第88号 2014.6.10発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…アベノミクスで雇用の改善が進んでいる!?「求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ」「景気回復で時給1500円でも人材を確保できない程の求人難」「ベア実施6倍 大手企業の46.7%」…これらトリックだらけ&詐欺同然の提灯記事を書いたのは、なんと“安倍政権打倒が社是”とまで言われた朝日新聞である!朝日を含むほぼ全マスコミが、既に政権の広報機関になり下がっている実態を直視せよ!
※「ザ・神様!」…『オレの国』を譲るわけにはいかないと、鼻息荒く、タケミカヅチに挑戦状を叩きつけたオオクニヌシの豪腕息子・タケミナカタ。国技・大相撲の発祥と言われるふたりの勝負!…が、しかし!寸前まで息巻いていたタケミナカタの悲鳴が響き渡る!!なにが起きた!?
※ウィキペディアの記事を徹底的に添削しちゃう大好評「よしりんウィキ直し!」。今週も「あたりまえ」が破壊し尽くされたウィキを見ていきます!「『天皇論追撃篇』(新天皇論)」、果たしてどこまで添削は進んだか!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」
2. しゃべらせてクリ!・第49回「新聞信じちゃいけましぇん!の巻〈前編〉」
3. もくれんの「ザ・神様!」・第34回「強いぞ、タケミカヅチ!~すったもんだの天孫降臨 その7~」
4. よしりんウィキ直し!・第22回「ゴーマニズム宣言⑭:『天皇論追撃篇』(新天皇論)⑧」
5. Q&Aコーナー
6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
7. 読者から寄せられた感想・ご要望など
8. 編集後記
第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」 新聞に、こんな内容の記事が載っていた。
アベノミクスによる景気回復で、雇用の改善が進んでいる!
有効求人倍率はバブル崩壊後の最高値に並んだ!
人手不足は都市圏に限らず全国に広がり、人材の奪い合いが起きている!
都心部では、時給1500円でも人が集まらないケースまで発生している!
人手不足は本格的な景気回復を告げる「福音」だが、さらなる経済成長を阻む不安要因となることも懸念される!
……マトモな生活実感を持って暮らしている人なら「一体どこの世界の話だ!?」と思うだろう。事実、ちょっと検証すればこれはトリックだらけの、詐欺同然の記事だとすぐ判明する。
これが、最初から安倍政権の御用新聞だとわかっている読売新聞や産経新聞に載っていたのならまだわかる。
だが、この提灯記事が載ったのは5月31日の朝日新聞。それも1面トップと2面の特集という大々的な扱いである!
朝日新聞を、安倍政権に対する批判勢力だなんて思わない方がいい。
朝日新聞は一応、集団的自衛権については批判しているが、景気対策ではデマまで駆使して強力に安倍政権を応援しているのだ。
政府は5月30日、4月の物価・生産・雇用等の統計を発表、朝日はこれを基に30日の夕刊で「求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ」という一報を載せた。
ただしこの記事はまだマシだった。「有効求人倍率が1倍を超える」というのは「仕事を選ばなければ全員が職に就ける状態」であると説明した上で、次のように書いていたのだ。
ただ、正社員を希望する人でみると、有効求人倍率(原数値)は0.61倍で前月を0.04ポイント下回った。求人は依然、非正規が中心となっている。このため、企業が出した求人のうち、実際に採用に結びついたのは2割にとどまった。
求人は非正規が中心で、正社員の有効求人倍率はわずか0.61倍!
本当はこれが重要なポイントなのだ。ところが、このことは翌日の1面トップと2面特集の大々的な記事からはスッポリ抜け落ち、「景気回復で求人難」という内容になっていた。
しかもその特集記事で、「時給1500円」という高額を提示しても人材を確保できない実例として登場するのが、なんと牛丼チェーンの「すき家」なのである!!
