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Dropkickのプロレス格闘技本読書会!!  今回取り上げる本は馬場元子
『ネェネェ馬場さんです。この記事はDropkickニコ生配信で語られた『プライド』の感想を再編集・加筆したものです(語り・ジャン斉藤)



今回取り上げる本は、先日お亡くなりになった馬場元子さんの「ネェネェ馬場さん」です。感想からいうと、あまり面白くないというか(笑)、最後まで読むと後味の悪さを感じてしまうんですよ。

「ネェネェ馬場さん」はジャイアント馬場さんが亡くなってから1年ちょっと経ったあとに出版されたもので、全日本とNOAHに分裂する前の本なんですが、馬場さんのことしかしゃべっていない。「ネェネェ馬場さん」というタイトルどおりなんですけど(笑)。ボクらが本当に知りたい馬場さんのとっておきのエピソードなんかはほとんど出てこないんです。馬場さんとの出会いから恋愛、死別までを元子さんの視点で書いていて、それはたしかに貴重ではあるんですが、かゆいところに手が届かない感じが……。

たとえば、他のプロレスラーの話はまったくいっていいほど出てこない。名前は出るんですが、その選手のエピソードが明かされるわけでもなく、やっぱり「ネェネェ馬場さん」というタイトルどおりで(笑)。この本は268ページもあるんですが、宿命のライバルだったアントニオ猪木さんの名前は一度も出てこない。これって凄くないですか? 馬場さんと猪木さんとのあいだにはいろいろあったわけですし、知りたいのは2人の関係じゃないですか。じつは馬場さんは猪木さんに対してこういう感情を持っていた、こんなことを言っていた……とか。

これは猪木さんだけじゃないですよね。ジャンボ鶴田に対しても、天龍源一郎に対しても同じです。元子さんから見た馬場さんの話しか書いてなくて、他者との関わりに触れてないから薄く感じてしまうんです。 元子さんはジャイアント馬場や全日本プロレスのことを一番知ってるはずなのに。いや、知りすぎていることで逆に言えないことがあるのはわかるんですが、それにしても……という内容で。

あっ、天龍さんに対しては悪口を言ってるんですね。 SWSのときに金で裏切ったとか。ちなみに元子さんと懇意にしていたと主張するターザン山本さんの名前も出てきません(笑)。

かつて馬場さんは「みんなが格闘技に走るので、私、プロレスを独占させていただきます」と言いましたが、元子さんは「私、馬場さんを独占します」という内容なんですよ。本の中でさえも馬場さんのことを独占して他者と関わらさせない。それが過剰すぎて、とても広報業務を担っていたとは思えない言動が多いんです。

体のことに関して興味本位的に扱われるようなものは、私はいっさい受けつけたくなかった。取材ではなく、道を歩いてすれ違いざまに「うわあ、でっけえ」などと不躾に言う人もあったが、そういうときも私はピシッと言い返した。
「ジャイアント馬場が小さけりゃ、ジャイアント馬場じゃないっ!」
                        『
ネェネェ馬場さん』より

一般人にこんなことを言い放ちますかか、普通?(笑)。馬場さんの気持ちを慮るというより、「馬場さんのことをわかってるのは私だけ」という感情のあまり攻撃的になっている。こんな性格だからスタッフたちともケンカしまくるんですけど、いまから紹介するエピソードもおかしいんです。



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