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na85さん のコメント

 よしりん師範、号外配信ありがとうございました。号外の配信があるときは政治の世界において危機的事象があった場合のみですので本来は無いほうが良いのですが、起こってしまったからには書かねばならないと考えられたであろう師範のサガとプロ意識に感謝いたします。
 今回の安部の靖国参拝について、戦後70年近くも自主防衛を模索することもなく自国の防衛を米国に頼ったまま近隣諸国との緊張関係だけがかつてないほど高まってしまったという現在の国際情勢と、日本の独立を保つために戦い斃れていった死者を英霊として称える神社に参っておきながら被占領体制を維持して不戦を誓うという明らかな矛盾、この二つの理由より参拝してはいけなかったというよしりん師範の見解に、私は完全に同意します。高森師範のブログとこのライジング号外の最新の靖国問題についての温度差というか溝は結構大きいと思いますので、1月のゴー宣ネット道場をとても興味深く拝見することにします。
 そもそも靖国神社は70数年前に米英支蘇という世界中を相手に戦った大東亜戦争を肯定する者でなければ参ってはいけないと考えます。一般国民がそのような信念でもって参拝するのは全く構いませんが、政治家、特に首相ともなれば旧戦勝国との深刻な対峙を覚悟しなければなりません。また現在では世界各国が国内に経済問題や民族・宗教問題を始めとする深刻な矛盾を抱え、常に他国の失点を突いて対外交渉を有利に運ぶための外交カードにしようと躍起になるほど余裕をなくしている国際情勢であるため、通俗的な価値観を覆すための主張を通すためにはますます覚悟が問われることになります。つまり現代において日本の首相が靖国参拝という先の戦争を肯定する行動を起こしたいのなら、旧戦勝国の一つである米国から保護を受けているという屈辱的な被占領状態を脱する覚悟を固め、国内外に対するそれなりの準備を進めてからでなければならなかったと思うわけです。
 しかし、TPP参加の事前交渉において明るみに出た売国行為や特定秘密保護法の強行によって支持母体である保守層からも見放されると危機感を募らせた安倍は、普天間問題を振興予算のばら撒きで知事をだまくらかしたことで米国にちょっとだけドヤ顔向けられるタイミングで、ネトウヨ・自称ホシュに向けて人気回復のための靖国参拝を強行したわけです。やってしまってからマズイことをしたと後悔したのか、日本の過去の戦争は全て悪、自衛戦争すら否定、独立も考えない、という安倍談話を公表してしまいました。これでは自主防衛や自主外交をする覚悟の無いことを各国首脳に見透かされた上、ウヨク的行為による悪印象のみを各国国民に大宣伝したことになります。
 天皇陛下による靖国神社ご親拝が無いのは、A級戦犯が祀られているからだとする昭和天皇の言葉が書かれた「冨田メモ」などというものもありましたが、戦後に生きる者には参拝する資格がないと考えておられたからではないかと考えてしまいます。戦後、旧戦勝国からの真の独立を真剣に考えた形跡のない民や政治家が、国の独立を保つべく戦い斃れていった死者を称える神社に参拝するのは烏滸がましいのではないかと考えられます。民をシラス存在である天皇陛下はそんな戦後の国民の心の内など百も承知なのかもしれません。国民統合の象徴たる天皇陛下によるご親拝を実現していただくためには国民にもそれなりの覚悟が必要であろうと思うわけです。

 米国の保護国のままでは大東亜戦争の正義を説けない na85
No.48
124ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
(号外 2013.12.28発行)   ゴーマニズム宣言 「失笑!安倍首相の靖国参拝は『不戦の誓い』だった!」   首相の靖国参拝はもう新たな局面に入ったのではないだろうかと思っている。 どうせ来月発売の自称保守&ネトウヨ系の言論誌は、安倍首相よくやったと絶賛一色だろうが、国際的な感覚が全くない、内弁慶な議論でしかない。  以前のように朝日新聞や左翼が中韓にご注進に及んでこの問題をこじらせてきたとか、中曽根総理が「公式参拝」を言い出すまでは普通に靖国参拝していたとか、その頃は中韓も文句を言わなかったとか、そういう歴史的事実を述べても、アメリカを始め世界に対して説得力を持つレベルではなくなった。  安倍首相の靖国参拝を受け、在日米大使館は「失望した」と声明を出したが、それを安倍政権が軽く受け止めていたため、米国務省がさらに同じ内容の声明を出して、米政府の姿勢を明確にした。  日米防衛相の電話会談も延期になって、ようやく日本政府も事の重大さに気づき始めたようだ。  アメリカだけの話ではない。欧州でも安倍政権は失笑されている。  一国の首相にしては世界からの視線に鈍感過ぎるのではないか?  安倍首相は世界中から異様なタカ派だと見られている。  フランスの極右政党党首ルペンや、ロシアの極右政党党首ジリノフスキーのように、短絡的で偏り過ぎた極右の首相と思われているだろう。  わしの目からは、もはや完全な ネトウヨ首相 だ。ネトウヨと同レベルの国際感覚なのである。  慰安婦問題もそうだが、首相の靖国参拝は、もう国際的には新たな局面に入ってしまって、自称保守論壇の内向きな強硬意見は、日本を孤立させるだけの自慰行為になってしまった。  そもそもわしは小泉純一郎の首相在任中の靖国参拝の時も警告を発していたのだが、新自由主義・グローバリズムで、日本の国柄を破壊する政策を遂行するために、ナショナリズムは利用されるようになってしまった。   靖国参拝はもはや新自由主義の隠れ蓑になってしまったのだ。  この矛盾がどうしても自称保守&ネトウヨには理解できない。靖国参拝さえしておけば愛国者と認定する単細胞が、今の自称保守&ネトウヨなのである。  しかもこの連中は皇位継承問題では「男系Y染色体固執」で団結しており、天皇陛下の御意思も踏みにじって恬として恥じない。皇統断絶の危機を招来している一群なのである。   つまり「天皇なきナショナリズム」だ。  天皇のため、郷土(クニ)のために戦った英霊たちは、悲嘆に暮れていることだろう。  しかも自称保守にしても、かつて小泉が8月15日を避けて参拝した時には批判していたはずである。  だが今回の12月26日という無意味な日の首相参拝には、なぜかこぞって称賛の声を挙げている。  いつの間にやら靖国参拝のハードルはすっかり下がり、いつでもいいから、とにかく行きさえすりゃいいということになってしまったようだ。  さらに肝心なことは、首相が靖国神社をどういう場所と捉え、何のために参拝するのかという意識である。  安倍は今回どういう意識で靖国神社を参拝したのかを、談話で発表している。その談話のタイトルは 「恒久平和への誓い」 というのだ! http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/discource/20131226danwa.html  これだけで、安倍は靖国神社がどういうところか一切理解していないということが明らかである。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!