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magomeさん のコメント

 今週も配信、ありがとうございます。どんなにへとへとに疲れていてもライジングだけは欠かさず配信されてすぐに読み通してしまいます。もっとも、いまだに「1番」が取れていませんが。
 安倍第二次内閣が発足してからはネットニュースでも安倍氏を絶賛する記事が相次いでいましたが、いったい何をそんなに絶賛しているのか気色悪くて仕方がありませんでした。最も、同じ絶賛記事でも第一次安倍内閣までは安倍氏が河野談話を踏襲すると述べたときには産経新聞が消沈気味であった一方、朝日新聞が大々的に報じるなど、新聞社によってはいろんな角度から内閣の政策を絶賛していたり批判していたりしていたのですが、今回のライジングを読んで、すべての新聞社が同じ視点から同じ意見による同じ方法で絶賛する内容を書き込んでいるところに、報道機関の完全なる衰退を目の当たりにしたと思います。どの報道機関も安倍内閣の政策に同じ姿勢で報道しているのです。
 朝日新聞は一見反米のように見えますが、以前から米国を中心とする反捕鯨勢力に反対姿勢に好意的で調査捕鯨に対しても反対意見を積極的に乗せたり、大東亜戦争でも日本軍を批判する一方で米軍を好意的に書く姿勢が見られたことから朝日新聞が安倍内閣に対して如何なる状況になっても批判的な姿勢を保てるという期待はとても考えられませんでした。この感想は毎日新聞に対しても同じ感想を持ち合わせていました。朝日新聞がTPPを容認する姿勢を見せていたことからも安倍内閣に対して強い批判はできないと以前から思っていましたし、今回、小林師範が取り上げた朝日新聞の記事を読んでもあまり驚きませんでした。
 しかしながら、今回の記事自体に全く驚かなかったというわけではなく、安倍氏が大手報道機関の代表ほぼ全員と会食し、手中に収めていたことには驚きを通して、我が國の報道機関の脆さと無防備さ、そして不用心さには怒りを通り越して完全に呆れ果ててしまいました。欧米では報道機関の代表が政府と会食すること自体が報道機関としてやってはいけない事であるとされていると今回のライジングでも述べておられましたが、こんな体たらくな日本の報道機関を見て、欧米の報道機関は日本の報道機関をどのような目で見ているのでしょうか?恐らくは日本の報道機関も北朝鮮や中国共産党の報道機関と同じ体制に近づいてきていると警戒感を高めるのではないのでしょうか。
 特定秘密保護法が半年後に執行されるまえに、報道機関は少しでも安倍内閣に抵抗の姿勢を見せるのではと期待していましたが、もはや特定秘密保護法を受け入れることを前提にしていることが今回のライジングの記事で明らかにされてしまったように思います。報道機関による報道姿勢が政府の報道機関一色になれば新聞やテレビはますます差別化がなくなり、販売部数も視聴率もさらに落ちてしまうという危機感すら今の報道機関にはないのだと思うと、もう、ネットではすら報道を真剣に読まなくなると思います。これで特定秘密保護法が執行されてしまえば地方新聞はもちろんのこと、週刊誌すら大手新聞社や放送局と大差ない報道姿勢になってしまい、出版会も放送局も視聴率や売る上げ部数がますます乏しくなり、合併や倒産を繰り返した挙句に北朝鮮のように、報道機関は一社だけということになりかねません。
 非正規会社の雇用率についてですが、この数字は一見高いようですが実際には派遣会社に登録されているだけで実際は派遣先がないために派遣元から給料が支払われていない場合も多く、雇用率が高いからと言って給料がちゃんと支払われているわけではありません。また、派遣先でも派遣元への報告などの手続きが多く、正規社員に比べて雑用が多いことや正規社員と違って残業の証拠を残させないなど、利用するだけ利用しようとする姿勢が丸見えでさらには派遣元で従業すると2カ月以降に社会保険が支払われることから社会保険が支払われるギリギリまで利用して解雇するなど、派遣元も派遣先も従業員を取り換えの効く部品のように扱おうとします。自給にしてもほとんどの場合は労働時間を短くさせた上で支払われるので時給1500円も実質は手取り自給は1000円ほどと見たほうがいいということです。よって、給料も実際に残る手取りを証明する必要があり、一度でも働いたことがあれば給料事態を報じてもだれも見向きもしないと思います。
