• このエントリーをはてなブックマークに追加

na85さん のコメント

 よしりん師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今週も執筆・編集・配信していただきましてありがとうごいます。翼賛メディアに屈しない言論の府としてのライジングは本当に貴重です。寒熱が繰り返す気候変動の激しい折からどうぞご自愛しつつ頑張ってください。

 今回の「ゴー宣」を読んだら本当に恥ずかしくなりますね。まず何が恥ずかしいかと言うと、本来なら日本人こそが、「原発事故から目を逸らすための五輪招致だろ!」「汚染水は湾内0.3平方キロでブロックどころかダダ漏れだ!」「アベノミクス第3の矢まで失敗が判ってるから東京五輪を第4の矢に据えたんだろ!」「五輪招致に成功しても皇室利用は結果オーライにはならない!」「五輪開催で被災地の復興がますます遅れる!」「そもそも開催資格などない!」…と日本政府に対して抗議の輿論を燎原の火のごとく挙げなければいけないのですから。
 安倍政権は内外のグローバル企業からの支持を背景にして国内メディアの批判を封じ、タカ派発言で騙して自称ホシュとネトウヨを世論づくりの尖兵とし、さらに東京五輪開催決定による根拠のない楽観をメディアがまき散らして国民の政府批判を煙に巻きました。しかし、国内の反対意見は五輪ナショナリズムの同調圧力で沈黙させられると踏んでいたのに、海外メディアが痛烈な風刺画を載せ始めたものだから「このままでは海外の目をやたら気にする島国根性の日本国民を騙しおおせなくなる」と慌てふためいて安倍政権を無様な抗議へと走らせたのでしょう。安倍政権と原発推進政策を支持してきた自称ホシュやネトウヨもアイデンティティを揺らされるほどの強烈な皮肉に反発してしまうため政府の抗議を支持するしかありません。世論に騙されないサイレントマジョリティ―としての庶民は反発ではなく羞恥を覚えるはずですが、自分の心に沸き起こった感情に整理がつかず、これを反発心だと誤解する場合はあると思います。特に被災地などで今もストレスの多い生活をされている方では体験した悲惨な記憶も手伝って心の整理がつかない可能性が高くなるはずです。※よしりん師範の凄いところは弱者の立場に立って強者に立ち向かいながらも被害者を絶対化しないところです。しかし!もっとも唾棄すべきは、被害者の整理の付かない感情を利用して自分たちに都合の良い海外メディアへの反感を煽る世論づくりをする政権とその御用メディアです!
 次に菅官房長官の頭の悪い抗議の内容がまた国辱モノです。汚染地域から非難を余儀なくされている人や今も本当は危険な地域に住んでいる人、そして福一の廃炉作業に当たっている人などの被害者を虐げている加害者は日本政府と東電であるのに、その政府が被害者側に立っているというスタンスで原発風刺画を載せた海外メディアに抗議するわけです。抗議を伝える役の外交官も相当恥ずかしかったはずであり、直接の抗議はせず汚染水はコントロールできているという政府見解の官僚的説明に留めたのは妥当な判断だったと思います。政府の犯しそうになっている国辱的な間違いに対してそれを回避するため官僚が示したささやかな抵抗だったと考えられ、事なかれとは無縁のものであると感じます。瀋陽事件などを持ち出して十派ひとからげに官僚・外交官を批判する態度は無意味です。正面から反論するのではなく説明が足りない部分を粗探しして突っつくだけという態度は、magomeさんが書かれたように冷笑・嘲笑でしかありません(これをトンズラ氏への回答とする)。

 『AKB48論』は昨日手に入れ、長期移動中に一気に読み終えました。まず「大島優子と渡辺麻友に捧ぐ」と書かれた通り、類まれな実力でAKBGを牽引し、また誰よりもAKB共同体に尽くしてきた二人への愛が溢れていると感じました。13章・14章はなにか壮絶な印象を受けました。とくに優子の「あああああ…小林よしのりだ~~!!」からの件は、そのテンションと雰囲気の落差や、159ページ上段の優子の表情には凄みを感じました(それを受け取って描出したよしりん師範の力もです)。もちろんDDよしりんが推す多くのメンバーに対しても愛が迸っていますし、名前の挙がらなかったメンバーに対してもAKBG全体への深い父性愛が貫かれていると思います。そして指原莉乃については、メディアと無責任なライトファンの革命気分によって王に祭り上げられたピエロが今後驕りを見せれば掌を返したように叩かれ引きずりおろされる可能性もあるため、それに対する警告を発する意味であのような描き方になったのではないかと考えます。また万一それをきっかけとしてAKBGに対する反感が広がったときも、その批判の幾らかを今のうちに自分に向かわせて緩和しておきたいという意図すら受けました。AKBを見ていら立つ人はマジから遠いところに生存している自分にいら立っているのであり、やがて来るTPPグローバリズムの時代に生存すら危うい自分への焦燥感を、マジを体現する少女たちへの反発心に転化しているわけです。2章の咲良ちゃんの文章では泣けましたし、12章の風刺は大爆笑でした。もっと書きたいことはありますが、本編への感想より長くなってはまずいのでここまでにしておきます。
 2日ほど覗く暇がないうちにコメントのカウント(実数とは異なる)がいきなり100を超えていてビックリです。通常の感想コメントや「AKB論」コメントの他に、荒らしへの適切な対応をされた方や盛り上げ部隊の皆様の活躍によるでしょうが、素晴らしい活気ですね。na85・magome兄弟説はカレーさんが言いだしたことですよね。「しゃべクリ」でネタが対になっていたから並べただけで師範や編集側に特にそういう意図は特にないと思いますよ。AKBヲタが運営側の意図を邪推するような楽しさは有ってもいいですが(笑)。

