na85さん のコメント
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第140号 2015.7.14発行 「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…わしの書く文章を、作品と認めない奴がいる。「国のため」「公のため」なら「タダで拡散しろ」と言ってくる消費者がいる。文章も音楽もタダで楽しませろと言い出す、「価値」を全く理解しない人種が、ネットによって膨大に生まれつつある。このまま文化を痩せ細らせて良いのか!?
※著名なる言論人の方々の立派な御意見を思いっきり褒めそやす「御意見拝聴・よいしょでいこう!」。前回に引き続き、保守論壇の重鎮、渡部昇一・中川八洋両氏の『皇室消滅』から学びましょう!今回はなんと、どこのマスコミもつかんでいない陰謀情報が明らかに!?渡部先生の妄想…もとい洞察力、独自の情報網には驚嘆させられます!!
※読者参加の爆笑企画「しゃべらせてくり!」が、記念すべき第100回を迎えたぶぁい!!それなのに…それなのに…ぽっくん、宇宙の果てに流されて行きよりましゅよ~~~!!絶体絶命ぶぁい!!さっさと何とかしてクリーーー!!!
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第135回「タダで聴かせろ、読ませろの人種」
2. しゃべらせてクリ!・第100回「ぽっくんのゼロ・グラビティ!宇宙漂流の恐怖ぶぁい!の巻〈前編〉」
3. 御意見拝聴・よいしょでいこう!・第2回「『皇室消滅』②〈女系天皇〉は小泉純一郎とコミンテルンの陰謀?」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第135回「タダで聴かせろ、読ませろの人種」 かつて右派の運動を手伝った。戦争体験のある爺さんがやってた運動だった。
悪い人じゃなかったが、広告塔として最大限にわしを利用した。
わしが来ると地元の新聞社に連れて行き、記事にしてもらい、地元の名士にわしを合わせ、わしの読者の若者を自分のつくる組織に入れた。わしは無償でその運動を手伝い、講演をしていたものだ。
その爺さんは自分の機関誌に勝手にわしの『ゴーマニズム宣言』を転載した。
タダで転載した。
コピー機で作ったボロっちい機関誌に、わしの『ゴーマニズム宣言』が丸々一本、汚い印刷で転載された。
スタッフがどんだけペンの線に神経を使って描いているか、シロウトだから全然わかってないのだ。
それを「国のためだから」タダで載せていい、より多くの人に読ませる絶好のモノだと、爺さんは考えたのだ。
運動家が主催するデモや集会に行けば、いろんな政治的ビラが配られる。
アジビラと言うが、美術性は全くない、単なる政治主張の押し付けのために制作されたビラだ。
『ゴーマニズム宣言』や、わしの書く文章を、作品と認めない奴がいる。
「国のため」「公のため」なら、タダで拡散すべしと考える爺さんがいる。
いや、爺さんだけではない。政治的主張をこれだけ上手くまとめたモノなら、タダで配ればすごい影響力を発揮するだろうと舌なめずりして、「タダで拡散しろ」とエラそうに言って来る消費者がいる。
消費者はどうしても権力者になる。
自分の脳を使い、自分の言葉で書く努力は一切しない。
お前の書いた作品をタダで配れ、公のためじゃないかと言い出す。
わしの書いたものを自分で咀嚼して、自分の言葉になおして書いて、拡散すればいいだけの話だが、そんな努力はしたくないらしい。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
さて、先日あのような形で出て行ったばかりの私ですが、昨日二人のKさんにも諭されて心境の変化が起こり、またその時の「ちょっとした賭け」にも負けたため追い込まれる形で書き込みを再開いたします。以前のようなパワーではできませんが…。
あげんぼさん、声をかけてくだされば良かったのに…。
『卑怯者の島』の感想は先生に直接メールしました。しかし、それをここに転載するにはネタバレ部分があまりに多いため、まだ寝かせておきます。ここでは同書の極簡単なキャラクター論だけを展開させていただきます。
よしりん先生の作品の主人公は全てよしりん先生の一面が投影された分身であると思います。『卑怯者の島』も例外ではなく、国武神平=よしりんです。一読して最も強くそう思ったのは軍神さまと対峙したシーンです。軍神さまの理不尽で嫌悪を催す話を聞くうち「ムカムカムカムカ…」と来て、やがて傲然と立ちあがり、軍神さまに向って啖呵を切り、論駁し、美奈を連れて出て行くシーンです。後章では、このとき神平が展開した「英霊の妻」論は美奈自身の行動で否定されていくのですが…。
こういうシーンは、よしりん先生が主人公として動くゴー宣で何度となく見てきたように思いました。例えば、これは私が最もよく覚えているシーンなのですが、先生が『おぼっちゃまくん』で漫画賞を受賞された時、審査委員が授賞の挨拶で皮肉たっぷりに「アニメになったとか話題になったとかではなく」「もっと上品な作品を選びたい」みたいなことを言った時、「ムカムカムカ…」と来ていた先生が傲然と立ち上がり、「わしのような下品な者に権威ある賞を授けてくれた勇気に感謝する」と受賞の言葉を切り出し、次回の審査委員が全とっかえになったエピソードです。
相手の話をよく聞きつつも、無礼の度合いや嫌悪感が自分の許容量をオーバーしたらキレて反撃に出るという行動パターンがとても似ていると感じました。計算でなく、心のうちから起こった衝動のまま行動するから、凄いパワーになるのだと思います。正当な論駁であるため怒りの形相のまま何も反論できなかった軍神さま…、その場の皆を納得させてしまったため次回から全とっかえされた審査委員…。全く同じです。
これはマネのできない格好よさです na85
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