ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その48(1,581字)
一夕会は宇垣一成や宇垣閥を牽制するために荒木貞夫、真崎甚三郎、林銑十郎を盛り上げた。実際、東條英機は荒木貞夫に相当な尊敬の念を抱いていた。
荒木貞夫はどのような人物か?
1877年生まれで旧一橋家の出身である。つまりバリバリの徳川だ。
1897年に陸軍士官学校を卒業し、1907年には陸大を首席で卒業する。そうして恩賜組となり、幹部候補生としてエリート街道を歩むことになった。
荒木貞夫は徳川家の矜持か、清廉な性格で、独特のカリスマ性があり、若手将校からの信頼と人気があった。先述のように東條も惚れ込んだくらいなのだが、それより下の無印の将校たちの間にはさらに熱狂的なファンが数多くいた。
それは、荒木が「若者好き」だったということもある。荒木は他の将軍とは違って若手と積極的に交わったので、若手もそんな荒木を好んだ。荒木は彼らを自宅に招き、毎晩のように酒席を交わした。そんなふうに、荒木は若手にとっ
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