すき家はメニューが多く、券売機方式ではないため、ただでさえ他の牛丼チェーンよりも店員の作業が多い。
しかも人件費抑制と利益率増大のため店員は必要最低限の人数に抑えられ、深夜時間帯はアルバイト1名のみで1店舗を担当する「ワンオペ(ワンオペレーション)」という勤務を強いられる。
注文を受けた後、キッチンに入って盛りつけ、提供、会計、片付け、そして報告まで全部ひとりでこなさなければならないのだ。
「ワンオペ」は防犯上も問題で、すき家では2010年頃から強盗事件が多発。2011年には未遂も含めると78件と、牛丼チェーンの被害総数のうち9割近くを占めたという。
そしてこの上に今年2月、さらに手間のかかる「牛すき鍋定食」が発売となったことでついにキレたのか、バイトが一斉退職。
すき家では店員の確保ができずに休業に追い込まれる店舗が続出し、ニュースになった。
今ではすき家のバイトはあまりにも過酷だということは広く知れ渡っている。だから時給を1500円にしても人員が確保できないのだ。
もちろん朝日の記者がそれを知らないはずがない。実際、記事中では「すき家は、深夜帯のアルバイトを一人で任されることもあり、負担が大きいと2月から4月にかけて人手不足が深刻化」とも書いている。
朝日新聞は実態を知っていながら、それを「景気回復によって求人難になり、待遇改善が図られた」という記事にしたのだ。
有効求人倍率が「改善」し、企業が「求人難」になっているというのは、景気回復のためでも何でもない。
ブラック企業を含む求人側が、都合よくこき使えて使い捨てできる人材を大量に求めているからというだけのことだ。
朝日新聞は、安倍政権のために情報操作をしているのである。
朝日新聞の安倍政権提灯記事をもう一つ指摘しておこう。5月30日夕刊の記事「アベ効果?ベア実施6倍 大手企業の46.7%」である。
コメント
コメントを書く>>109
叢叡世さん。
「W杯を見ない人はKY」と言う空気は、マスコミの中に
瀰漫(びまん)していますね。
ただスポーツに興味があるだけで、たまたまサッカーには興味がない
人まで悪人扱いされる圧力には息苦しさを感じます。
(すでに世間の空気が反映されて)毒気を抜かれたマンガを
わざわざ列挙して、国民に媚びを売ってすり寄って、
表現を規制しようとする政治家を誰も批判できないのと
一緒ですよね。恐ろしくもあります。
>>110
諫議大夫さん。
理由は簡単ですよ。
イケメン揃いだからです。
而も背も高いし、お洒落ですし、技術があるし、爽やかでそして謙虚リズムで何一つ文句のつけようがありません。
背の低くてイケメンじゃない選手もいますが、スポンサーのウケがよろしいからです。
生きているだけで広告収入がある人達揃いです。
逆にテレビ放映を失った総合挌闘技なんか全滅ですよ。
背は低いし、ガラも悪いし、技術は漬け込むだけで試合は面白く無い、内輪しか受けないような言葉しか発しないし、顔もイケメンじゃないのばかりで、そしてスポンサーのウケも悪いのばかり。
W杯と時同じくしてUFCの試合もあったようですが、日本人選手も参戦していたのですが誰も注目しなくなりました。
世間はイケメン中心に回っていると言っても過言ではないでしょう。
米国に媚を売るために集団的自衛権を閣議決定で
行使しようとする安倍政権に媚を売るために
提灯記事を書くマスコミと、媚の連鎖に溜息が
出ます。安倍政権もマスコミも媚を売るのに必死
なのは自分の足で立ったこともなく何かに
寄りかかって生きてきたことを如実に表してる
ように思いました。
相変わらず乱雑なネトウヨ男系固執者の文章に
辟易なところで、トッキーさん以外に突っ込んで
る人がいる事に少し気持ちが安らぎました。
「努力は必ず報われる」は漫画やアニメだと
結果が伴うもの前提でよく使われていて、
それを目にする度に疑問が浮かんでいたのですが、
よしりん先生の言葉にあっさり腑に落ちました。
昔、新聞は栄養豊富な弁当みたいなものだと
のたもうた新聞社の役員がいましたが、
僕にとってはよしりん先生の言葉こそ栄養豊富な
料理です。
集団的自衛権には反対だけど限定的なら賛成という意見。
朝三暮四ということわざを思い出します。
皆これを知らないのだろうか。そういえばかなり前から耳にしなくなったけれど。
W杯がここまで世間をにぎわせているのには違和感があります。そもそも、五輪といい、W杯といい、現在の日本人は「四年に一度の世界競技会」に異常に、そして闇雲にありがたがっている傾向がありすぎるのではないのかと思います。現場の選手や監督、指導者にとっては現役期間が短いために「4年に一度」は長く厳しい練習と試合の繰り返しによる結果として相当の精神的圧迫感を強いられ、相当な大義を背負うことになると思いますが、無関係な群衆や報道機関、一部芸人によるお祭り騒ぎの材料としては異常なのではないのかと思います。
果たして、負けても目出度く騒ぐ群衆の姿を見て選手や監督は嬉しいのでしょうか?
