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na85さん のコメント

 よしりん師範、木闌師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、今回も執筆・編集・配信、ありがとうございました。
 私は今まで何度かブログなどで文章を紹介していただきましたが、それでも絶対に舞い上がったり狂ったりはしないだろうと自負してきました。しかし、他のコメント者の支持を得て(承認を確認して)それを背景に私闘をやった私には、当欄の重要メンバーであるという慢心があったわけであり、しかもそれによって当欄の公を乱してしまいました。申し訳ありませんでした。

 今回の「ゴー宣」では、朝日新聞のポジションが反安倍から親安倍に変わった瞬間が非常によく解りました。いよいよ日本は翼賛体制に入ったようですね。アベノミクスとは外資が商売しやすくするための構造改革(TPP参加)とアリバイ作りとしての景気対策だったわけです。これをイケイケどんどんで側面支援しているのが現在の大マスコミなのですから、軍部を支持した大東亜戦争前の大マスコミと同じです。「わしズム」の日本統治論で紹介されたパラオのナカムラ大統領(当時)の言葉「経済の戦争は鉄砲を使った戦争よりももっと酷い」が身に染みてきます。降伏もできず永久占領状態が続き、文化も放擲させられ、民族の体をなさなくなるわけですから。
 今回「欧米では、メディア経営者は現職の政権トップとの接触を控えるのが不文律」だということを初めて知りました。不文律ということは、権力者との接触がばれれば今まで築き上げてきた一切の信用を失い、以後一流紙の座から滑り落ちるということでしょうか。メディアは権力から独立しているべきだという個人主義の矜持を感じさせます。日本では「みんなで(権力に)着けば怖くない」と横並びの集団主義を発揮し、全社が政府の広報紙に成り下がって大本営発表をやり始めるわけです。軍部のために「イケイケどんどん」と煽った反省を、朝日はこれまで口先だけでしていたことになります。
 小泉政権時代、構造改革に賛成か反対か、IQが高いか低いかで有権者をA層・B層・C層・D層という4象限に分けるマーケティング技術を使ったメディア戦略がありました。アベノミクス第三の矢・成長戦略がTPP参加とそのための地ならし(ISD対策=構造改革)であるからには、これは現在も生きているでしょう。A層(大企業・専門職)・B層(高齢者・若年層・主婦)が構造改革賛成ですが、間もなくリタイアの団塊世代が元C・元Dであっても雪崩を打ってB層に参入すると思われます。「年金さえ保障してくれるならば」と多くはアベノミクス賛成に回るのではないでしょうか。あの時「改革なくして回復なし」に騙された人は、今回も「まだ第4の矢があるさ」と騙されたフリをし、そして「自分の死後なら別にいいよ」とばかりにツケを将来世代に回すことになるでしょう。
 朝日が集団的自衛権でアリバイ作り的に批判記事を書いても安倍のダメージにならないという分析も全くその通りだと思います。集団的自衛権に関しては中国軍が東シナ海で側面支援してくれています。日本にはもっと米国に抱き着いてもらった方が中国の国益に適うからでしょう。個別的自衛権を強化(自主防衛)されるより米軍との一体化を進めてもらった方が、中国が軍事侵略する際に反撃の初動が遅れるからです。また日本にはTPPに参加してもらった方が国力が落ち、軍事侵略も人口侵略(TPP労働分野→年間20万人移民受け入れ政策)もしやすくなります。マスコミによる過剰な「人手不足」喧伝は、経済好調という安倍の応援であるとともに、中国の人口侵略を後押しするものとなるでしょう。

 さて、高円宮典子女王殿下と出雲大社禰宜・千家国麿氏の御婚約とは、「ザ・神様」にとってもタイムリーな展開ですね。出雲大社は、オオクニヌシがスセリとの駆け落ちの際にスサノオから「天にも届くような宮殿を建てて住め」と言われていた約束の神殿です。おそらく国土開発を優先していたため長い間建てられなかったのでしょう。天津神に国を譲る代わりの条件にそれを持ってくるとは何とも交渉上手です。TPP交渉でも、求む!オオクニヌシ級の交渉人ってとこでしょうか。
 「ウィキ直し!」には既に味方が現れているようですね。ウィキ執筆者は、著書についての論評を当該著書を読まずにやるという離れ業(笑)をするから、いちいち添削に骨が折れるわけですね。毎度お疲れ様です。医療に関しては製薬企業側が副作用の記述をウィキから削除しているという事実は本当に薄ら寒くなります。ウィキとはウソの塊だということが早く一般常識となる日が来なければいけません。
 今回Q&Aの鷲尾さんの質問とよしりん師範の回答を読んで涙が出ました。自らにとって死活問題であるはずのバラマキの恩恵をエゴではないかと真剣に悩まれた末の相談に、一言「小さなエゴは許される」。これほど優しさに溢れ、かつコンパクトに真実を言い当てた回答は無いと思いました。

