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 石川 温の「スマホ業界新聞」

                                                  2013/02/16(vol.022)

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《目次》
1.エイベックス&ソフトバンク「UULA」スタート
━━6万コンテンツにカラオケはどれくらい含まれる?
2.NTT R&Dフォーラム2013に行ってきた
━━ NTTが北米にR&D拠点を設立へ
3.NTTドコモがNFCに注力する理由
━━3割に留まるおサイフケータイ利用経験
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記

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1.エイベックス&ソフトバンク「UULA」スタート
━━6万コンテンツにカラオケはどれくらい含まれる?
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 2月14日、エイベックス・エンタテインメントとソフトバンクの合弁会社である「UULA(ウーラ)」が、総合エンターテイメントサービス「UULA」を開始した。月額490円で映画やドラマなどの映像コンテンツだけでなく、ミュージックビデオ、ライブ、カラオケなどの音楽コンテンツが楽しめる。6万種類以上という豊富なコンテンツを「見放題」で楽しめるという点が売りだ。
 すでにスマホ向けの「見放題」サービスと言えば、NTTドコモが「dビデオ」、KDDIが「ビデオパス」を提供中だ。dビデオは月額525円で約7000タイトルを誇る。ビデオパスに関しては月額590円となり、総タイトル数は非公開だが、新作が1本視聴できると言う点が特長となる。KDDIはauスマートパス(月額390円)との組み合わせで、980円から780円に値引くサービスを提供している。
  各キャリアで似たようなサービスが並び始めたが、UULAとしては「音楽機能を強化した」(エイベックス・エンタテインメント、デジタルコンテンツ本部・村本理恵子副本部長)という。
 エイベックスはすでにご存じのように、NTTドコモには「dビデオ」のサービスを提供している。実際、かつて「dビデオ」の前身とも言うべき「BeeTV」の取材をエイベックスにしたことがあるのだが、その時対応してくれたのは、村本氏であった。UULAを担当するスタッフもdビデオを手がけている人が多いようだ。昨年開催されたソフトバンクの新製品発表会の時に見かけたエイベックスのひとに「どんなサービスになるんですか」と聞いたところ「dビデオとの掛け持ちで、まだこちらのサービスの差別化は考えられていない状況。これから練る感じ」という回答であった。当初、昨年末にサービス開始の予定であったが、年が明けて2月までにずれ込んだ背景には、もしかすると、サービスを構築するのに時間がかかったのかも知れない。
 UULAではエイベックスの象徴というべき「音楽」に注力することで、「dビデオ」との差別化を図っていくようだ。他社と比べて6万種類という圧倒的なコンテンツ量を、優位点をして訴求していくが、他キャリア関係者によれば「あんなもん、カラオケとミュージックビデオを入れれば、簡単に6万なんて数字、作れちゃうもんですよ」と語る。
 UULAでは、JOYSOUNDからの提供によって、カラオケコンテンツを提供していく。「最新の歌いたいと思える曲はほぼすべて網羅している」(エイベックス・エンタテインメント、星野拡氏)というほどだ。
 試しにJOYSOUNDの楽曲数を調べたところ、「カラオケJOYSOUND」というカラオケアプリでは約10万曲が提供されている。実際にUULAで配信される音楽コンテンツと、カラオケアプリで配信される楽曲では、コンテンツの種類も異なるだろうが、いずれにしても、JOYSOUDでは10万曲近い楽曲データを所有していることになる。
 気になったので、村本氏に「6万種類のコンテンツと謳っているが、JOYSOUNDには10万近い楽曲データがある。実際、UULAではどれくらいのカラオケコンテンツがあるのか」と直接、訪ねてみたところ、「数万種類となる」(村本氏)との回答だった。
 「6万のうちの数万」ということで1万に近いのか、6万に近いのかは定かではなかったが、いずれにしろ、かなりの割合がカラオケコンテンツなのは間違いなさそうだ。