日本はサンフランシスコ講和条約で独立した。

 その時には様々な約束をした。

 しかし、不思議に、この約束をほとんどの日本人は知らない。

 国際法的には、領土問題は如何なる約束があるかが最も重要である。

 次は私の『日本の国境問題』からの抜粋である。

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:サンフランシスコ講和条約での扱い

―吉田首相、千島放棄に合意。千島に択捉、国後が入っていることを明言―

サンフランシスコ講和条約(一九五一年九月八日署名)において、第二章(c)は「日本国は千島列島に対するすべての権利、請求権を放棄する」とした。

その直前九月七日吉田首相は「千島南部の択捉、国後両島が日本領であることについては帝政ロシアも何らの異議を挟まなかったのであります」と述べている。

 この吉田首相の演説は二つの意味で重要である。

一つは「「千島南部