• このエントリーをはてなブックマークに追加

na85さん のコメント

>>104:尻毛屋さん
 >今のような不景気ではなかったらそのままで良かったのですか?

 ツケが回ってきたのだ、と言うあなたの主張はよく解りますよ。不満だからと言ってネトウヨ化していいとはならないとは私も思いますよ。しかし、グローバル不況の極点に近づいた現在、事ここに至っては自己責任だと言って女性たちを切り捨てるのは、やはり酷薄に過ぎるのではないか?と言うのが私の主張です。
 昭和30年代以前は、旦那とより家と結婚したのだから姑に従え、だから旦那から承認されていなくても我慢しろ、と言うような男尊女卑の典型的ケースも多かったと思います。武家的男系主義(農工商も徴兵するため意識を武士化)+明治期民法(動員体制の完備)の名残でしょう。それが当時の風潮・空気であったから、嫁としての女性たちは夫からの承認が無くとも、何とか子供の成長などに生きがいをかけ、実存を得ることで耐えてきたのだと思います。
 また30年代は、ちょうど経済が高度成長期であり、「明日は今日よりも良くなる」という覚醒剤的な効果で自分を誤魔化しながら生きられたことも重要です。その世代がリタイアしはじめた現在、承認されていなかった妻の側から切り出す熟年離婚が増えたのはむべなるかなです。しかし、時代の空気が変わって男尊女卑がおかしいと気づいた頃には、もう不倫できる年齢ではなく、ネトウヨ運動に嵌るパワーもなかったわけです。
 空気が変わってきたとはいえ、家庭や企業といった構造的な男尊女卑は30年代以後の成長鈍化時代、バブル後不況、そしてグローバル不況の現在に至っても残って機能し、承認されない妻も不満を抱えたまま存在していました。しかも今度は、家を追い出されたら即座に経済的に追い詰められ貧困化する時代となりました。ゆえに、承認されていないと気づき精神的に追い詰められた妻が取れる行動は、離婚を覚悟して夫に反逆することではなく、ばれないように為される不倫か、不満を別の対象にぶつけるネトウヨ化ということになったわけです。
 女性たちはこのように時代に振り回されてきたわけです。男性たちが試行錯誤の末つくってきた社会構造の中で、足掻いてきたわけです。その時代その時代の公に従って作ってきた構造ではあったのですが、今また過渡期に来ていると思います。手垢の付いた言い方ですが、過渡期には女性や子供、弱者にしわ寄せがいくわけです。時代に合わなくなった社会的構造の歪みを正す際には、できるだけ犠牲を少なくするのが政治の要諦でしょうし、それには文化的な支えが必要となります。この問題の場合、それが『男女論』となるような気がします。
 さて、一般に男性は論理、女性は感情が行動原理の中心となる傾向があります。ゆえに、説得が通用しやすいのは男性であり、感情的な不満を満たすために承認がより必要となるのが女性だと言えるかもしれません。これは脳科学的にも実証されはじめていることです。だから、時代の空気にも左右されながら、感情に従って「自由に働かせろ」「守ってくれ」と言うのは仕方がないとも言えます。だから、ここはややマッチョ的に言いますが、「男は優しくなければ生きていく資格が無い」の精神で向き合うしかないと思うわけです。

 足りなかった言葉を埋めていくと長文になるんですよね(苦笑) na85
No.118
112ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第115号 2015.1.6発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…映画『紙の月』では、夫に「承認」されない妻の虚無感が描かれている。日本の夫婦関係あるいは恋愛関係は、未だに微温な「男尊女卑」に貫かれ、「男が支配し女が支配される構造」が主流であるが、本物の「承認」を得ていない虚しい女たちの行き着く先は、果たしてどこなのか!? ※「ザ・神様!」…元の世界に帰ったヤマサチに突然の来訪者!それはワタツミの宮殿で結婚した妻・豊玉姫でした。しかも子を宿していた彼女に、突然の陣痛が襲う!出産の間は「絶対にのぞくな!」と言われたヤマサチ。しかし「ゼッタイにダメ」と言われると逆に気になって仕方ないのは神の世も同じで…!? ※「平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表」…コメント欄で始まった、読者の皆さんによる企画、ライジング版・流行語大賞。「ウンコ色」「可憐乳」「床ドン」「IKEAに行けや!」「松本清張ですな」「小保方さんはおぼこい」「こばやしよしのりーっ!」「犬やったーーー!!!足やったーーー!!!」…等々、数々の名言・珍言は如何にして生まれたか!?爆笑必至のライジング版・流行語大賞で初笑いを!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」 2. しゃべらせてクリ!・第75回「新年特別企画・よしりんたちをしゃべらせてクリ!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第48回「だって『のぞくな』って言うから……」 4. 平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」  宮沢りえ主演、大島優子好演の映画 『紙の月』 の夫婦関係は、隠してはいるが微温な「男尊女卑」に貫かれていて、夫の妻への侮蔑感覚はまったく無意識である。  銀行で働き始めた妻が、最初の給料で夫に時計をプレゼントする。だが夫はそれを薄ら笑いを浮かべながら受け取り、外ではめることはしない。  その後、今度は夫が妻に、平然と高級な時計をプレゼントするのだ。  妻はそのときに、夫に対する違和感の正体に気づくのだが、この夫の心理を言葉に表すとこうである。 「 お前の暇つぶしのお遊びの仕事で買ってくれた時計なんか、まあ、あんなものだろう、オモチャだな。恥ずかしくて男が外で腕に巻くモノではないのだよ。 」 「 男の仕事は女の暇つぶしとは違う。俺が本物の仕事で買ってやる時計は、ほれこういう高級なモノだぜ。俺とお前の社会的ステータスの差がわかったかい?ありがたく頂戴して、腕に巻くがいいよ。 」 「 ところで俺さまは転勤だ。当然暇つぶしのアルバイトなんか、さっさと辞めて、俺さまについてくるよな。 」  こういう「 男尊女卑 」は産経新聞や、自称保守の男どもに、脳髄まで浸透していて、確実に無意識になっている感覚である。  だから彼らは皇統の「男系固執」を主張するのだ。  日本国の象徴は「男系」でなければならない。それが「男尊女卑」の男どもの信念である。  その頂点に安倍晋三がいる。  天皇陛下はそうではない。そういう因習には縛られていない。  だからわしは尊敬できるのだ。   驚くべきことに自称保守メディアで活躍する女どもも、また無意識のうちに「男尊女卑」を受け入れる「 準男性 」である。  そういう女、あるいは妻は、こう反応するだろう。 「 やっぱり旦那様のくれる時計は高級品や。あたいの安月給で旦那様に時計をプレゼントするなんて、非常識やった。ごめんなはい。男の本気の仕事で買ってもらったこの時計は本物や。ありがたく頂戴いたしますばい。 」  この卑屈さ!  これが自称保守論壇で禄を食み、えらそうに男の主張を口真似している馬鹿女どもの深層心理である。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!