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カレー千衛兵さん のコメント

「ピーナッツよしりん」にいっぴょういれます。

しぃちゃんより
No.97
134ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第64号 2013.12.3発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴー宣」…チェルノブイリに「よみがえった町と子育てにいそしむ人々の姿」があるとデマを広め、IAEA基準の20倍の線量までなんの心配もいらないと、被災者の帰還を勧めている櫻井よしこ。『NNNきょうの出来事』のキャスターを務めていた1993年、「チェルノブイリ特集」を組み恐るべき実態を知った櫻井氏は何を言っていたのか?彼女の異様な変節、そしてその背景にある事実とは!? ※「ザ・神様」…夫婦のクライシスをエロスの力で乗り切ったオオクニヌシ。ますます日本の国を造り固めようと考えるが、国土の開拓はとてつもない一大事業。どうしたものかと思い悩むオオクニヌシの前に現われたのは、ちっちゃいおっちゃん!?果たして彼の正体とは?? ※「よしりん漫画宝庫」…とにかく難しいこと抜きで遊びまくろうという考えのもと制作された『タコちゃんザ・グレート』。どうしても見え隠れする“ハードな知性”と格闘しながら(!?)、徹底的にやりたい放題のよしりん。お遊びの極め付けは、史上初の「ミュージカルマンガ」の誕生!何のこっチャイナ~!な展開に、もう笑いが止まらない!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第66回「櫻井よしこの異様な変節」 2. しゃべらせてクリ!・第25回「貧ぼっちゃまにガツンと言っちゃるぶぁい!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第22回「ちっちゃいおっちゃん、現る! 知恵者・スクナビコナ」 4. よしりん漫画宝庫・第56回「『タコちゃん・ザ・グレート』③ハードな知性とソフトな娯楽性!」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第66回「櫻井よしこの異様な変節」  櫻井よしこは1980年から1996年まで16年近くにわたって日本テレビで、現在の『NEW ZERO』の前身番組である『NNNきょうの出来事』のキャスターを務め、世に知られるようになった。  70年代までは報道の現場に女性の姿はほとんどなく、テレビでは「ニュースは男性が読まなければ信用されない」とまで言われ、女性アナウンサーの役割は「天気予報」くらいという徹底的な男尊女卑が定着していた。そんな中、櫻井は女性ニュースキャスターの草分け的存在となったのである。  当初は小林完吾など男性アナウンサーとのコンビだったが、終盤の6年間は櫻井が単独でメインを張った。   そんな時期の1993年5月、同番組は4回にわたる「チェルノブイリ特集」を組み、フォトジャーナリスト・広河隆一をゲストに迎えてその取材レポートを放映した。  これはいまYou Tubeで見ることができる。おそらく無許可だろうが、20年前のテレビニュース番組の検証など昔は不可能だったので、正直に言えばありがたい。  広河隆一はその後も一貫してチェルノブイリの取材と支援を続けている。そして櫻井は…この櫻井と、今の櫻井は本当に同一人物なのか!?  櫻井は冒頭、こう断言する。 「 史上最悪のチェルノブイリ原発事故から7年経ちました。公の機関は、住民への被害はなかったなどと発表していますが、事実は全く違います 」  広河は恐るべき実態を報告する。 事故当初、ソ連は「住民の被害はなかった」と発表した。  だが実は、初期の被曝を記録した唯一の物証であるカルテが何者かによって持ち去られ、所在がわからないという。  そしてかろうじて発見されたカルテには、住民が極めて高いレベルの被曝をしていたことが記されていた。   明らかにこれは当局による「被曝隠し」だった。    さらに事故4年後の1990年、IAEA(国際原子力機関)の調査団が現地入りした。