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ふくしまラーメンショー2014 速報!
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ふくしまラーメンショー2014 速報!

2014-05-04 03:00

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    ■「ふくしまラーメンショー2014」に行ってきた!

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    <会場入口の看板>

     5/2(金)に、郡山市開成山公園で開催中の「ふくしまラーメンショー」を訪問。2人で7杯のラーメンを食べてきたのでさっそくレビューします。

     平日の昼ということで不安もありましたが、GWの合間という事もあり、開始の10時少し前には80人程度が当日券を求め並んでいて、それを購入した人たちが早速並んで、賑やかにスタート。客席では、ラーメンを食べつつ感想を語る地元の方がいましたが、福島県民の皆さんはさすがラーメンに詳しい。喜んでいる姿を見ると私も嬉しくなります。

     5/3からは連休に入り、来場者も増えている様子。これから行く方は開始前から並ぶか、17時以降の訪問がよいかと思われます。また、風が強い日が続いているので、寒さと風への対策をしておくとよいかと。興味が湧いた方、お近くにお住いの方は是非、郡山まで足を運んでいただき、美味しいラーメンを食べてほしいと思います。

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    <平日昼でも行列ができていた>


    ■らぁ麺 やまぐち
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    鶏そば(700円)

     ラーメンショー開始前から並んだのがこちら。東京で人気の新店であるだけでなく、「店主が会津若松市出身」「先週の<鉄腕DASH>に出演した」という効果もあって、かなりの人が並んでいた。店主に「テレビ観たよ」と声をかけるお客さんが多いとのこと。初日の売上数も上位に立っていたらしい。

     ラーメンはやまぐちの基本メニューである「鶏そば」らしい鶏の味わいをしっかり感じるものだが、店で食べた時に比べると、生姜を強く出しているようにも思える。その分あっさり感と食べやすさがプラスされていて、イベントとして食べに来た一般のお客さんにも、あっさり醤油ラーメンとしてのわかりやすさと、「やまぐち」の凄さが共に伝わったのでは、と思える。

     本店は最近新作などで技を見せているが、改めてシンプルなラーメンを食べてみたくなった。ラーメン好きならスルーできないラーメンを、郡山でもチェックしてほしい。

    ふるさとに 飾る錦は 鶏の味

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    らぁ麺 やまぐち
    ふくしまラーメンショー3番ブース


    ■無鉄砲
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    黒豚骨ラーメン(700円)

     ラーメンショー開始前に同行者に並んでもらったが、当日券販売が始まる10分前から一気に客が並んだ。予め作っておいた豚骨スープも冷凍させて会場に持ち込むが、それだけでは全く無鉄砲の味にならないという。それぞれの会場で、そこに大量の豚骨を入れ、24時間体制で終了までひたすら煮込み続ける。そうすることで本来の味がでるそうだが、水や空気、豚骨の仕入先の違いなどで土地ごとに味が変わってくるという。福島では初挑戦だったが、羽釜を壊さんとばかり(時折、本当に羽釜の底を抜いてしまう)に、ひたすらかき混ぜる赤迫さんの表情は、徹夜明けながら明るい。

     スープはやはり、驚くほど濃厚な豚骨スープ。そこに黒いマー油が加わったもの。私は何度か食べたことがある無鉄砲の味だが、福島にはここまで濃厚な豚骨ラーメンはないわけで、ポタージュのように固体化されたスープに驚いているかも。関西と東京でこのパワーを見せている無鉄砲の味、福島の方にも是非体験してほしい。

     「味の引き出しがなくて」と謙遜する赤迫さんだが、どうしてどうして。豚骨一本でこれだけ「押し出しの強い」ラーメンは滅多にお目にかかれないのだから。

    豚骨を ひたすらに出す 力技

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    ラーメン無鉄砲
    ふくしまラーメンショー4番ブース


    ■日本のラーメンを変える若手っぽい会
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    塩煮干肉ラーメン(700円)+アオサ(100円)

     「ソラノイロ」「ほうきぼし」「ながれぼし」「えにし」など、東京で人気の「若手っぽい」ラーメン店がコラボした「わぽ会」。通常は限定メニューやスタンプラリーを実施。昨年の「東京ラーメンショー」では「東京背脂ブラック」を提供していた。

     今回は「塩煮干ベース」のスープにチャーシューを多くトッピングした一杯を提供。トッピングには「ユズ」「生七味」「アオサ」を用意していて、ベースの「塩煮干」を考えると、「わぽ会」の一員である「ソラノイロ」の2号店、「ソラノイロ salt & mushroom」の塩煮干ソバがベースになっているようにも感じられる。

     実は前日の昼食に、同店で「塩煮干アオサソバ」を食べていたが、近いものの微妙に違いも感じる。わぽ会コラボとして提供している今回の方が、分かりやすい味付けになっているように感じる。丼の底にある胡椒の量がその違いのポイントなのかも。外で食べるイベントだからこそ、その工夫が嬉しい。

     食べた2日目はやや厨房機器のトラブルでもたついたりしていた所が見受けられたが、混み合う連休期間には全力を出してくれると期待している。

    若手でも 変える力と 熱がある

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    日本のラーメンを変える若手っぽい会
    ふくしまラーメンショー7番ブース


    琉球麺侍
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    ちゅら塩ラーメン(700円)