 弱者はアイドルAKBを推すのが正しく、非弱者はヒーローよしりん「も」推すのが正しい na85
No.107
128ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第55号 2013.9.24発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※2020東京オリンピックが決定して以降、世界各国で描かれた原発風刺画。日本国内では反発が広がっているというが、果たしてそれらの風刺画は被災者を侮辱した物なのか?そもそも「風刺」とは何か?今の日本は海外からどう見られているのか?今週の「ゴー宣」も、大衆が目を反らしている現実を突きつける! ※毎週、読者から多数の質問が寄せられる「Q&Aコーナー」!山県有朋のイメージは?女心に振り回される俺に救いの手を!じゃんけん大会・珠理奈と上枝恵美加の間には「阿吽の呼吸」があった?東京五輪を機に皇居東御苑の一角に江戸城天守閣が再建される!?よしりんのアイドル風自己紹介とは?さまぁ~ず三村のじゃんけん大会コスプレ批判の真意とは?…等々、よしりんの回答やいかに!? ※1週間ぶりの「しゃべらせてクリ!」は、過去最高の応募数&良作揃いということで、なんと今週と来週の前後編に!先祖代々、正真正銘の「お金持ち」である茶魔、札束積んで、沙麻代ちゃんに何を頼んでいるのか!?         【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第57回「世界の原発風刺画を断固支持する!」 2. しゃべらせてクリ!・第16回「沙麻代ちゃん、札束椅子に座らんね?の巻〈前編〉」 3. よしりんウィキ直し!・第6回「ゴーマニズム宣言②:『概要』『ゴー宣誕生』編」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 第57回「世界の原発風刺画を断固支持する!」   「漫画に必要なのは、風刺と告発の精神である」  手塚治虫は、そう言った。  特にこの言葉を意識していたわけではないが、わしもデビューして37年、気がついてみれば風刺と告発の漫画ばかり描いてきた。  いよいよ今週・9月26日発売の 『AKB48論』 (幻冬舎)も、ひたすら楽しげにAKB48を紹介しているように見えながら、実は「アイドル」を通して現代人の聖性への感覚や、消費者としての感覚、コミュニケーションや共同性の感覚を浮かび上がらせるように描いている。  これもAKB48を通した現代社会の「風刺と告発」の漫画であって、編集者が考えた帯の文句は 「AKB48から現代の諸問題に照射した画期的日本論」 となっている。  本当に威力のある風刺と告発の漫画を描いたら、それは決して万人受けする作品にはならない。必ず見て不快に思う者がいて、反発を始める。それは、描かれたくないことを描かれたと思った者たちである。  フランスの週刊紙「カナール・アンシェネ」は、2020東京オリンピックと東京電力福島第1原発事故を風刺した漫画を2点掲載した。      防護服を着たレポーターが「フクシマのおかげで相撲が五輪種目になりました」と言っている。そして奥には奇形の力士(?)の姿が。      そしてもう1点は、「五輪のプールはもうフクシマに」というタイトルで、防護服を着た人物が2人プールサイドに立ち、手にした放射線測定器からは警告音が鳴っている。  日本国内では、この風刺画が不快だとして反発が広がっているというが、わしはこれを不快とも思わず反発も感じない。やはりこれも、見たくないもの、言われたくないことを描かれたと思った者が反発しているのだ。  菅義偉官房長官は記者会見で「 東日本大震災の被災者の気持ちを傷つけ、汚染水問題について誤った印象を与える不適切な報道で、大変遺憾だ 」と述べ、在仏日本大使館を通じ、カナール・アンシェネ紙に抗議する意向を示した。そしてこの指示を受け、在仏日本大使館の藤原臨時代理大使が同紙のルイマリ・オロ編集長に電話で抗議したと報じられた。   これは、恥ずかしい!!   菅は、日本政府は誇張やデフォルメが身上である「風刺画」に「不適切な報道」と文句つけるほど、文化に対して無理解・無教養であることを国際的に知らせたのである!   しかもあの漫画の風刺対象は被災者ではない。原発事故を収拾できていない東電や、それなのに五輪を招致して喜んでいる日本政府の方である。   その程度のことも読みとれないほど、日本政府は頭が悪いということも、国際的に知られてしまったのだ!   