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na85さん のコメント

 よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、今号も野蛮な四月馬鹿の妨害にも負けず配信していただきありがとうございます。私は今号よりコメ欄復帰ですが、コメント停止中も一文字残らずキッチリ有難く拝読させていただいておりました。

 私は病気を抱えながら働いて苦労しながら立派に息子を育てているシングルマザーの友達がいるので、ついその人を基準に考えてしまい、件のシンママも清く正しい振る舞いをしていたにも関わらず様々な不幸が重なってネットシッターに頼るしかなくなったのだと安易に考えてしまっていました。シングルマザー=弱者という世間の俗情と結託していたわけです。思考停止はゴー宣読みにあるまじき姿勢ですので、情けない限りです。
 書き込み自粛中に転載を頼んで出したコメント(78号※蘭)では、母親の世間や社会との関わりはどうだったのか?という基本的な部分を完全にすっ飛ばし、子育て中の母親が水商売以外のまともな職に就けないという意味での経済問題や、隣人の顔も見えない大都市での生活という大文字の共同体崩壊問題、そして自治体の財政悪化に伴う行政のサービス低下の問題へと一足飛びに持っていっていました。考察が足りなかったと反省する次第です。
 今回の「ゴー宣」を拝読しますと、これでもかというぐらい母親失格像が浮かび上がっています。自分の快楽を優先してネグレクトで餓死させたり、嫌いになった以前の夫との間の子を自分で虐待死させたりする代わりに、ネットで格安で募集したシッターに虐待を代執行させたようなものです。以前にも同じ過ちを犯しており、リスクを認識できなかったわけがないでしょうから、次男が次の犠牲者になる前に児童相談所などが介入すべき事案でしょう。正しい情報を知る前は同情心のほうが大きかったのですが、知ってからは最早怒りしか湧いてきません。
 多少問題のある親に生まれついた子であっても、地域の農山漁村といった昔からある共同体においてなら住民皆で面倒を見てくれていたわけですが、このような良き共同体が子育て世代の一家離村によって過疎と高齢化が進んだ結果、代わりに受け皿となった大都市やそのベッドタウンでは出入りの激しさから住民同士のつながりも徐々に希薄になっていきました。
 世の中が便利になれば時間が出来るはずなのに、それにつれて個人の自由時間を邪魔されたくないとの思いから他者との関係をウザったく感じる悪性の個人主義が蔓延し、他者と関わらなくてもネットがあれば全ての問題が解決できるという勘違いまで起こりました。そもそも我が子という他者を持たないというライフスタイルも定着しています。また保育施設の不足から待機児童問題が起こり、小児科医不足や行政サービスの不備も加わり、これらが一体となって少子化に拍車をかけています。このままでは日本は都市も地方も共に人口減少が加速して限界集落化するでしょう。
 よしりん師範の問われた「個か共同体か?」という命題はもはや答えが出ています。子育てのためには、特にネットなどは当てにならないことをよく認識し、この先の財政悪化で行政サービスに頼れなくなることも想定し、女親か男親かに関わらず周囲との関係を深めてお互い助け合える共同体の萌芽のようなものを構築していくしかないわけです。その第一歩は笑顔で挨拶であり、急ぎの用が無ければ立ち話して情報交換などもしたいところです。これは子育て中の人に限らずその地域に住む人同士なら本来当たり前のことだと思います。
 またこれは若者が農山村にUターン・Iターンした場合にも地域に受け入れられる第一歩であり、こういう基本的な部分が不完全な人の場合には「やはり村(共同体)は排他的だった」などと不満を言う資格はないでしょう。もちろん本当に因習だらけで排他的な所もあるとは思いますが。「里山資本主義」がロングセラーを続けていることは希望ですが、失望する人が多くなって反動が起こらないようにしたいものです。
 日本全体の限界集落化を防ぐには都市でも地域でも共同体を再構築するしかなく、便利と自由を謳歌する悪性の個人主義を自ら少し手放し、もっと他者と関わることで共同体の萌芽を自分の周りに築いていく努力を一人ひとりがするしかないと思いました。それには皆が意識を変えれば少子化を止られめるということを逆に政治家や官僚に判らせる勢いでなければなりません。労働人口が不足すれば移民を1000万人単位で入れれば良いと平気でのたまう人々が政権中枢に多くいて、それを推進したいグローバル企業の意志を実行に移そうとしています。内外のグローバリストの意志を挫くには共同体の復活しかないと思います。
