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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『ホモ・デウス』解説:「夏休み」に入った人類は神を目指す」
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岡田斗司夫プレミアムブロマガ「『ホモ・デウス』解説:「夏休み」に入った人類は神を目指す」

2018-10-12 07:00

    岡田斗司夫プレミアムブロマガ 2018/10/12

    おはよう! 岡田斗司夫です。

    今回は、2018/09/16配信「神になったサル『ホモ・デウス』は、何を目標に生きれば良いのか」の内容をご紹介します。
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    2018/09/16の内容一覧

    「夏休み」に入った人類は神を目指すことになる

    (『ホモ・デウス』上巻、解説の続き)

     飢餓や疫病と同じく、戦争もゼロにはならないですよ。なくなりはしないんです。だけど、今や、戦争での犠牲者は、年間でたったの12万人になりました。
     こう言うと、「いや、まだテロがあるじゃないか!」と思う人もいるかと思います。そうなんですよ。戦争の次はテロという恐ろしいものがある気がするんですけども。でも、年間のテロでの犠牲者というのは、8000人以下なんですよね。
     「コカ・コーラやマクドナルドによる肥満では年間300万人が死んでいるんだから、この8000という数字も十分無視できる」とハリルも言っています。

     つまり、人類にとって、戦争や飢餓や伝染病の時代は、すべて終わってしまいました。
     もちろん、まだこの3つは存在するし、毎年マラリアで数百万人という膨大な犠牲者が出ています。だけど、このすべてが「対処可能な問題」になっているんです。
     「どんなに手を尽くしても、飢餓がなくならない、疫病がなくならない、戦争がなくならない」と言っていた20世紀の頭に比べたら、この100年間で、これらはすべて、対処可能な問題の範疇に収まってしまった。

     長い歴史の中で、人類はこの3つの害悪を「解決できるはずがない」と思っていたんです。
     だからこそ、神に祈ったわけです。国家や政府を作って、家族制度や友情など人間関係というのを信じて、お互いを裏切らないことを、ずっと続けてきたのも、すべては、「この3つは絶対になくならないものだ」と思っていたからなんです。

     じゃあ、この3つが「忘れてもいい問題」になった今、人類に残された解決するべき問題とは何か?
     人間の本能には「生き延びるために、何かの努力していなきゃヤバい!」という不安がプログラムされています。僕らは不安になりやすい猿なんですね。
     その結果、「今、残っている問題はなんだろう?」、「どこに落とし穴があるんだ?」という、この不安のエネルギーを、一体何に使えばいいだろうかと、考えることになりました。
     おそらく、人類というのは、今、ちょうど、入学試験もテストも授業も全部終わらせてしまって、数百年続く夏休みに入ったんですよ。だから「夏休みを何に使えばいいだろう?」と考えるわけです。

     ハリルは「今の人類が向かいつつあるのは「不死」と、「幸福を追求すること」と、「アップグレード」であろう」と言っています。
     この3つをハリルは「人類が挑戦する三大プロジェクト」というふうに読んでいます。

     不死というのは、死なないことというよりは、死を遠ざけることです。
     「30年以内には、これに関する技術はかなりの進歩を見せるだろうし、21世紀末に生まれる人間は、死なない、または300年から500年ぐらい生きる可能性が高い」とハリルは言っています。
     これについては、Googleの子会社の「Calico」という会社があるんですけど、この会社は「死を解決すること」を目的に、何億ドルというお金を使って研究を進めています。
     さらには、Paypalの創業者のピーター・ティールは「私は永遠に生きるし、そのための技術は、私の寿命の間に可能になる」と公言しています。

     3つの悪魔を滅ぼした後、人類が新しく挑戦する3大プロジェクトの1つ目は、「死なないこと」です。

     2つ目は、幸福の追求です。
     この幸福というのは、なんせ主観的なものですから、ちょっと特殊なんですけど。

     古代ギリシャにエピクロスという哲学者がいました。
     このエピクロスじいさんは「神々の崇拝は時間の無駄。死後の世界や不滅の魂は存在しない。現世の幸福こそが唯一の目的である」なんて、ものすごいことを言った人なんですよ。なかなかアナーキーですよね(笑)。
     この考え方、エピクロス主義とか快楽主義というふうに言われ、これを信じる者は「エピュキュリアン」と言われました。
     僕らが、日常生活の中で聞いたことがある、このエピキュリアンとか快楽主義という言葉は、もともとエピクロスが言った「神様なんかに祈っても時間の無駄です。死後の世界なんかないよ。だから、現実の生活で人間幸せ目指さなきゃ」という言葉に端を発しているんですよね。
     そして、僕らが今、当たり前に思っていることは、実はギリシャ人にとっては、堕落した考え方だったんです。

     エピクロスが唱えたのは「個人が幸福を目指す」という、あくまでも個人的な主義だったんですけど。これは後に、イギリスの哲学者ベンサムによって、国の政策になりました。
     このベンサムは「国を豊かにする」ということを言い出したんですね。
     「国家の発展のためには、国民は健康でないといけない。だから、国家による医療の充実が必要で、医者や病院みたいなのを作らなければいけない」とか、「経済の発展のために、国民には教養が必要だ。数が数えれなきゃだめだし、時間通りに動けなければいけない。そのためには、学校が必要だ」とか、「戦争をするためには、健康で教育を受けた国民が大量に必要だ」ということで、福祉制度や教育制度を広げようとしました。
     こういった「国家のためには~」という考え方を、18世紀、19世紀、20世紀前半のいろいろな国の政府は、すべてまともに受け取って運営されていました。

     しかし、20世紀の半ばになると、これがすべて逆転します。国家のための健康とか教育とか福祉というのが、すべて「国民の幸福のため」のものになったんです。

    (続きはアーカイブサイトでご覧ください)

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