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na85さん のコメント

 今週も様々な感情を揺り動かすジェットコースターのようなコンテンツ群でした。よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、配信ありがとうございました。
 どうか7月30日は間違えて配信されませんように。カレーさん、第5火曜日の注意喚起は私の仕事だ。

 今回も木蘭師範のパワーがすごいですね。どうなるかと心配していた凄惨なイジメの描写を「え?官能小説?」というまさかの展開で和ませ、それをヤソガミどものさらなるイジメの暗い動機に転化させる見事なスジ運び、最高の脚本です。挿入された実体験にもとづく男女論も見事と言うほかありません。特にこの一節。
「自分がイケメンだってことがわかってて、ちょっと影のあるとこ演じとけば簡単に操れるとか思ってる甘え根性だけのダラッダラした男っているからね! 巧妙にチラ見せされた影なんか、ダサいのよ! 男だったら七人の敵と闘ってこい! 見えない折れた矢を背中に刺して帰ってくれば、それを感じとった女が、心から癒してあげたいって思うんだ!」
 この世には七人の敵と戦ってるふりだけは上手いという御仁は多いです。まず、イケメンかどうかはともかくとして難病患者という影をチラ見せしながら、友好的なふりをして圧迫と浸食を仕掛けてくる本当の敵・米国にはすり寄りつつ、威嚇が多くて解りやすい敵・中韓には米国の威を借って強気に出る政治家がいます。そしてリスクの高い時はアンタッチャブルな問題には触れず、リスクがほぼ無くなったと判断したらまるで最初からの賛同者ですという顔で論じたり組織的活動を展開したりする学者です。こういう手合い=女が心から癒してあげたいと絶対に思えない御仁に限って男尊女卑思想全開で男系固執主義なのです。学者や政治家といった社会的に権威と権力のある地位を男が独占する男社会を守りたい男尊主義者は、地盤看板鞄の後援会世間・党派閥世間、あるいは学閥世間・ホシュ論壇世間を上手く渡ってきたはずであり、戦いの後に女性が心から癒してあげたくなるようなリスクや敵を避け続けてきたはずなのです。
 女性が直観で「コイツなんか嫌」と思い、ソウイウヤツが社会に影響を与えそうな高い地位に付いておかしなことを言っていたら、嫌悪感を少しでも口に出してほしいと思います。男性は自分の頭で理性的に確立してしまった思い込みや固定観念を覆すのは結構難しく、様々な世間のしがらみまでも天秤にかけて判断してしまいます。アメリカには逆らえないとか、男系で続いてきたんだから仕方がないとか…。それに女性が元気な方が共同体が活気づきます。
 よしりん師範はこのあたりがものすごく柔軟で、新しい事象が起これば常に自分の直観を優先し、思い込みを破って真相に迫ろうとし、知ったからには今現在の自分の感情を優先し、感情に裏打ちされた理論を武器に古い事象に拘るかつての味方さえも攻撃するわけです。イラク戦争の頃ほとんどの男や名誉男性の言論人が賛成していたとき、長谷川三千子氏と話すよしりん先生が「わしは女なんだろうか」と言うゴー宣のひとコマをよく覚えています。私はこのようなよしりん師範の直観をとても信頼しています。
 因習と前例踏襲で雁字搦めになり存続だけが目的となっているような組織・世間を突破していけるのは、よしりん師範のような良い意味での個人主義者だと思います。既得権益をぶっ壊せと叫ぶ凡百の個人主義者の多くはグローバリストでバックに外資が付いていたりします。また伝統を守れと絶叫する凡百のホシュ主義者の多くは単に因習を守りたいだけです。本当に良き伝統を保守したい場合は個人主義を貫かねばならないことがあり、そういう良き個人主義者は共同体の危機を内憂(組織の劣化・因習に拘泥)と外患(外敵による侵略・浸食)に分別し、それぞれに正しく対処する道を説きます。反侵略戦争、反構造改革・TPP、脱原発、皇統の女系公認はいずれも内なる改革と外への防衛が複雑に絡み合った問題であり、左右の世間に縛られてポジショントークしかできない職業言論人や職業政治家には解決できない問題ばかりです。
 このようなリスクの高い戦いばかりに後先考えず突入し、見えない矢が数百本ほども刺さっているのに特に深刻ぶるでもなく大見得を切ったり大笑いしていたりする傾奇者で、ときに思いきり女性に甘えたりもするわけです。女性からするとジェットコースターのような存在で、一度ハマったら凡百の男では満足できないでしょうね。
 いかん。「ザ・神様」から「今週のよしりん」に突入したら「ゴー宣」に触れることが難しくなってきました。今週のゴー宣も直系皇族への恋闕を感じ、とくに雅子妃殿下への敬愛が溢れていました。言論と物語の絶妙に融合したスタイルが絵もないのに左脳と右脳を程よく刺激して、1300年前の夫人・宮子と現代の雅子妃がぴったりと重なって腑に落ちてきました。雅子さまのご快復を心からお祈りするとともに、それを妨げる言論人や週刊誌に呪詛を送りたいと思います。古代に入ってきたシナの男尊女卑思想は江戸期に至ってとくに町人文化においてかなり薄れていたはずなのに、明治期における列強への対処によって強化された現代日本では、その残り香がとくに家制度において蔓延し、家は男が継ぐものだから男子を産めという因習を残しています。世帯主は女でも良いという江戸期以前の伝統に回帰すれば、女性が世帯主の宮家が国民に捉えやすくなるでしょう。国民の意識が変わる必要があるのかもしれません。