小林師範のブログで書かれる慰安婦問題の発端と経歴をみて、思い出したのですが、かつて、Amazon の「天皇論」と「昭和天皇論」のレビュー欄を荒していた極左と思わしき人が書いた内容(現在では削除されています)の中に「『中国の旅』や『私の戦争犯罪(注:詐話師、吉田清治の従軍慰安婦問題発端の書)』を仲間たちと広めていた」という内容が書き込まれていて、おなじ内容に「いまでは同じ仲間たちと保守派(注:媚米自称保守)の講演会に行って熱烈に応援し、著書の購買運動に熱を費やし、運動にも積極的に参加して安倍政権を応援している」という意味の内容も書き込まれていました。
今、従軍慰安婦問題が日本国内では一昔前に比べて驚くほどに静まった反面、韓国とのこれまでにないほどに不仲なり、中共との緊張関係も高まり、さらには国民があまり関心を示していないにも拘らず、媚米自称保守派の言論や安倍政権が異常に強くなってきた背景には極左活動家による工作が深く関係しているのではないのかと十分に考えられます。
もし、極左の工作が現在の媚米自称保守派や政権の動きに関わっていることが本当であり、世間にもこの認識が広まるのであれば、亡国に対する危機感を少しは高めて最低の結末を回避できる可能性が高まるのではないのかと思います。
実際、戦後でも極左過激派は一般人の支援を得られなかったために壊滅してしまったわけですから、極左の工作に対して国民の支援を失えば、極左に支援された自称保守や安倍政権も同じく支援を失い、最悪の計画を実施せずに終わる可能性も高まるのではと思うのです。
戦前も近衛政権時代には同じく支那大陸における緊張感が高まり、支那事変が泥沼化して大東亜戦争へと突き進んでいった背景には尾崎秀美を含む共産主義コミンテルンによる工作が日米、そして支那大陸間で行われ、日本がその工作に危機感を抱いたのが近衛上奏文が天皇陛下に出された昭和19年と、あまりにも遅すぎた時期でもありました。
極左による工作が関わっていると解れば、戦争の結末の変わっていたのではと思います。
極左と思わしき人のレビュー欄における書き込み 「昭和天皇論」と「天皇論」のレビューに注目↓
http://megalodon.jp/2014-0222-1027-23/www.amazon.co.jp/gp/cdp/member-reviews/AGLBELK6UUSL/ref=cm_pdp_rev_all?ie=UTF8&sort_by=MostRecentReview
>>115:magomeさん
エキセントリックな極左の活動は支持を得られませんでしたが、現在のホシュを偽装した極左の主張は一定の支持を得られているようです。現状維持ニヒリズムが働いているからです。今まで通り外交・安保はアメリカ様に頼っていれば何とかなるんじゃねーの?という、高度成長からのバブル思考の人々が現代日本の人口の大多数を占める団塊世代だからです。ある程度気づいた人も、「少なくとも自分が生きている間だけ何とかなればいい」という考えなのかもしれません。
そんな時代の空気に逆らわない日本魂が今も昔も元凶だと思われます。戦前のイケイケどんどん時代の日本魂は、「この戦争、勝てないんじゃないか?」と気づいた人も、「非国民にだけはなるまい」という空気に逆らえませんでした。現在「アベノミクスが失敗するかも」と気づいている人も同じように日本魂に曝露してバックレるでしょう。
>>114
W杯や五輪はローマ皇帝が市民に与える「パンとサーカス」です。パンの方はアベノミクス失敗で陰りが見えてきましたが、サーカスのほうはマスコミ総動員で盛り上げ、一緒に盛り上がらない奴は非国民だと罵るわけです。パンの消失(アベノミクス失敗)からのTPPもマスコミ総動員で誤魔化そうとしています。そのうち大破局が訪れたら、戦争時のような他国による大破壊・大殺戮が無い代わりに、おそらく何者かに煽られた革命騒ぎが起こるでしょう。その時には他国からの進駐の理由も正当化されます。戦前よりも劣化した日本魂に犯されている人は、人民解放軍が侵入してきても渋谷でハイタッチするのでしょう。
この日本で空気に逆らえる人は「千万人と言えども我行かん」の人だろう na85
