前回は、衝撃のデビューを果たした等身大初音ミク2号機を紹介しました。
等身大初音ミク2号機はみさいるさんによるロボットです。人間ではなく初音ミクをモデルとしたことで、「人間らしさ」ではなく、純粋に「アイドルさ」を追求したロボットです。言い換えればひたすら「あざとい」ロボットです。
いったいどれだけ「あざとい」のか気づく範囲でまとめてみました。調べれば調べるほど、「等身大初音ミク2号機」が、人間を追求したのではなく、「あざといミク」さんを目指していることがわかります。
今は初音ミクコンサートといえばスクリーンに映し出されるCGですが、これをきっかけに数年後には間違いなくロボットが出てくることでしょう。未来の普通です。
あざとい顔
アイドルは顔が命。もちろん気合い入れて作られています。
もうこのあざといウインクでそのすべてを現しています。
皮膚が作ってあって、目や口が自然に閉じます。目なんてこんなに大きいのに!!!
硬い目蓋がパカパカ動くのとはまったく違います。上の目蓋と下の目蓋が独立して動き、首の角度と組み合わせると、想像以上に表情にバラエティがあるようです。
しかも、まだすっぴん。唇描いたり少し化粧するだけでとてもべっぴんさんになることでしょう。
しかも、その内側では、故障が多かった1号機での失敗を踏まえ、表情の多彩さは損なわずに極力までサーボの数を減らす工夫もされ、今の所故障なく動き続けているそうです! あざとい上に健康なのです。
あざとい髪
これぞ、アイドルロボの真骨頂、髪。ミクさんを特徴付ける、巨大なツインテール。しかし、元絵の髪は絵ですから、髪の毛ではできてません。MMDも髪の毛ではできていません。いったい何でできているんだと議論になることも。
しかしロボットは3次元に出てきています。髪の毛を持つことができます。その現実感はアイドルとして原作越えだってありえるわけです。
そこで、作り手であるみさいるさんは徹底的に髪にこだわります。人間は10万本くらいだそうですが、なんと20万本近くを植毛し、ツインテも見事に再現。
ついに元絵は持ちたくも持てなかった髪の毛を持つことになったのです。すごい!
これであれですよ。
ワールドイズマインの一枚絵のポーズさせて歌わせると、三次元の本物の髪の毛の迫力に世界73億人のミクファンがひれ伏すのです。
前髪の改良を!というコメントは多いですが、すぐに改良されることでしょう。この豊かな髪こそ、ロボットならでは。あざといです。
もう少し進化すれば、ミクはイラストでもMMDでもなく、ロボットが一番と言う人が出てくることでしょう。
あざとい体
アイドルの次に重要なのは体。もっと正確に言うと姿勢。アイドルは、数々のあざとい姿勢がとれなくてはいけません。
ですから、徹底的にこだわります。ぺたん座りはもちろんできます。
実は、このロボットには骨がなく、カニのように、体の各パーツが硬く作られています。ですから、膝なんかは、関節一つだとそれっぽくならないそうです。なのでよく見てください。二つの関節でできています。コメントによるとガンダムのプラモデルとかでも使われてるそうです。
ほんとだ。言われないと気づきませんでした。よく見ると変なのに、かわいい。あざとい。
ぺたん座りをかわいく見せるために(それだけじゃないけど)人間にない関節一個足しちゃうところがみさいるさんの真骨頂なのです。
でもって、きっと
こんな風に座らせて、「私の時間」とか歌わせるに違いありません。あざとい。
1号機を使った研究の末、他にも腕やまたなどに加えた関節がいろいろあるようです(省いたものもあります)。指も5本独立で動きます。 すべては、アイドルがこなさなくてはいけないあざとい姿勢実現のためでしょう。これからどんな姿勢を見せてくれるか楽しみです。
あざとい服
公式絵を忠実に再現したミクの服がすごいです。服を作るところは動画のかなりの部分を占めてて、下手すると、本体より長くないか?という勢いです。どんなミク廃と言えど、この服に文句はつけられないのではないかという凝りよう。ここをがっちり押さえることで、正当なミクのロボットであることを世界73億のミクファンに有無を言わさず納得させています。
しかも、耐久性を考えて、洗濯できるようになっています。簡単に言いましたが、ミクの衣装には細かい模様がいっぱい入っていて、1号機ではそれを再現したものの洗濯ができなくなり苦労があったそうです。
まずは正当な衣装で文句ないデビューをしましたから、この子はこれから先どんな服を着ても初音ミクとわかってもらえるでしょう。これからどんな衣装をまとってくれるのか楽しみです。
あざとい体重
等身大で、電源入りでPC入りでこんだけ関節あって、しかも体重たった12kgって、すごくないですか? 詳しくないんですけど、そうとう軽いですよね。比較する対象間違ってますけど、pepper は29kg、2倍以上です。設計段階では8kgが目標だったとか、天才は、目標設定高いです。
そして、軽いは正義です。制作過程で雨のこと気にしたりとか、外に連れていく気満々なようで、確かに12kgならどこにでも連れて行けます!
軽いから、あざとく自転車の二人乗りなんて絵も撮れます。生きてないから合法です! でも、「生きてる良い子は真似しないでね」ってテロップは必要かもしれません。
さらには、お姫様抱っこどころか片腕抱っこされたまま歌うなんてことまでできてしまうのです。あざとい。あざとすぎる。
軽いことであざとい演技の幅が一気に広がるのです。
関連して、多様な場での演技の為でしょう、電源など内蔵で自律させていますが、そのかわり、動きはそれほど速くなさそうです。でも、とりあえずかつての「ニコニコ座の怪人」みたいに早回ししてもいいわけで。そんな演技もまた面白そうです。(「男女」やれって言ってるわけではないです。ないです!)