 今回はやや散文的ですが、相変わらずの長文ですみま千円 na85
No.25
138ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第46号 2013.7.16発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※雅子妃殿下が発病されてから10年。しかし皇室の長い歴史の中には、なんと36年ものあいだ心の病に侵され、常人らしい行動もとることができなかった状態から全快し、国中に慶祝された「皇太夫人」がいた!!今週の「ゴー宣」は、ますます野蛮化・凶暴化する雅子妃バッシングを徹底的にはね除ける、珠玉の一本です!今、国民が為すべきこととは何なのか? ※遂に、超絶ピュア神・オオナムチが、兄弟神ヤソガミたちの「集団リンチ」の餌食に…!!酷く傷ついたオオナムチを癒した、「赤貝の女神」と「はまぐりの女神」のセクシーな秘技とは!?今週の泉美木蘭「ザ・神様」も止まらない!! ※隠れた名作をご紹介する「よしりん漫画宝庫」。よしりんが「世界で一番スケールの小さな職業」と嘆く漫画家の自伝を、思いっきり「派手」に描いたらどうなるか?ということで描かれた『コミックロード』をご紹介!虚実入り乱れる「カブキ者・よしりん」の原型がここにある! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第47回「雅子妃殿下の回復を、皇室の歴史から予見できる。」 2. しゃべらせてクリ!・第8回 3. もくれんの「ザ・神様!」・第13回「とことんイジメる“ど腐れ・ヤソガミ”、女に守られる“ピュア・オオナムチ”」 4. よしりん漫画宝庫・第46回「『コミックロード』カブキまくり虚実入り乱れる自伝的作品!」 5. Q&Aコーナー 6. 今週のよしりん・第45回「『世渡り下手』のよしりん」 7. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 8. 読者から寄せられた感想・ご要望など 9. 編集後記 【生放送予定】 http://live.nicovideo.jp/watch/lv144666542   19日(金)19:00 から ニコニコ生放送  新宿ロフトプラスワン・トークイベント  テーマ: 『AKBはこれからどうなってしまうのか?』 (「ホリエモン・トークライブ」)   堀江貴文 さんとお会いするのは実は初めてです。  『ゴー宣』の読者からしたら、「よしりんと、あのホリエモンが一緒に出るとか大丈夫!?」と心配になる組み合わせかもしれませんね。  しかも「AKB48」がきっかけで初対面を果たすとは!  評論家の 宇野常寛 さんと一緒にゲスト出演。3人で熱いトークライブを展開します!  時間帯によって、どなたでもご視聴いただける 無料公開 も行う予定です。   お楽しみに!♪ 第47回「雅子妃殿下の回復を、皇室の歴史から予見できる。」  雑誌「歴史人」で連載してきた『 女性天皇の時代 』は、現在発売中の8月号で最終回である。  8人10代(2人は「重祚」といって、2度皇位についている)の女性天皇のうち、5人目の元正天皇で連載は終わってしまうのだが、残りは書き下ろしで書籍化する。  タイトルが二転三転して、結局 『 女性天皇の時代 』 に決まって、ベスト新書から 8月8日 発売予定だ。  この本では、日本の女帝が決して「例外」的なものではなく、歴史上極めて大きな役割を果たしていること、女帝の存在は立派に日本の伝統に適うこと、そして、今後の日本に女帝が誕生することこそが、明るい未来を拓くということを、可能な限りわかりやすく、楽しく読めるように心がけて書いた。  さらには「男系固執」の本性が、実は単なる男尊女卑に過ぎず、シナの思想の影響に過ぎず、こんなものにこだわる必要はないということを説いている。  今週は、その本で書ききれなかった古代史の話をしよう。  史上3人目(4代目)の女帝・ 持統天皇 は、天武天皇との子である 草壁皇子 (くさかべのみこ)を何としても皇位に即けたいと思っていた。ところが当時は、天皇に即位するには最低でも40歳程度の年齢と、それに伴う政治的実績が必要であり、その条件が整う前に草壁皇子はわずか28歳で早世してしまった。  すると持統天皇は草壁皇子の遺児、つまり自分の孫である 軽皇子 (かるのみこ)を皇位に即けようと執念を燃やす。  そしてそれまで固く守られてきた天皇即位の条件も破り、わずか15歳の軽皇子を強引に皇位に即けてしまう。それが第42代・ 文武天皇 である。  