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magomeさん のコメント

岸端編集長、小林師範、泉美師範、時浦師範代、今週も配信お疲れ様です。まず、泉美師範、帯状疱疹をお見舞い申し上げます。どうか御身体を御大事に。
 「ザ・神様」のサルタヒコの最期はなんとも漁師らしい最後だなと思えてなりませんでした。漁師の歴史をみると、不漁の後に大物を見つけると後先考えずに獲物となる大物を追いかけて大時化や台風に遭遇するか潮流に流されて遭難してしまうのです。サルタヒコにとってこのオオシャコガイもめったに見られない大物と写ったことは想像に難くなく、たとえ過去にオオシャコガイを獲った経験があってもめったに現れぬ大物の魅力に負けて初歩的な間違いを犯して遭難してしまったのでしょう。捕鯨史でも魅力的な大物のために遭難した事件がありまして、それは明治11年に和歌山県の太地で起こった遭難事故で、幕末に米国の捕鯨船によって鯨が獲りつくされてしまったために捕鯨基地でもあった太地では長らく不況に悩まされていたのですが、ちょうどその時に高値で売れる魅力的な大物、セミクジラが来遊し、これを発見して捕鯨従事者が総出で狩りに出るのですが不漁による技量の低さで初歩的な間違いが相次いだ挙句、時化に遭遇し捕鯨従事者100名余が遭難。ここに江戸時代以来続いた古式捕鯨が終焉を迎えることとなってしまったわけです。鼻が固くなったサルタヒコの最期と似ていると思うのですがどこか違いますか?
 あと、10年ほど前に伊勢神宮を訪れたときに、ちょうど成人の日だったので結構満員で私もお手洗いを見つけるのに苦労したのを覚えています。干支が申なのですが、そのとき、偶然にも猿田彦神社を発見し、急いで参拝した後に御手洗いを発見して助かったという思い出があります。なにしろ、伊勢神宮は神秘さを内腔で感じ取る一方でおかげ横丁でたらふく食べる所でもあるので午前中はかまぼこや伊勢うどんをはしごした後、あかふくをはしごするという食べ盛りだった私でも胃袋がはちきれんばかりに午前中は堪能したので午後に参拝した猿田彦神社はそれだけに有難い存在でもありました。もちろん、御手洗いがあったからというわけではないですよ。干支つながりの神社を偶然発見したというめぐりあわせに感謝しているということです。楽しい旅行の思い出を思い出させていただきありがとうございます。
 私、実は家にテレビがないので「花子とアン」も小林師範が取り上げるまでまったく知らなかったのです。よって「花子とアン」は今まで一度も見たことがないので、今回はライジングの感想はそれほど書くことはないと題名を読んで思ったのですが、明治から大正、昭和にかけての女性と男性、そして身分の立場を簡素に解りやすく書いてくれたことで、いくつか感想を思い浮かべることとなりました。まず、皇族や華族は決められた人しか結婚できずに姦通罪は女性に適用される一方で男性には適用されないといういま考えれば理不尽な法で、当時の女性でも飛行機の操縦員がいたりしましたが、男性と同じ職業に就くのにどれほどの苦労があったのかと思うと、柳原白蓮の苦労も計り知れないものであったことは想像に難くありません。その一方で男性にも重い責任が伸し掛かっていたことからも大半の男性がその重い責任に耐えられずに白蓮のように自由の中に生きる女性を嫌い、当たり散らした一方でそんな白蓮を真に愛し、あえて姦通罪も適用させずに汚名まで被り続けた炭鉱王に明治、大正、昭和を生きた大物を見た気がします。
 私の曾祖父も静岡から小学校を出て上京して塗装の見習い職人から東京で塗装業を営む会社の経営者にまで上り詰めたのですが、妾をかこっていました。ただし、妾だからと言って途中で追い出すことはせずに晩年はその妾と結婚してその妾が最後まで食べていけるように面倒を見続けました。また、知人の祖父も明治に生まれ育ち、妾を3人持っていましたが全員に子供を作らせず、全員を経済的に自立させるまで面倒を見ていたということです。戦前も酷い男性は多かったと思いますが、伝右衛門や家の曾祖父らを見ていると、その時代における女性に対する愛情というものが見て取れます。その一方で現在の男性陣、特に女性宮家や皇室の女系公認を反対している輩には伝右衛門や家の曾祖父のように、たとえどんなに苦しい状況でも妾を最後まで面倒を見て、惚れた女が着せた汚名を一生被り続けるという覚悟を持っているのか?あるいはこれら輩の周囲の男性にいるのか?一度は問いかけてみたいです。
 白蓮の晩年の姿は嘗ての自由な行動は見られず、どちらかというと自身の心の支えをなくして心身ともにかなり消耗していたのではないのかと思いました。なぜなら、終戦の4日前に学徒出陣で陸軍に在籍していた白蓮の一人息子の香織が敵の爆撃によって戦死してしまっているからなのです。なんでも白蓮はこの戦死の知らせを信じられずに、戦死が現実のものとわかると一瞬で髪が真っ白になったと言われています。恐らくは息子の死が白蓮にとってかなり精神的な負担と心に大きな穴をあけたのだと思います。その大きな穴を突いて皇太子様ご成婚反対運動に担ぎ出された形となったのでしょう。強い虚無感と損失感は心に大きな穴をあけ、時には自分のかつての遺志とは正反対の行動を取ってしまうことがしばしばあるらしく、白蓮にもこのような傾向があるように思われます。息子の戦死と白蓮の心境や家庭環境がどのようなものであったか知りませんし、どこまでが事実なのかもわかりません。それに白蓮が息子をどれほど大事にしていたのかは知りませんが、髪が真っ白なるほどの負担が事実であるならば10年~20年で消えるものではないと思いますので。