調査委員長は重松逸造という広島の医者で、現地の人々は日本人、しかも広島の医師なら公正な調査をしてもらえるものと期待した。   だが調査団は汚染の激しい地区には立ち入りもせず、食料は持参してきて現地の食べ物は一切口にせず、早々に引き揚げた。   そして翌年「住民に被曝被害はなかった」という報告書を発表したのだった。  重松逸造は、米国が広島・長崎の被爆者の「標本集め」のために設立したABCC(原爆障害委員会)のスタッフを経て、ABCC等を再編した「放射線影響研究所」の理事長となり、同研究所を牛耳ってきた人物である。  しかもそればかりか、イタイイタイ病の公害認定の際に、原因はカドミウムではないとWHOに見直しを提起したとか、スモン病の際に厚生省の調査班長を務め、キノホルムが原因だとは認めなかったとか、とにかく「ザ・御用学者」とでも言うしかない人物だったのである!   IAEAが「安全宣言」を出したために、一時は盛り上がりを見せていた国際社会の支援は急速に収束していき、チェルノブイリは忘れられた存在となってしまった。  そしてその陰で、住民の健康被害はどんどん拡大していった。IAEAの御用学者が、被害を拡大させたのである!  櫻井は深刻そうな表情を浮かべて 「 広河さん、こうして見ますとね、国際原子力機関が住民の健康に問題ないと発表したのは一体なんだったんでしょうかね? 」 「 もう、この国際原子力機関の信用性そのものが深刻に問われているわけですね 」 「 IAEAの責任は極めて重いと言えるわけですね 」 ・・・と、繰り返しコメントしている。  次にチェルノブイリの北側、 ベラルーシ・ミンスクの病院 の取材レポートが放送された。どのベッドにも瀕死の子供たちが横たわる悲愴な映像が続き、広河が語る。 「 私は去年もこの病院を取材し、子供たちを撮影しました。しかしその子たちに一人も会うことはできませんでした。大半は亡くなっていたのです 」  甲状腺がんに罹った10代前半の少女の身体にメスが入れられる衝撃的な映像等が流れ、解説のナレーションが入る。 「 医学の常識では、甲状腺がんは大人の病気です。子供が罹る率は50万人に1人と言われています。しかしチェルノブイリ周辺では、事故後4年を過ぎてから子供の甲状腺がんは爆発的に増え始めました 」 「 原発の北のホイニキ地区では352人中27人の子供が要注意と診断されました。このうち甲状腺がんは2割に上ると見られ、平均発病率の7800倍です 」  特集の最後は、事故から7年が経ち、被曝した女性たちが次々子供を生むようになっているが、食品の安全管理はきわめて杜撰な上に、遺伝の影響もわからず、生まれた子供たちの将来が案じられるという内容だった。  これを見て、櫻井は沈痛そうな表情を浮かべてこう言った。 「 広河さん、あの子供たちがこれから先どうなってしまうのか考えると、本当に心配ですねえ 」  そしてさらに、こうも言っている。 「 小児の甲状腺がんは、これまでは汚染がひどい地域の子供たちに目立っていたわけなんですが、この1年間でなんと、原発からかなり離れたポーランドからさえも発症しているという報告が出てきているんですね 」   この櫻井と、今の櫻井は、同じ櫻井よしこなのか!?  もちろん、絶対に意見を変えてはいけないというわけではない。小泉純一郎が言ったように、「過ちてはすなわち改むるにはばかることなかれ」である。   しかし、考えを改めたのなら、なぜ改めたのか、過去の発言の何が間違っていたのかをはっきりさせなければいけないのではないか? それなのに櫻井は変節の理由を明らかにしない。というより、変節したことすら黙っている。  この番組を、単に20年前のチェルノブイリとして見てはいけない。これから数年先の福島かもしれないと思わなければならない。  そしてさらに20年経ったチェルノブイリ事故被災地住民の健康被害はどうなっているのかをレポートしたのが、先週紹介したNHKのETV特集と、同番組のスタッフが書いた『 低線量汚染地域からの報告 チェルノブイリ26年後の健康被害 』(NHK出版)である。  先週は紹介しきれなかったが、ここにはまだまだ深刻な事態が報告されている。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!