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na85さん のコメント

 よしりん師範、木蘭師範、時浦師範代、みなぼん編集長、スタッフの皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。今号も執筆・編集・配信、ありがとうございました。

 以前、よしりん先生は「わしズム」誌上で宮台真司氏、荻上チキ氏らと鼎談されていました。そのとき宮台氏が、荻上氏も自分もナンパ師だと定義カミングアウトした上で、夫や彼氏の居る女性の方が落ちる可能性が圧倒的に高いと言いました。鼎談ではさらっと流された部分ですが、ココにもっと切り込んで欲しいと実は思っていましたが、今回のゴー宣ではその部分が明らかになったように思います。
 それは、承認願望が満たされず実存を得られていない女性がいかに多いかを表わすものであり、日本人男性の脳髄に浸みついた無意識下の男尊女卑感情が原因の一つとしてとしてあることも判りました。これでスッキリしました。ありがとうございました。
 止しりん先生の中では『男女論』の構想は、おそらく「わしズム」中盤ごろからあったのだろうと推察します。日本の少子化問題解決のためにはフランス並みに民法を柔軟に変えたらどうだ?という主張も「わしズム」でされていました。これなどは高度成長期からの奇習である専業主婦制度(笑)を保守したい団塊世代にとって、心中穏やかではなかったと思われます。おそらくよしりん先生は、既にこの頃から自称ホシュ論壇に敵視され、ロックオンされていた可能性があります。
 現在も世界中で当然とされている外で戦う夫とそれを支える妻という夫婦関係は、明治から昭和初期までの日本人男性が実際に戦地に出ていく可能性のある時代には機能していたと思われます。また日本における、妻は帰宅した夫を三つ指ついて迎え、外出時にも夫より三歩下がってついていくという夫婦関係も、その淵源は江戸期の武家にあると思われますが、これは制度化された自死(切腹)を夫がいつか拝命する可能性のあることに対して妻からリスペクトがあったからこそ成り立っていたと思われます。
 故に現代日本の切腹の可能性も当然なく、戦地に往くこともほぼ無くなった戦後の従米平和主義の日本人にあっては、そして多くが気楽な稼業と化してしまった高度成長期以降の団塊世代周辺のサラリーマンの夫に対して妻は、余程特別な魅力を夫に感じていない限りリスペクトできないと思われます。畢竟「安定のため」「子供のため」と自己欺瞞を続けることになります。今ではその安定すらグローバル不況に脅かされ、現役世代では富裕層以外は子供をつくることも難しい時代を迎えましたが…。そんな状況下で団塊周辺の勝ち逃げ世代の夫が、自分に特別な魅力が無いという自覚もないまま、旧態依然とした男尊女卑感情を持って接すれば、妻の実存は簡単に崩壊してしまうでしょう。
 ところで、西洋人の男性は女性に対する優しさを自然に表せるように思われますが、武家文化や軍隊文化に由来するマッチョイズムを無意識に受け継いでいる日本人男性はそれを軟弱だとする傾向があり、むしろそれが日本の良き伝統だとすら思い込んでいる節があります。しかし万葉時代から平安期全般までの庶民から貴族・天皇までが女性に恋歌を贈り、求愛を受け入れるかどうかの主導権が概ね女性にあったこと、あるいは江戸期の町人が「かかあ殿下」を平然と受け入れていたことなどは日本の歴史を貫いて流れる遥かに力強い伝統だと思われます。
 さて、実存が崩壊した妻の行動として不倫かネトウヨ化かどっち?というシビアな問題ですが、よしりん先生が仰るように多くの男性は自己防衛のためネトウヨ化のほうがましだと考えると思います。しかし、上で多くの方が書かれているように、ご先祖様に申し訳が立たないという時間軸、あるいは世間様に顔向けできないという空間軸において、ともに妻のネトウヨ化のほうが不倫より罪深く、かつ恥さらしであると思います。故に、私も不倫で自分一人のプライド崩壊で済む方を選びます。自分に引き受けてその後を考えると相当キツイですが…。
 ところで、団塊Gに与える衝撃としては『新戦争論1』より『男女論』の方が圧倒的だと思われます。なぜなら、もはや年齢的に戦地に往くことは無く、グローバルな経済戦争(TPP)に対しても時代の順風によって築いた資産で防衛できる目算から戦争や外交のリスクに対しては鈍感でしょうが、離婚の危機となると話は別でしょう。しかし、あえて『男女論』は出していただきたいと思います。その理由としては、愛し合っていない男女の間に生まれた子供が相当に悲惨的だからです。
 自己欺瞞の充満した家庭においては家族間の関係性が貧困状態に陥っている可能性が高いでしょう。夫の妻へのDV、親の子に対する虐待やネグレクト、また幸運にもそれらが無かった場合にも、子供が自己肯定感の不足からいじめを跳ね返す力を持てず、従ってニート・引きこもり・ネトウヨ化のリスクが増し、女子ならそれに加えてJK産業による性的搾取を被るリスクもあります。このような関係性の貧困は家の経済的な貧富に関わらず子供に悲劇をもたらし、その悲劇は累代で拡大再生産されていくでしょう。
 そこで『ゴーマニズム宣言Special・男女論』の破壊力で以て、保身のための自己欺瞞で塗り固められた家族の実像を浮き上がらせ、内実が崩壊しているにも拘らず形骸ばかりが保存されてきた家族に創造的破壊の鉄槌が振り下ろされることを望みたいです。案外その崩壊と離合集散の後にこそ、地域に合った新しいコミュニティ―が出来てくるのかもしれません。しかし、TPP労働分野などの外圧による移民政策=グローバル企業のための破壊に任せておくと、多方面にわたる副作用がデカすぎるのです。
 