 そんな白蓮に対しての反論を行った荒原朴水ですが、これほどまでの堂々とした演説には右翼、左翼を通り越して男子としてかっこよさというか風格が見られます。読んでいるだけで空虚な白蓮の暴言が中身のない幼稚な内容に見えてきて、まさに幼稚な児童の反抗を嗜める大人の姿に見えます。この演説、録音していなかったのが残念でありますが、極左工作員の走狗となってしまった自称保守やネトウヨの一度でいいからこの演説を聞いてほしいと思います。最も、これら輩には聞く耳など端から持っていないでしょうが。我が國における右翼が荒原朴水とその指定ならば私だって右翼と名乗りたくなります。しかし、いまは保守と同じく右翼を自称する輩ばかりで荒原朴水のような右翼になかなか接する機会がないのが誠に残念な世の中になっていると思えてなりません。

國を愛するためにもなにが左翼でなにが右翼かいい加減はっきりしてほしい。
No.39
126ヶ月前
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第94号 2014.7.22発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、よしりんの心を揺さぶった“娯楽の数々”を紹介する「カルチャークラブ」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、珍妙な商品が盛り沢山(!?)の『おぼっちゃまくん』キャラクターグッズを紹介する「茶魔ちゃま秘宝館」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」、秘書によるよしりん観察記「今週のよしりん」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…今、NHK連続小説ドラマ『花子とアン』で話題の柳原白蓮。華族(当時)であった白蓮が起こした“世紀のスキャンダル”の真実とは?さらに、もう一つの史実を紹介しておかなければならない。それは昭和33年(1958)、美智子皇后陛下が皇太子妃になる際、猛反対を唱えて妨害工作に奔走したのが白蓮だったのである!その理由とは? ※「ザ・神様!」…アマテラスから三種の神器を受け継ぎ、筑紫の日向の国の高千穂の峰へと降り立った天孫ニニギノミコト。この天孫降臨の最中、ある一つのラブストーリーが誕生!…がしかし、その愛の行方には思いがけない悲劇が待っていた!? ※『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて、一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」へきゃきゃーっしゅ!ついに夏休み突入ぶぁ~い!ということで、今回は特別企画!第1回からのMVP作品、20作をどと~んと紹介しちゃいましゅ!秀逸な作品群、爆笑の連続ぶぁい!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第95回「柳原白蓮が美智子妃ご婚約に反対した理由」 2. しゃべらせてクリ!・特別企画「MVP作品特集!」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第37回「その愛の行方 ~サルタヒコとアメノウズメ~」 4. Q&Aコーナー 5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 6. 読者から寄せられた感想・ご要望など 7. 編集後記 【生放送予定】 http://live.nicovideo.jp/watch/lv185971058   明日23日(水)20時 から 「よしりんに、きいてみよっ!」 を生放送予定!   テーマ 『保守も知らない靖国神社』 〈よしりん談〉 『保守も知らない靖国神社』 (ベスト新書)について、泉美さんの感想を聞いて、話したいと思います。  靖国神社にとって、この新書は決して都合のいいものではないとも思っています。  靖国神社にとっては、安倍首相が参拝して話題にさえなれば、参拝客が増えるのだから、「不戦の誓い」だろうと「慰霊」だろうと何だっていいやと思ってるのかもしれません。  田母神俊雄氏が、 保守の条件は「靖国参拝」 と文芸春秋で答えていましたが、果たしてそうでしょうか?   わしは「保守の条件」とまでは言えないと思っています 。  その理由も、生放送で話しましょう。  しかし、ネトウヨ連中は『保守も知らない靖国神社』を読めるのでしょうか? 