 前号の※欄で鷲音モーさんが仰ったことですが、もっとおせっかいなくらい子を持つ母親に関われ、という意見に私も大賛成です。現在の私に出来ていることと言えば交通機関で子を抱いている母親に席を譲ったり(高齢者より優先します)、「おいくつですか?」などと話しかけ、泣いていたらあやして笑わせること(職業柄わりと得意です)ぐらいですが。お母さんのストレスを減らすことが不幸な事態を減らすと思えば続けていきたいと思います。
 カレー千衛兵さんが、子供を中心に考えることこそが「個か共同体か?」を考える上で大切と喝破されたのは見事だと思います。「私から公への経路」をいきなり「天皇」で語る人は、いきなり公にダイブしたような答えですから「正気か?」と思ってしまいます。そこで、私たちが我が子を慈しむように、天皇陛下は我々を「赤子」「大御宝」と思ってくださる、それなら我が国に生まれた全ての子供を大事にすることが天皇陛下の大御心に適うはずだ、だから子供を中心に考えるんだ、という具合に持っていけば「経路」が繋がりますよ。
 さて、前回と今回の「ザ・神様」交渉人籠絡事件の顛末は、木蘭師範がプロデュースするとこうなるのかと感心しきりでした。下の技がピカイチな女神・下照姫とその技の数々、ハニトラと分かっていても騙される毛並みの良い天界の若い神様、その上司にして親だけど元引きこもりの甘さが抜けない天界の最高神、そして使命を忘れた交渉人の不倫の末の横死、下ってきた正妻の矛先を失った恨み節など、全てが面白すぎます。いくつかの文庫の古事記を読み、さらにワンダーランドでも予習して展開を知ってはいても先が楽しみです。
 よしりん師範が桜の下を散歩された記事が出ておりましたので、おそらく二人の軍師も胸をなでおろしていることでしょう。それにしても「○○以来のファンです」とか「いつも楽しませていただいてます」とか言えそうなものですが、第一声が「写真を撮らせてください」ではホモ疑惑を拭い去ることはできませんね。人事労務会館の廊下やトイレで会うのと道でバッタリ会うのとでは衝撃度が違うのかもしれませんが、それにしてももう少し何とかならなかったのかな?と思います(笑)。
 
 私が書き込み自粛していた間に幾人かの方に暖かいお言葉を頂きました。特に引き止めの言葉を頂いたdaiさん、カレー千衛兵さん、ありがとうございました。mayuさん、さりげない心配の言葉が嬉しく響きました。ニセただしさんも蟠りなく迎えていただきありがとうございます。私が復帰することに異論のある方もおられるかと思いますが、皆様またどうぞよろしくお願いいたします。それから夢に向けて忙しい身でありながらコメントの転載を快く二度も引き受けていただいたmagomeさん、ものすごく感謝しています。

 個や私の象徴であるネットで共同体の公を語る矛盾も楽しみつつ na85
No.84
127ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第80号 2014.4.1発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…ネット仲介のベビーシッターに預けられていた2歳の男児が死亡した事件。世間では殺された子供のことは忘れられ、「働くシングルマザー」は容易に批判できない「聖域」になってしまっている。子育て支援の制度不足のみに焦点が移されているが、本当にそれで良いのか?同じような犯罪を防げるのか?この事件から何が問われているのか、マスコミが絶対に報じない事実を元に、さらに掘り下げてみよう。 ※「ザ・神様!」…物語はいよいよ天孫降臨へ!!しかしアマテラスオオミカミが遣いに出した神々は尽く、オオクニヌシが繰り出す策に懐柔されてしまう。すっかりおかんむりのアマテラスは、鳴女という名の一羽の雉を遣いに出すことに。ところが、この一羽の雉から恐ろしい悲劇が始まる…! ※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!エロい目で見ることが許される女性の年齢は何歳から?「ごちそうさん」で好きな登場人物は?日本の歴史上、最適なバランス感覚を保ち運営されていた時代はあった?「笑っていいとも」の終了をどう思う?振り向かない女を長く想う経験はある?乃木坂46の曲は聞いてる?貿易協定に反対して立法院を占拠した台湾の学生たちをどう思う?よしりんの回答や如何に!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第81回「人間よりもネットを信用した母はたしなめるべきである」 2. しゃべらせてクリ!・第41回「春爛漫!