 もともと、報道機関に権力と戦う姿勢が整っていたのか以前から疑問に思っていましたが、今回のライジングでとうとう、報道機関が自分と自分の所属している組織の可愛さあまりに権力に阿る私利私欲の塊であったことが明らかにされてしまい、これでもうすべての報道機関は戦中の日本はおろか、中国や北朝鮮すらも批判する資格がなくなったと思います。こんな報道機関の中から優秀な取材者は果たして育っていくのかと思うと、報道機関に多かれ少なかれ日常で触れることになる我々にとっては不安でなりません。
 「ウィキ直し」はますます、面白くなってきましたね。ウィキペディアの医療関係記事の9割が間違いという報道には思い当たることが結構あります。しかし、もっと情けないのはウィキペディアから引用した内容にまったく反論できない自称保守派の論壇で活躍する評論家がいるということです。これまでは論争をするときに、ウィキペディアを証拠として出す人は間違いなく、反論できなくなった人だったのですが、この某評論家は日本の皇室における男系、女系について論争しているときに、欧州の王家が側室なしで男系が続いているという例を出したので、ウィキペディアで男系が続いていることこと自体が例外と証拠を出したら、そのウィキペディアの内容にすらまったく反論できませんでした。
 ウィキペディア自体は問題が大有りで、ネットの落書き程度の内容と認識していくことが大事であることは時浦師範代の「ウィキ直し」からして明らかなのですが、このウィキペディアの内容にすら反論できないほどに知識が乏しい評論家が自称保守の論壇で活躍していること自体、自称保守の論壇は限りないところまで陳腐化し、劣化していると思えてなりません。こんな輩が活躍する論壇が安倍内閣を支援しているのであれば安倍内閣は建国以来、もっとも危うい内閣であると思います。
No.66
124ヶ月前
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第88号 2014.6.10発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…アベノミクスで雇用の改善が進んでいる!?「求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ」「景気回復で時給1500円でも人材を確保できない程の求人難」「ベア実施6倍 大手企業の46.7%」…これらトリックだらけ&詐欺同然の提灯記事を書いたのは、なんと“安倍政権打倒が社是”とまで言われた朝日新聞である!朝日を含むほぼ全マスコミが、既に政権の広報機関になり下がっている実態を直視せよ! ※「ザ・神様!」…『オレの国』を譲るわけにはいかないと、鼻息荒く、タケミカヅチに挑戦状を叩きつけたオオクニヌシの豪腕息子・タケミナカタ。国技・大相撲の発祥と言われるふたりの勝負!…が、しかし!寸前まで息巻いていたタケミナカタの悲鳴が響き渡る!!なにが起きた!? ※ウィキペディアの記事を徹底的に添削しちゃう大好評「よしりんウィキ直し!」。今週も「あたりまえ」が破壊し尽くされたウィキを見ていきます!「『天皇論追撃篇』(新天皇論)」、果たしてどこまで添削は進んだか!? 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」 2. しゃべらせてクリ!・第49回「新聞信じちゃいけましぇん!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第34回「強いぞ、タケミカヅチ!~すったもんだの天孫降臨 その7~」 4. よしりんウィキ直し!・第22回「ゴーマニズム宣言⑭:『天皇論追撃篇』(新天皇論)⑧」 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第89回「安倍政権と大マスコミの癒着」  新聞に、こんな内容の記事が載っていた。   