つぼきちさん のコメント
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第155号 2015.11.17発行「『ゴー宣』『戦争論』が変えたもの」
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが無限に想像をふくらませ、とことん自由に笑える「日本神話」の世界を語る「もくれんの『ザ・神様!』」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…宮台真司氏曰く「ネトウヨも安倍政権もシールズも、全部よしりんの影響下にある」という。確かにシールズのデモのやり方は、薬害エイズ運動の時にわしが打ち出した方法論そのままである。だが実は方法論だけではない。護憲派・反戦平和主義者たちの思考や言動も、無自覚のうちに、『ゴー宣』『戦争論』が変えた言論空間の影響下にあるのだ!
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!難民を中傷したイラストをどう見た?映画『FOUJITA』に興味ある?消費税10%は延期すべきでは?「生まれ変わったら道になりたい男」が再犯!彼を救う方法は?シールズのデモに適した新しい名前を考えてみた!姑からされた仕打ちを忘れられない…どうしたら良い?…等々、よしりんの回答や如何に!?
※著名なる言論人の方々の立派な御意見を思いっきり褒めそやす「御意見拝聴・よいしょでいこう!」。時代の一発屋…もとい、時代の寵児・SEALDsと高橋源一郎氏の御本『民主主義ってなんだ?』を紐解きます!「民主主義を取り戻す」はずが、真の目的は「ノスタルジジイの青春を取り戻す」ことだった!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第151回「『ゴー宣』『戦争論』が変えたもの」
2. しゃべらせてクリ!・第115回「袋小路くん!ぽっくんの心の友ぶぁ~い!の巻〈後編〉」
3. 御意見拝聴・よいしょでいこう!・第9回「『民主主義ってなんだ?』②ノスタルジジイの青春を取り戻す!」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 読者から寄せられた感想・ご要望など
7. 編集後記
第151回「『ゴー宣』『戦争論』が変えたもの」 11月4日、東浩紀氏、宮台真司氏と『戦争できる国の道徳』(幻冬舎新書)の出版記念として、5時間にも及ぶトークイベントを行った。
その中で宮台氏が、ネトウヨも安倍政権も、シールズも 「全部よしりんの影響下にあるんですよ」 という発言をした。
ネトウヨや安倍政権をわしがつくったとかいうのはシールズの連中の決まり文句だが、そういうシールズだって、わしがつくったというのだ。
たしかにシールズのデモのやり方は、薬害エイズ運動の時にわしが打ち出した方法論そのままである。
薬害エイズの頃、もうとっくに労組などの団体の旗がひらめくデモには威力がなくなっていた。むしろ団体の動員を受けたデモだと思われたら、一般大衆には見向きもしてもらえなくなる状態だった。
そのため薬害エイズ問題に対する世論を盛り上げるためには、デモから組織やイデオロギーの色を一切排除する必要があった。そこでわしは、 「個人」がこのワンイシューのためだけに、緊急措置として集まって活動している「個の連帯」である というコンセプトを立てた。
そして集まった学生たちは、 ダサいのはイヤだ、ファッショナブルなデモをやりたいと言い、ラップでパレードというスタイル を作り出した。
このデモは大きな効果を上げた。だが、 実際には学生たちに「個」など確立しているわけがなく、学生たちは弁護士ら大人の顔をうかがい、組織に埋没していった。そして、「正義」の運動をしているという快感に酔い、運動が目的化して、薬害エイズ運動が終結しても次の運動をやりたがるようになってしまった。 そのために、わしは「日常に帰れ!」と警告し、『脱正義論』を描かなければならなくなったのである。
一方のシールズも、 自分たちは「個」の集まりであると標榜し 、その団体名「SEALDs」(Students Emergency Action for Liberal Democracy-s=自由と民主主義のための学生緊急行動)からして 「緊急行動」を謳っており、ワンイシューで活動し 、来年の参院選をもって解散すると表明している。
また、とにかく ファッショナブルにすることにこだわり、ラップを取り入れ、プラカードは英語が目立つ 。わしから見れば、英語がファッショナブルでカッコイイという感覚自体がどうしようもなくダサいのだが、とにかく『脱正義論』を読んで研究したのではないかと思うほどそっくりである。
もちろん、 実際のシールズのメンバーに「個」などない というところもそっくり同じだ。
シールズは事実上、「左の在特会」と言うべき「しばき隊」の下部組織である。
シールズ中心メンバーの奥田や牛田らは、しばき隊のbcxxxなる人物の親炙を受け、わしと対談する際にもいちいち彼の顔色をうかがっていた。そしてbcxxxが小林よしのりとの対談などするなと言ったために、牛田は当日ドタキャンし、奥田が一人でやって来たのだ。
しかも奥田は、わしと対談したことについてbcxxxに対してツイッターで次のように弁解し、反省・謝罪を表明した。
常識を見失い、堕落し劣化した日本の言論状況に闘いを挑む!『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりのブログマガジン。小林よしのりが注目する時事問題を通じて、誰も考えつかない視点から物事の本質に斬り込む「ゴーマニズム宣言」と作家・泉美木蘭さんが圧倒的な分析力と調査能力を駆使する「泉美木蘭のトンデモ見聞録」で、マスメディアが決して報じない真実が見えてくる! さらには『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成させる大喜利企画「しゃべらせてクリ!」、硬軟問わず疑問・質問に答える「Q&Aコーナー」と読者参加企画も充実。毎週読み応え十分でお届けします!
小林先生の『戦争論』という名作を読んで
根無し草で、いつも自分探しが趣味だった私が
物の見方、考え方すらが180度変わってしまった。
『戦争論』の最終章に書かれた言葉
「自分を自由にしてくれる束縛」
この言葉に出会うまでにどれだけ苦難の道を歩いたか。
根無し草で、自分探しが趣味の人間は、
「束縛」があるから、「自由」じゃない、
「自由」じゃないから、「個性」が発揮できない。
「個性」が発揮できないから、
「本当の自分」ではない、
本当の自分が出せないから「生きていて苦しい」と
真剣に悩んでいたものです。
この思考から「解脱」するのに、
特効薬となる書物など当時ありません。
ポストモダンだの価値相対主義の
時代に答えなどあるわけがありません。
時代の縮亜ともいえる「自分探し」病
その末期の症状に私は苦しんでおりました。
私の「自分探し」病の末期症状は、
カルト宗教や自己啓発セミナーといった
全体主義の中での「思考停止」でした。
考えるのに疲れたのと、
カルトや自己啓発セミナーといった
疑似共同体の中にいればいずれ「自由」は
手に入ると信じたのです。
小林先生の『戦争論』に出会って、
「自分を自由にしてくれる束縛」という
言葉を知り、個の根無し草の社会の、
対極にある、あの尊い精神の大東亜戦争の
時代にリンクした途端、
「自分探し」以外の価値観が芽生え、
あの尊い精神がついには、
「自分探し」病を駆逐するに至ります。
当時27歳のある若者の現実でした。
「自分を自由にしてくれる束縛」。
縦の歴史軸と、横の共同体の中で
苦しみももがくことを選択してから、
なぜか、生きにくさは不思議と
払拭されました。
あれは自分の人生の紛れもなく
転機でした。
あの時『戦争論』も出会っていなかったら
自殺しているか、どこかのカルトで
勧誘活動でもやっていたでしょうね。
もう少し早く小林先生の作品に出会って
いれば、とか悔いもありますが、
そこはご愛嬌です。
小林先生、
当時の自分を「救って」下さって
心からありがとうございます。
自分がくじけそうな時、今でも
「自分を自由にしてくれる束縛」
という言葉を反芻し覚悟しております。
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