ちなみに、42回道場の語らいタイムで読まれたアンケートの中で、江戸推ししていた人は私ではありません。私のは、笹師範に読んでいただいている途中で「長いな」と苦情を言われたヤツです(笑)
江戸が100%のユートピアだとは、さすがに思いませんよ na85
>>117 na85さん 二つのコメントに対する返信ありがとうございます。虚無主義のたちの悪い所は誠意をもって励んでいる人に対する嫉妬や僻みを生じさせ、自分と同じ立場に陥れようとする一種の平等主義と承認主義が合わさった行動を取ることがとても多いのです。
そして、さらにたちが悪いことに団塊世代の人々は極左過激派が最も活躍した時代に若い世代を過ごしてきた人々でもあるのです。あれだけ好き勝手自分が、もしくは過激派のあいつらがやっていても何事もなかったんだからあの時代より大人しくなった現在は尚更大丈夫だろうと思い込んでいる人が本当に多いのです。実際は作戦を変えただけであの時代よりさらに状況は悪くなっているともいえるのですが。
高度経済成長もバブルも人口年齢構成から成る結果であって自分たちの力ではなかったことも「デフレの正体」を見れば明らかなんですが、虚無主義となるといくら正確に言葉を表しても聞き入れようとせず、無理やりにでも少子高齢化と一緒くたにして話を終わらせようとします。
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく、無関心」と述べましたが、このニヒリズムである虚無主義こそ、「無関心」を上回る罪状なのではないのかと思います。なぜならニヒリズムは知っていても「無関心」を装うほどの確信犯としての行動だからです。
「知らないことは恥ではなく、知ろうとしないことが恥なのである」はニヒリズムを表しているのであり、ニヒリズムが大半を示していた戦時下の日本と、現在の日本は国家ぐるみでニヒリズムという「罪」と「恥」を晒しているということになるのだと思いました。そして、そのような人に限って他人の責任はとことんまで攻める一方で自分の責任を決定的な証拠を残したとしても誤魔化してなかったことにしようとするわけです。
もともと、都合が悪ければバックれればいいという発想自体、「嫌韓派」の言う「韓国人の行動」そのものなんですけどね。
サーカスというよりは一種の麻薬でしょうね。競技に対して興味もないくせにニヒリズムに耽っている自分に耐えられず、寂しさをごまかすためにつまらない空気に流されるさまは見ていて気持ちが悪くなります。五輪でも同じような醜態を見せるのだと思うとさっさと五輪を止めてほしいと思えてなりません。このようなさまを見れば人民解放軍も同じ空気を作らせて日本魂を最大限にまで利用し、戦後の占領下と同じく、媚中行動による「ハイタッチ」が所々で見られるでしょう。
「(マッカーサー様ではなく)人民解放軍様の子供を産みたい」と叫ぶ集団が現れる日も近い?
>>118 笹師範が苦情する部分、拝見いたしました(笑)どうやら道場ではライジングのような長文コメントは敬遠される傾向にあるようですね。
江戸推しですが、日本人の今の価値観や伝統の大半は江戸時代の中期以降にできたものだそうです。
故に近代化による高度経済成長が政策として実施するにも人口構成からして不可能となった現在では、江戸時代は、先祖の知恵を授かり、未来に生かすという点ではどの時代よりも大いに重要になってくることは間違いありません。
その一方で虚無主義などのニヒリズムや日本魂は明治時代の中期以降から急速に広まったものだと聞いたことがあります。もし、これが本当ならば「大東亜論」と「保守も知らない靖国神社」は尚更、重要な書物となってくると思います。
そもそも、ユートピアは現実を皮肉り、相対化するために作られた、空想上の存在しない理想郷の事で現実に存在し続けた江戸時代とは全くの対照的な存在だと断言します。
しかし、笹師範が途中で止めちゃったのは惜しかったなー。なんて書いてあったんだろ?
配信が待ち遠しくて、書きこみw
大本営発表ばっかで、他のメディアはつまらないんですよ。
「首相、強い意向を示す」って、耳にタコでw
あんたの会社の倫理観はないのか?って、マスコミ各社に言いたくなっちまう。
次はどんなテーマのゴー宣かな?
あー待てない。(笑)
今日、休みなもんでw