そして、政府が民間の出版物に対して抗議すれば、当然政府が表現の自由の制限・弾圧を目論んでいると捉えられ、日本はたかがこんな漫画ひとつ表現する自由もない国と思われかねない悪印象まで国際的に広めたのである!  これは国辱的行為である。  カナール・アンシェネ紙の編集長はインタビューに対して「 謝罪するつもりはない 」と明言。 「 日本政府の反応に当惑している。問題の本質は東京電力の(汚染水などの)管理能力のなさにあり、怒りを向けるべき先はそちらだ 」「 風刺画をもう1度見たが、災害の被害者を侮辱するものではないと言える。ただし、日本当局と原発を運営する人たちを侮辱するものではある 」と話している。全くの正論である!  さらに編集長は「 フランスでは悲劇をユーモアによって扱うことができるが、日本ではそうではないようだ 」と言い、紙面でも「 集団ハラキリも考えたが、我々に過ちはないのでやめた 」と皮肉ったという。  気になったのは「 大使館から正式の抗議は来ていない。パリの担当官が、福島がどれだけうまくいっているか説明の電話をかけてきただけ 」と言っていることだ。   どうやら在仏日本大使館は、さすがにこんなことで抗議したら恥をかくと判断したらしく、編集長には一応電話してお茶を濁しておいて、政府には「抗議した」と報告したようだ。  やはり外務官僚は優秀だ。バカは政治家にはなれるが、外交官にはなれないのかもしれない。   本当に日本の国の名誉や尊厳を重んじているなら、安倍政権・菅官房長官をこそ批判しなければならないはずだ。  ところがネトウヨ連中は、風刺画の方を非難している。しかも芸のないことに、言うことが韓国に対するヘイトスピーチと全く同じで、「 死ねよ、フランス人 日本から出て行け、ゴキブリフランス人 」だの、「 このド腐れフランスクズ雑誌が存続できないよう、徹底的に叩きのめせ 」だのといったものばっかりである。  しかしフランスは特に反日というわけではない。パリは2024年のオリンピック招致を目指しているから、2020年がヨーロッパではなく日本で開催されることをむしろ喜んでいるほどだ。  この風刺画は反日で描いたのではなく、 チェルノブイリ事故 を経験したフランス人から見れば、当然の反応にすぎないのである。   チェルノブイリ事故以降、脚や目の数が多い奇形の動物が数多く生まれ、そのショッキングな写真はヨーロッパでは大量に報道されて一般常識になっている。   しかしそういう写真は日本では徹底して封印されたため、その事実を知っている人すらほとんどなく(今ではネットでちょっと探せば見れるが)、両国の感覚の差はあまりにも大きい。  ヨーロッパでは原発事故を風刺する際に腕や足が3本とか、目が3つという描写はごく普通なのだ。逆にこれを見てぎょっとする日本人の方が、現実に目を背けた、平和ボケで「お花畑」の甘すぎる認識だと思った方がいい。  実際、今回話題になったカナール・アンシェネだけではなく、こんな風刺画は山ほどあるのだ。        「ここの水は汚染されてるらしいよ」  「え、何だと?!」   もしもチェルノブイリがあるウクライナで、事故の2年後にオリンピックを招致して浮かれ上がっていたら、どう思っただろうか?   おそらく日本人の多くも「異常だ」と思ったはずだ。   日本の国土面積はウクライナの6割程度しかない。そんな狭い国土にチェルノブイリと同じ「レベル7」の事故を起こした原発を抱え、事故の収束の目途も立たないのにオリンピックを招致して浮かれている日本の現状を異常と見る世界の目は、我々が思っているよりもはるかに多いのだ。  海外の風刺画を見て、少しはそれを自覚した方がいい。      これはフランス、ル・モンドに掲載されたもの。  「 フクシマを忘れるための日本のオリンピック 」と書かれている。       これはドイツの風刺画。防護服を着たオリンピックというネタは、とにかく多い。これらの漫画にも菅官房長官は抗議するのだろうか?  「被災者を傷つけた」という批判に対しカナール・アンシェネ紙の編集長は、そのような意図はないとした一方で、 もしそれで被災者が傷つくのなら、日本での購読者が「51人」しかいない同紙の漫画をわざわざ大々的に日本国内で紹介しなければいいのであって、悪いのは日本のメディアだと言っている。 これまた正論で、反論の余地なしである。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!