貧ぼっちゃま花壇の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第30回「アメノワカヒコの反逆~すったもんだの天孫降臨 その3~」 4. よしりんウィキ直し!・第18回「ゴーマニズム宣⑭:『天皇論追撃篇』(新天皇論)④」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第81回「人間よりもネットを信用した母はたしなめるべきである」  インターネットで依頼したベビーシッターによって、2歳の幼児が死亡した事件について、もっと詳細に書く必要があると思った。  子供を育てる母親は大変な苦労をしている、シングルマザーなら子育てと仕事の両立がさらに困難だ、いわば社会的弱者である母親を批判してはいけない、という俗情が世間的にはある。  シングルマザーに対する偏見は10年以上昔の事で、今や離婚は珍しいことではなく、バツイチ・バツニと明るく自称できる時代だ。  シングルマザーは容易に批判できない「聖域」になっていて、今回のような「 ネットで他人に無警戒に子供を預ける 」という暴挙でさえも、母親への批判よりは、子育て支援の制度不足にのみ、焦点が移されてしまう。  つまり殺された子供のことは忘れられ、母親が被害者としてしか見られなくなってしまうのだ。そして人々は言う。「 ネットでシッターを探して何が悪い 」と。  わしには恐るべき居直りだとしか思えないが、そんな総括の仕方では、また同じような犯罪が繰り返され、また子供が犠牲になるだろう。  幼児を殺した犯人はもちろん第一に責められるべきであり、すでに逮捕された。では母親は反省ゼロでいいのか?  前回はあえて母親の情報は伏せたが、未だに母親を純粋な被害者だと思い込み、批判を封じる声があるので、今回はあえてこの母親像を詳述したい。マスコミが絶対に報じない事実が見えてくるだろう。  被害者の横浜市在住の母親(ここでは「A子」としておく)は一体どういう女性だったのか?  ネットに残っていたプロフ(プロフィール)が2種類確認できたが、3年ほど前のものと見られるプロフでは「龍琥ママ」というハンドルネームで、 金髪の写真が残っている。  事件後にマスコミの取材を受けていた時の、今どき珍しいケバい金髪の後ろ姿でおおよその見当はついたが、地道な就職先が見つかる雰囲気ではない。  2人の子供まで金髪に染めているというが、2歳の子を金髪に染めるのは、健康に悪いと思うが?  週刊文春(4.3)によると、A子は「 生活保護を受給しつつ、キャバクラなどのアルバイトで生活費を稼いできたようだった 」という。  このプロフの「誕生日」の欄は「旦那さん1993.03.11(18) 嫁さん1991.08.08(20) ちびさん2011.04.22(0.8)」となっている。   A子が龍琥ちゃんを出産した時は19歳、しかも父親は18歳だったのだ。  「自慢なこと」の欄には、「 支えてくれて助けてくれる身内がいること 守ってくれて傍にいてくれる家族がいること ほんっと私恵まれました 」と書かれている。   この時点では支えてくれる身内・家族がいたのだ。  そして、「好きな男性のタイプ」の欄には、この「旦那さん」に宛てたと思われるメッセージが書かれている。 \復活/ ki-chan since23.08.15 total=2年4ヶ月  なんだかんだ色々あったけど やっぱり大好きなんだな  次はない。許さない。 3人で仲良くやってく  頑張ってくださいねパパ  ところがその旦那とはすぐに別れてしまい、乳児を抱えたままキャバクラ勤めを再開したのである。  とはいえ、A子のブログを見ると2012年12月の時点で 龍琥ちゃんは保育園に入っていることが確認できる。   しかもA子の実家は近くにあったようで、子供を連れて頻繁に帰っているし、熱を出した時などは、救急病院に連れて行ってもらったりもしている。  確かに「恵まれました」と言っていい環境だったのである。  また、この時には別の「旦那」ができていて、「旦那ちゃん…素直に言えなかったけど隣にいてほしかったんです。ありがとうね大好きです」といった記述があり、やがて次男を妊娠している。  ブログは「りっくんの寝顔ぶちゃ可愛 ママの天使。宝物。」といった具合に、育児は大変だけど子供が可愛くてたまらないといったことが連日書かれていて、一見すると普通の若い子育てママのブログのようにも見える。  ところが、時々突然怒ってブチキレた記述が出てくる。   どうやら龍琥ちゃんの親権をめぐってもめていたようで、父親やその家族と思われる人々に対するものすごい罵詈雑言が書かれている。  
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!