もちろん何の実績もない15歳の天皇が政治を司るのは無理で、 退位した持統天皇が上皇(太上天皇)となり、実権を握り続けた。  文武天皇は即位後間もなく3人のキサキを迎えている。もちろん「自由恋愛」などありえようもなく、相手も全て持統上皇の意向によるものだった。  ところが、 文武天皇には「皇后」が不在だった。  天皇のキサキには格式があって、養老令の規定では最上位が「 皇后 」で、もちろん一人だけである。  その次が「 妃 」で、これは定員二人。皇后と妃は皇族女性しかなれない。  その下が「 夫人(ぶにん) 」、定員三人で、主に中央貴族の娘が選ばれ、さらにその下が「 嬪(ひん) 」、定員四人で地方豪族の娘が選ばれることが多かった。   文武天皇のキサキは3人とも皇族ではなかったため、「皇后」だけでなく「妃」も不在で、「夫人」が一人で「嬪」が二人だったという。    その中では最高位となる「 夫人 (ぶにん)」となったのは、 藤原朝臣宮子娘 (ふじわらのあそんみやこのいらつめ)。その父は 藤原不比等 (ふひと)、祖父は藤原鎌足だった。  持統上皇は、自分の父である天智天皇の片腕として「大化の改新」などに貢献した藤原鎌足の子・不比等を文武天皇の後見役に選び、その娘・宮子を「夫人」とすることで不比等を文武天皇の「義父」にした。  こうして、自分に万一のことがあった場合に後事を託そうとしたのである。  一 人も皇族女性を迎えなかったのも、皇族女性は、宮子(みやこ)より格上の「皇后」か「妃」になり、その父親の発言力の方が不比等より大きくなってしまうからだった。   藤原宮子 は「かぐや姫」のモデルだという説もあるが、その生涯については不明な部分が多い。  和歌山県の道成寺に伝わる言い伝えでは、九海士(くあま)の浦(現在の和歌山県御坊市)という小さな漁村の海人夫婦の子だとされている。  40歳を過ぎても子宝に恵まれなかった夫婦が、八幡宮にひたすら祈願してようやく授かった子で、八幡宮からとって「宮」と名付けられたと伝えられる。 だが宮はどういうわけか、大きくなっても髪の毛が全く生えなかったという。  ある年、九海士の浦は不漁が続いた。この時、海底から不思議な光がさしていたが、その光の正体を確かめにゆく勇気のある者はいなかった。  そこで宮の母は「娘に髪が生えないのは、前世の報いであろう」と、罪滅ぼしに村の人々を救うべく海に入り、海底で光るものを見つけた。   それは小さな黄金仏であった。これを持ち帰ると海から光は消え、浦は大漁続きとなった。   宮の母は黄金仏を大切に祀り、願をかけた。すると宮に美しい黒髪が生えた。 やがて身の丈よりも長い美しい黒髪となり、年頃となった宮は「髪長姫」と呼ばれるようになった。  ある日、一羽の雀が木の枝にかかった宮の長い髪をくわえて飛び去った。雀は奈良まで飛んでいき、都の宮廷の軒端に巣をかけた。  たまたまこの時、右大臣・藤原不比等が参内し、雀の巣から長さ七尺あまりもある女の美しい黒髪が垂れ下がっているのを見て、この髪の持ち主を宮仕えさせようと考え、持統天皇に進言した。  持統天皇の勅命によって使者が諸国を尋ね回った結果、九海士の浦の宮がその髪の主とわかり、 都へ上った宮は藤原不比等の養女として迎えられて名を宮子姫之命と改め、文武天皇の夫人となった。  だが宮子姫は故郷のこと、特にこの黒髪を恵んでくれた観音像への思いを忘れられず、それを聞いた文武天皇は、観世音のために寺を建立し、国の鎮めの霊場とせよと命じる。こうして 道成寺 が造営されたという。  もちろん、史実とは到底思えない話である。それに、いくら藤原不比等の養子に入ったとしても、地方の海人の娘が天皇の夫人となり、その息子が後に天皇になるということはこの時代には考えられない。  とはいえ、この伝説の中にもいくばくかの真実が含まれているのではないかとも思える。 つまり、このような伝説が生まれてしまうほど、藤原宮子は貴族らしからぬ、庶民的な女性だったのではないだろうかという気がしてくるのである。  この頃の藤原不比等はまだ朝廷内での地位が低く、政治的基盤が盤石ではなかった。持統上皇の個人的な信任こそ得ていたが、もし上皇が崩御すればたちまち失脚することもありえたのだ。   この不安定な状態を解消する方法は、持統上皇の存命中に、宮子が文武天皇の子、それも男児を産むこと以外になかった。  そして文武天皇と藤原宮子の間には5年目にして、男子が誕生した。 首皇子(おびとのみこ) 、後の 聖武天皇 である。持統上皇にとっては曾孫となる。  藤原不比等が自分の孫を天皇にするために、あらゆる努力をすることは間違いない。持統上皇は孫の即位を見届けただけでなく、曾孫の将来の即位までほぼ確実としたわけである。  だがそこでやるべきことはやり尽くしたと安心してしまったためか、持統上皇は、その翌年に急病となり、そのまま崩御してしまった。おそらく持統上皇は満足して生涯を終えることができたであろう。  だが、後には2つの不幸が残された。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!