が抗議をしているが、イスラエルは聞く耳を持とうともしないのだ。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!