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9月30日(土)に3回目の文化レクを開催しました。4月の本会設立以後、順調に行事を重ねて来ています。手探りでの運営の中、レク開催・HP作成・広報ツイッター開設・ブロマガ設置・アセスメント整備と、会員の皆さんと共にMAAの肉付けを進めております。
今回の文化レクは東京都美術館での「ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション」展覧会でした。芸術の秋と言いますが、上野の混雑ぶりは目を瞠るほど。ちょうど動物園ではパンダのシャンシャン(香香)が生まれたこともあってか雰囲気が温かいような気がしましたが、同じように感じた人も少なくなかったのではないかと思っております。まだ一般公開にはなっていませんが、勝手レクでもして会いに行きたいものです。誕生の報道を受けて私たちの胸中に「生まれを寿ぐ気持ち」が灯って、心がほぐれてきますよね。
さて、本展覧会について。今回も第1回文化レクと同じく150分の鑑賞時間を設定。タイトルに「東西の名品」と謳われているとおり、一度で目にする文物としてはかなり横断的な印象。また時間軸の大きさについても驚きました。入口すぐのエジプト・ピラミッドで発掘された石像に始まって、出口では現代アートが示されており、幾分の目まぐるしさも手伝うところにボストン美術館の「蒐集思想」というのでしょうか、目指す地点がおぼろげに理解されてくるような想いが致しました。
江戸時代末期における我が国の開国以来、外国人が次々と来日して日本独特の文物に関心を抱いて購い、自国に持ち帰っているものがボストン美術館に収容されている様子が伝わってきます。特に目を引いたのは英一蝶の巨大な「涅槃図」ですね。釈尊が涅槃に入る(死去)シーンを一服の画にしたものですが、その存在感たるや場を制しているかのような空気も感じるほど。これを所有した人物の心中もまた、同様であったのかなと想像しつつ鑑賞しました。この画は今回の展覧会のため米国で大規模な修復作業が加えられており、その様子も動画でまとめられていました。こうした美術品・文化物を修復していく作業についての手順というのは学問的に確立したものなのかなと考えたりしながら視聴。ふと、「文化財保護法」の授業を学生時代に取ったことを思い出したり、修復そのものが作品の価値を左右したりすることもあり得るのか、及びその是非など、なかなか楽しげな自問自答が私の中に芽生えたものです。
階を上がって展示の歩みを進めると、今度はミレーの絵がお出迎え。モネやピサロ、ルノワール、本展覧会の目玉とされるゴッホなど、展示内容は大きく旋回。ちょっと心の切り替えが追い付かない感じもして、一人で笑ってしまいました(決して悪い意味ではなく)。加えて版画に写真に現代アートまで忙しいこと忙しいこと。時代も洋の東西も駆け巡るかのような150分の鑑賞設定時間はあっという間に過ぎ去っていきました。
全体で80点の作品ということからそれほど時間を要せず鑑賞できるかなと思っていましたが、一つ一つの展示に重厚感があって少し立ち止まりながら文物を味わう「間」も加味すると150分という尺が大きく余るということはありませんでした。参加者各々の鑑賞スピードが異なるのは大前提でありますが、「茶の湯」展での経験も踏まえ、こうした展覧会については今回程度の時間設定で大きく過不足が出ることはないかなという印象です。
鑑賞途中、エスカレーターに歩みを進めながら建物入口に目をやると、閉館時間が迫っているからなのか遠くから小走りで館内に入っていく人の姿が散見されました。「人間が美術・芸術を求める豊かな気持ち」みたいなものが伝わってきて、パンダの赤ちゃん誕生で感じた温かい雰囲気と折り重なって胸に去来したような気がします。
記してきたように振り幅の大きい印象のある展覧会でしたが、今回の文化レクも「既知を広げ、未知に触れ、文化と呼吸」できたのではないかなと想起しながら集合場所へと歩みを進めました。「来た時と帰る時」、心に装うものの変化が私の楽しみでもあります。今後も文化芸術に触れ、それを仲間と共有するMAAの営みが少しずつでも洗練していけたら素敵だなと思いつつ、秋空模様の上野公園を背にしました。
※第3回文化レクリエーションのアセスメント結果は https://musiumart.or.jp/assess/4 で参照できます。
-MAA公式集合写真(手タレ風)-
-建物外観-
-案内-
-記念ポストカード-
-香香(シャンシャン)の色に染まって-