 最後は自戒も込めて…

 支持率が高ければ何をやっても許されるわけではない na85
No.46
124ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第88号 2014.6.10発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…アベノミクスで雇用の改善が進んでいる!?「求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ」「景気回復で時給1500円でも人材を確保できない程の求人難」「ベア実施6倍 大手企業の46.7%」…これらトリックだらけ&詐欺同然の提灯記事を書いたのは、なんと“安倍政権打倒が社是”とまで言われた朝日新聞である!朝日を含むほぼ全マスコミが、既に政権の広報機関になり下がっている実態を直視せよ! ※「ザ・神様!」…『オレの国』を譲るわけにはいかないと、鼻息荒く、タケミカヅチに挑戦状を叩きつけたオオクニヌシの豪腕息子・タケミナカタ。国技・大相撲の発祥と言われるふたりの勝負!…が、しかし!寸前まで息巻いていたタケミナカタの悲鳴が響き渡る!!なにが起きた!? ※ウィキペディアの記事を徹底的に添削しちゃう大好評「よしりんウィキ直し!」。今週も「あたりまえ」が破壊し尽くされたウィキを見ていきます!「『天皇論追撃篇』(新天皇論)」、果たしてどこまで添削は進んだか!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」 2. しゃべらせてクリ!・第49回「新聞信じちゃいけましぇん!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第34回「強いぞ、タケミカヅチ!~すったもんだの天孫降臨 その7~」 4. よしりんウィキ直し!・第22回「ゴーマニズム宣言⑭:『天皇論追撃篇』(新天皇論)⑧」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」  新聞に、こんな内容の記事が載っていた。   アベノミクスによる景気回復で、雇用の改善が進んでいる!  有効求人倍率はバブル崩壊後の最高値に並んだ!  人手不足は都市圏に限らず全国に広がり、人材の奪い合いが起きている!  都心部では、時給1500円でも人が集まらないケースまで発生している!  人手不足は本格的な景気回復を告げる「福音」だが、さらなる経済成長を阻む不安要因となることも懸念される!  ……マトモな生活実感を持って暮らしている人なら「一体どこの世界の話だ!?」と思うだろう。事実、ちょっと検証すればこれはトリックだらけの、詐欺同然の記事だとすぐ判明する。  これが、最初から安倍政権の御用新聞だとわかっている読売新聞や産経新聞に載っていたのならまだわかる。   だが、この提灯記事が載ったのは5月31日の朝日新聞 。それも1面トップと2面の特集という大々的な扱いである!   朝日新聞を、安倍政権に対する批判勢力だなんて思わない方がいい。   朝日新聞は一応、集団的自衛権については批判しているが、景気対策ではデマまで駆使して強力に安倍政権を応援しているのだ。  政府は5月30日、4月の物価・生産・雇用等の統計を発表、朝日はこれを基に30日の夕刊で「 求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ 」という一報を載せた。  ただしこの記事はまだマシだった。「有効求人倍率が1倍を超える」というのは「 仕事を選ばなければ 全員が職に就ける状態」であると説明した上で、次のように書いていたのだ。  ただ、正社員を希望する人でみると、有効求人倍率(原数値)は0.61倍で前月を0.04ポイント下回った。求人は依然、非正規が中心となっている。このため、企業が出した求人のうち、実際に採用に結びついたのは2割にとどまった。   求人は非正規が中心で、正社員の有効求人倍率はわずか0.61倍!  本当はこれが重要なポイントなのだ。ところが、このことは翌日の1面トップと2面特集の大々的な記事からはスッポリ抜け落ち、「景気回復で求人難」という内容になっていた。   しかもその特集記事で、「時給1500円」という高額を提示しても人材を確保できない実例として登場するのが、なんと牛丼チェーンの「すき家」なのである!!  すき家はメニューが多く、券売機方式ではないため、ただでさえ他の牛丼チェーンよりも店員の作業が多い。  しかも人件費抑制と利益率増大のため店員は必要最低限の人数に抑えられ、深夜時間帯はアルバイト1名のみで1店舗を担当する「ワンオペ(ワンオペレーション)」という勤務を強いられる。  注文を受けた後、キッチンに入って盛りつけ、提供、会計、片付け、そして報告まで全部ひとりでこなさなければならないのだ。 「ワンオペ」は防犯上も問題で、すき家では2010年頃から強盗事件が多発。2011年には未遂も含めると78件と、牛丼チェーンの被害総数のうち9割近くを占めたという。  そしてこの上に今年2月、さらに手間のかかる「牛すき鍋定食」が発売となったことでついにキレたのか、バイトが一斉退職。  すき家では店員の確保ができずに休業に追い込まれる店舗が続出し、ニュースになった。  今ではすき家のバイトはあまりにも過酷だということは広く知れ渡っている。だから時給を1500円にしても人員が確保できないのだ。  もちろん朝日の記者がそれを知らないはずがない。実際、記事中では「 すき家は、深夜帯のアルバイトを一人で任されることもあり、負担が大きいと2月から4月にかけて人手不足が深刻化 」とも書いている。   朝日新聞は実態を知っていながら、それを「 景気回復によって求人難になり、待遇改善が図られた 」という記事にしたのだ。   有効求人倍率が「改善」し、企業が「求人難」になっているというのは、景気回復のためでも何でもない。   ブラック企業を含む求人側が、都合よくこき使えて使い捨てできる人材を大量に求めているからというだけのことだ。  朝日新聞は、安倍政権のために情報操作をしているのである。  朝日新聞の安倍政権提灯記事をもう一つ指摘しておこう。5月30日夕刊の記事「 アベ効果?ベア実施6倍 大手企業の46.7% 」である。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!