     沖縄の人気ラーメン店がコラボした「琉球麺侍」。沖縄らしさ、沖縄ならではの素材を集めた「ちゅら塩ラーメン」を、「東京ラーメンショー」を始めとした各地のイベントで提供している。
     スープは豚骨ベースの清湯に、昆布由来と思われる出汁も感じるもの。沖縄と言えばやはり豚。具にも豚チャーシューと刻んだ昆布を乗せている。沖縄の「ちゅら塩」を使っているそうだが、そのミネラル分の効果なのか、素材のクセはあまり強く出ていないようにも思える。初めて食べた「ちゅら塩ラーメン」と比べると、基本的な作り方は変わっていないと思うのだが、徐々に一体感を増しているように思える。
     太麺は沖縄そばを思い起こさせる部分がありつつも、ラーメンらしいコシをちゃんと感じさせるもの。トッピングされた具の中で目を惹くのは、ウコンに漬けて白身を黄色く染めた味付玉子。実はこれ、半分に切った玉子を白身側を見せるように乗せている。
     余談だが、沖縄そばの一種である「八重山そば」では、具を全部麺の下に隠したという。税金を徴収する役人に、贅沢しているように思われたくないという苦心から生まれたスタイルだが、それとは逆に、見た目でアピールするのが、今のウチナースタイルなのかもしれない。

    福島に ウチナーの風 連れてきた
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    琉球麺侍
    ふくしまラーメンショー8番ブース

    ■房総竹岡式
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    竹岡式ラーメン(700円)+チャーシューヤクミ増し(300円)

     ラーメン好き以外には馴染みが薄いと思われる「竹岡式」。「式」という文字が示す通り、作り方が独特。スープを採らず、チャーシューの煮汁を使った醤油をお湯で割り、乾麺を茹でて入れてチャーシューとヤクミ(玉葱)を乗せるスタイル。東京湾に面する小さな漁港で作られてきたラーメンをアレンジ。竹岡式の元祖「梅乃家」が使っている千葉市の都一製麺から乾麺を仕入れているが、イベントということを意識して茹であげ時間は通常より半分程度で仕上がるように改良しているという。
     ラーメンに、チャーシューヤクミをトッピングしたら、丼から麺が見えないほどになってしまった(笑)。乾麺から戻した、縮れある細麺が醤油ダレにしっかりと絡んでくる。
     チャーシューは脂の入り方が絶妙で、煮豚ながらボリュームと食べやすさ、肉っぽさを存分に味わえるもの。「ラーメンのチャーシューは焼豚でないと」と言う人も、この煮豚の力強さには一目置いてくれるはず。そして、そのチャーシューが醤油に豚の旨みを伝えてくれる。ヤクミに使われているタマネギも下ごしらえをしているからラーメンの味をじゃましない。

    竹岡の 醤油たずさえ 福島へ
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    房総竹岡式(拉通)
    ふくしまラーメンショー5番ブース

    ■金沢麺達兼六会
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    加賀味噌肉盛りソバ(700円)


     金沢の人気店「神仙」「一心屋」「侍の侍」が集結したコラボ。創業100年を誇る加賀味噌をベースに、動物系スープをあわせてアツアツにした、インパクト抜群のラーメン。

     具には鉄鍋で炙った豚バラ肉を使用していて、これが味付けが濃くて美味しい。モヤシやナルトなどをトッピングしていてラーメンらしさをプラスしながら箸休めになっている。

     太麺を使っているのでのびにくく、熱くて濃い味をしっかり感じ取れるようになっている。

     元々は金沢の店主によるコラボが原点だったが、この加賀味噌を使った一杯が話題を集め、現在はこのメニューを提供する新店も出しているという。

     「東京ラーメンショー2013」で売上数一位になったという、パワフルな一杯を楽しんでみてほしい。製造工程の都合と人気もあって、やや回転が気になるところだが、ラストまで元気な所を見せてくれるのではなかろうか。

    加賀味噌が 金沢照らす 鏡なり

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    金沢麺達兼六会
    ふくしまラーメンショー2番ブース

    福島ラーメン組っ!獅子奮迅隊
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    福島鶏白湯(700円)+川俣シャモ鶏団子(300円)


     福島県の若手ラーメン店主によるコラボ。昨年の東京ラーメンショーでは、醤油味の「福島黒中華」を提供。地方のイベントではその地元のブースは後回しにされてしまう傾向があり、お客さんの入りが気になっていた。

     ブースで注文をする際、直前で鶏団子を調理している様を見せられる。この誘惑に勝てるわけなくトッピングを注文。この鶏団子、当初は他の鶏肉とブレンドしようとしたけれども、美味しさが全然違うということで、「川俣シャモ」100%の鶏団子にしたとのこと。コストもかかるが美味しいものを食べてほしいという心意気が伝わってくる。

     スープは「川俣シャモ」「会津地鶏」「伊達鶏」の3種類の県内鶏を使用。鶏白湯のコクをしっかり出しながら、特定の味を立たせない、丸い味わいのスープが実に美味しい。鶏白湯には鶏油を乗せているケースが多いが、この「福島鶏白湯」は、鶏油のくどさは感じず、鶏の味わいだけを感じさせる名作」。チャーシューの味付けも、もちろん川俣シャモの鶏団子もスープによく馴染む。

     薬味は青ネギ、白ネギ、揚げネギがミックス。白ネギがやや強さを感じさせていたが、揚げネギがスープによく馴染んでいて抜群。

     地元ながら、初日の売上数では中位につけていると聞いて嬉しくなった。若い店主達が作っている本気のラーメン。「ふくしまラーメンショー」では決して食べ逃してはいけない一杯と言わせていただきます。

    故郷の 素材を一つに して届け

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    福島ラーメン組っ!獅子奮迅隊
    ふくしまラーメンショー6番ブース

    c557c6830f3e2bc329f263c11be51fa2cf589930山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。

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