 古武士並みのマッチョをやってよい資格はやはり切腹の覚悟か… na85

 木蘭師範、トヨタマヒメはウミガメでしたか。素兎を赤裸にしたワニもサメでしたし、その印象からサメが良いなと思っていたのですが。サメは胎内で孵化させてから子供のサメを産む種類が多いそうですから、この神話にピッタリだと思ったのです。まさかウミガメの産卵シーンの涙に焦点を当てるとは(笑)。
 もんどり男の件でも、男は神話時代から情けないと判らせてくれますが、そういう認識が共有されてきたからこそ、縄文以来の日本人は伝統的に妻が家計の一切を預かるという女尊男卑的な家族形態だったはずなのですが…。

 出口は見るモノじゃないな na85

 時浦師範代、流行語大賞へのコメントお疲れ様でした na85
No.54
120ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
第115号 2015.1.6発行 「小林よしのりライジング」 『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。 毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、小林よしのりに関するWikipediaページを徹底添削「よしりんウィキ直し!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行) 【今週のお知らせ】 ※「ゴーマニズム宣言」…映画『紙の月』では、夫に「承認」されない妻の虚無感が描かれている。日本の夫婦関係あるいは恋愛関係は、未だに微温な「男尊女卑」に貫かれ、「男が支配し女が支配される構造」が主流であるが、本物の「承認」を得ていない虚しい女たちの行き着く先は、果たしてどこなのか!? ※「ザ・神様!」…元の世界に帰ったヤマサチに突然の来訪者!それはワタツミの宮殿で結婚した妻・豊玉姫でした。しかも子を宿していた彼女に、突然の陣痛が襲う!出産の間は「絶対にのぞくな!」と言われたヤマサチ。しかし「ゼッタイにダメ」と言われると逆に気になって仕方ないのは神の世も同じで…!? ※「平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表」…コメント欄で始まった、読者の皆さんによる企画、ライジング版・流行語大賞。「ウンコ色」「可憐乳」「床ドン」「IKEAに行けや!」「松本清張ですな」「小保方さんはおぼこい」「こばやしよしのりーっ!」「犬やったーーー!!!足やったーーー!!!」…等々、数々の名言・珍言は如何にして生まれたか!?爆笑必至のライジング版・流行語大賞で初笑いを!! 【今週の目次】 1. ゴーマニズム宣言・第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」 2. しゃべらせてクリ!・第75回「新年特別企画・よしりんたちをしゃべらせてクリ!の巻〈前編〉」 3. もくれんの「ザ・神様!」・第48回「だって『のぞくな』って言うから……」 4. 平成26年度 ライジング版 流行語大賞の発表 5. Q&Aコーナー 6. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど) 7. 読者から寄せられた感想・ご要望など 8. 編集後記 第113回「映画『紙の月』、夫に承認されない妻の空虚感」  宮沢りえ主演、大島優子好演の映画 『紙の月』 の夫婦関係は、隠してはいるが微温な「男尊女卑」に貫かれていて、夫の妻への侮蔑感覚はまったく無意識である。  銀行で働き始めた妻が、最初の給料で夫に時計をプレゼントする。だが夫はそれを薄ら笑いを浮かべながら受け取り、外ではめることはしない。  その後、今度は夫が妻に、平然と高級な時計をプレゼントするのだ。  妻はそのときに、夫に対する違和感の正体に気づくのだが、この夫の心理を言葉に表すとこうである。 「 お前の暇つぶしのお遊びの仕事で買ってくれた時計なんか、まあ、あんなものだろう、オモチャだな。恥ずかしくて男が外で腕に巻くモノではないのだよ。 」 「 男の仕事は女の暇つぶしとは違う。俺が本物の仕事で買ってやる時計は、ほれこういう高級なモノだぜ。俺とお前の社会的ステータスの差がわかったかい?ありがたく頂戴して、腕に巻くがいいよ。 」 「 ところで俺さまは転勤だ。当然暇つぶしのアルバイトなんか、さっさと辞めて、俺さまについてくるよな。 」  こういう「 男尊女卑 」は産経新聞や、自称保守の男どもに、脳髄まで浸透していて、確実に無意識になっている感覚である。  だから彼らは皇統の「男系固執」を主張するのだ。  日本国の象徴は「男系」でなければならない。それが「男尊女卑」の男どもの信念である。  その頂点に安倍晋三がいる。  天皇陛下はそうではない。そういう因習には縛られていない。  だからわしは尊敬できるのだ。   驚くべきことに自称保守メディアで活躍する女どもも、また無意識のうちに「男尊女卑」を受け入れる「 準男性 」である。  そういう女、あるいは妻は、こう反応するだろう。 「 やっぱり旦那様のくれる時計は高級品や。あたいの安月給で旦那様に時計をプレゼントするなんて、非常識やった。ごめんなはい。男の本気の仕事で買ってもらったこの時計は本物や。ありがたく頂戴いたしますばい。 」  この卑屈さ!  これが自称保守論壇で禄を食み、えらそうに男の主張を口真似している馬鹿女どもの深層心理である。 
小林よしのりライジング
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!