「保守も知らない」ってどういう意味だろう?  知らなきゃいけない知識があるのだろうか?  8月15日になったら、お祭り騒ぎで行ってる場所だから、知らないことがあったら恥ずかしいので、知っておこうとか考えるのだろうか?  それは当然、「みんなで参拝すれば恐くない会」なんて作って、ぞろぞろ自民党の政治家が参拝してるのを見ても、思うことです。嘘や誤魔化しを放置して、国家が守れるとは思いません。  考えることは色々あるけど、横道にそれてアホ話になってもいいや。  ネットの生放送は楽しく、くだけてないとダメだね。 第95回「柳原白蓮が美智子妃ご婚約に反対した理由」  NHKの連続テレビ小説『花子とアン』では先週、仲間由紀恵演じる蓮子が美輪明宏の『愛の賛歌』をBGMに駆け落ちした。  今後、ドラマではどのように描かれていくかわからないが、今回はまず、そのモデルとなった史実を簡単に紹介しよう。  蓮子のモデルは「大正三大美人」のひとりと謳われた歌人・ 柳原白蓮 (やなぎわら・びゃくれん)、本名・ 燁子 (あきこ)。華族の名門・柳原家の出身で、父は伯爵・柳原前光(さきみつ)、母は妾の芸妓であった。  父の妹・柳原愛子(なるこ)は明治天皇の側室で、大正天皇の生母であり、燁子は大正天皇の従妹にあたる。  15歳で遠縁の北小路家の7歳年上の跡取りと結婚、翌年長男を出産するが、望まない結婚であった上に、夫が粗暴であったことなどから、20歳の時に子供を北小路家に残すことを条件に離婚。  実家に戻った燁子は4年間幽閉同然の生活を強いられ、その間にまたも望まない縁談の話が進められたことから家を飛び出す。  そして、親族の世話によって23歳で東洋英和女学校に編入し、ここで後に翻訳者・ 村岡花子 となる 安中はな と出会う。  卒業後、燁子に再び望まない縁談の話が進められる。相手は九州の炭鉱王、 伊藤伝右衛門 だった。  伝右衛門は前妻を亡くした直後。無学文盲の労働者あがりの炭鉱王と皇太子の従妹、しかも年齢差25歳という異例の結婚は連日大々的に報道される。2万円(現在の約6000万円)の結納金を始めとする大金が動き、燁子は「金で買われた華族」と話題になった。  もともと全く不釣り合いな二人の結婚生活である。しかも前妻との間に子はいないと聞かされていたが、伝右衛門は妾との間に娘があり、妹の息子二人を養子にしていて、燁子はいきなり二男一女の母となる。  そしてさらには伝右衛門の妾で家を取り仕切る女中頭のおさきとの確執などから、燁子は孤独を深めていった。  燁子はその思いを短歌に託し、「 白蓮 」の名で歌人としての地位を確立。また、九州の文化人を集めたサロン活動を始め、「筑紫の女王」と呼ばれるようになる。  そんな中で燁子は7歳年下の帝大生で、社会主義の雑誌「解放」の責任編集者をしていた 宮崎龍介 と出会い、恋に落ちる。  宮崎龍介の父は『大東亜論』の第3部には必ず登場することになる、辛亥革命を支援した大陸浪人・ 宮崎滔天 である。  やがて燁子は龍介の子を宿し、二人はついに駆け落ちを決意する。  だが、当時は「 姦通罪 」があった時代である。姦通罪とは、配偶者のいる女性が夫以外の男性と関係を持った場合、夫が告訴すれば、男女双方が2年以下の懲役に罰せられるというもの。  逆に正妻のある男が他の女性と関係を持っても罰せられない、完全に男尊女卑の法律である。  そこで龍介は友人の大阪朝日新聞記者らと共に、マスコミを利用して燁子に同情的な世論を喚起し、伝右衛門が告訴できないようにしようと画策。  かくして大阪朝日に「 筑紫の女王失踪 」のスクープ記事が載り、 燁子が伝右衛門に宛てて書いた絶縁状が掲載された。  掲載された絶縁状は、燁子が書いたものに龍介らが手を加えたもので、 「愛なき結婚が生んだ不遇とこの不遇から受けた痛手のために、私の生涯は所詮暗い暮らしのうちに終わるものとあきらめたこともありました。しかし幸いにして私にはひとりの愛する人が与えられ、そして私はその愛によって今復活しようとしておるのであります」 「私は金力を以って女性の人格的尊厳を無視するあなたに永久の決別を告げます。私は私の個性の自由と尊貴を守り、かつ、つちかうためにあなたの許を離れます」 といった、激烈な内容だった。  この大阪朝日のスクープは大反響を巻き起こし、「 白蓮事件 」の名で全国の話題となる。   ライバル紙の大阪毎日新聞は面目をかけて伝右衛門のインタビューを取り、絶縁状に対する反論の連載記事を掲載した。   伝右衛門は記事の公開を渋り、事後承諾で載せられたのだが、3回目になって伝右衛門側から中止要請があり、連載は4回で終了した。   結局、伝右衛門は姦通罪に訴えることもなく、事件からわずか10日後、離縁を発表した。  その理由は、大正天皇の従妹である燁子を投獄することは避けたかったからとも、龍介が社会主義思想を持っていたことから、事を荒立てれば炭鉱で労働争議を焚きつけられる恐れがあったためとも言われるが、実際にはそれ以上の理由があったように思えてならない。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!