アベノミクスによる景気回復で、雇用の改善が進んでいる!  有効求人倍率はバブル崩壊後の最高値に並んだ!  人手不足は都市圏に限らず全国に広がり、人材の奪い合いが起きている!  都心部では、時給1500円でも人が集まらないケースまで発生している!  人手不足は本格的な景気回復を告げる「福音」だが、さらなる経済成長を阻む不安要因となることも懸念される!  ……マトモな生活実感を持って暮らしている人なら「一体どこの世界の話だ!?」と思うだろう。事実、ちょっと検証すればこれはトリックだらけの、詐欺同然の記事だとすぐ判明する。  これが、最初から安倍政権の御用新聞だとわかっている読売新聞や産経新聞に載っていたのならまだわかる。   だが、この提灯記事が載ったのは5月31日の朝日新聞 。それも1面トップと2面の特集という大々的な扱いである!   朝日新聞を、安倍政権に対する批判勢力だなんて思わない方がいい。   朝日新聞は一応、集団的自衛権については批判しているが、景気対策ではデマまで駆使して強力に安倍政権を応援しているのだ。  政府は5月30日、4月の物価・生産・雇用等の統計を発表、朝日はこれを基に30日の夕刊で「 求人倍率さらに改善1.08倍 4月バブル後最高に並ぶ 」という一報を載せた。  ただしこの記事はまだマシだった。「有効求人倍率が1倍を超える」というのは「 仕事を選ばなければ 全員が職に就ける状態」であると説明した上で、次のように書いていたのだ。  ただ、正社員を希望する人でみると、有効求人倍率(原数値)は0.61倍で前月を0.04ポイント下回った。求人は依然、非正規が中心となっている。このため、企業が出した求人のうち、実際に採用に結びついたのは2割にとどまった。   求人は非正規が中心で、正社員の有効求人倍率はわずか0.61倍!  本当はこれが重要なポイントなのだ。ところが、このことは翌日の1面トップと2面特集の大々的な記事からはスッポリ抜け落ち、「景気回復で求人難」という内容になっていた。   しかもその特集記事で、「時給1500円」という高額を提示しても人材を確保できない実例として登場するのが、なんと牛丼チェーンの「すき家」なのである!!  すき家はメニューが多く、券売機方式ではないため、ただでさえ他の牛丼チェーンよりも店員の作業が多い。  しかも人件費抑制と利益率増大のため店員は必要最低限の人数に抑えられ、深夜時間帯はアルバイト1名のみで1店舗を担当する「ワンオペ(ワンオペレーション)」という勤務を強いられる。  注文を受けた後、キッチンに入って盛りつけ、提供、会計、片付け、そして報告まで全部ひとりでこなさなければならないのだ。 「ワンオペ」は防犯上も問題で、すき家では2010年頃から強盗事件が多発。2011年には未遂も含めると78件と、牛丼チェーンの被害総数のうち9割近くを占めたという。  そしてこの上に今年2月、さらに手間のかかる「牛すき鍋定食」が発売となったことでついにキレたのか、バイトが一斉退職。  すき家では店員の確保ができずに休業に追い込まれる店舗が続出し、ニュースになった。  今ではすき家のバイトはあまりにも過酷だということは広く知れ渡っている。だから時給を1500円にしても人員が確保できないのだ。  もちろん朝日の記者がそれを知らないはずがない。実際、記事中では「 すき家は、深夜帯のアルバイトを一人で任されることもあり、負担が大きいと2月から4月にかけて人手不足が深刻化 」とも書いている。   朝日新聞は実態を知っていながら、それを「 景気回復によって求人難になり、待遇改善が図られた 」という記事にしたのだ。   有効求人倍率が「改善」し、企業が「求人難」になっているというのは、景気回復のためでも何でもない。   ブラック企業を含む求人側が、都合よくこき使えて使い捨てできる人材を大量に求めているからというだけのことだ。  朝日新聞は、安倍政権のために情報操作をしているのである。  朝日新聞の安倍政権提灯記事をもう一つ指摘しておこう。5月30日夕刊の記事「 アベ効果?ベア実施6倍 大手企業の46.7% 」である。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!