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石川 温の「スマホ業界新聞」
2013/03/03(vol.024)
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《目次》
1.第3のOS「FirefoxOS」「Tizen」登場
━━ユーザーに新しい価値を提供できるのか
2.MWCで存在感が大きかった日本メーカー
━━技術力、マーケティング力、コンテンツ力を世界で生かせるか
3.バルセロナでNFCスマホが本格デビュー
━━世界でNFCは羽ばたくことができるのか
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記
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1.第3のOS「FirefoxOS」「Tizen」登場
━━ユーザーに新しい価値を提供できるのか
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今年のMWCにおける最大の話題は何と言っても「第3のOS」とも言える「FirefoxOS」と「Tizen」だろう。まさに今年は去年から「主役交代」という印象もあるほどだ。
グーグルは昨年まで大規模なブースを構え、様々なアプリを集めた展示を実施。巨大な滑り台があったり、「Ice Cream Sandwich」(OSじゃなくて食べ物のほう)や「jellybean」を無料で配るなど、大盛況であった。マイクロソフトも昨年まではブースを出展。去年は何も展示がなく、Tシャツを配るだけであったが、それでも展示スペースは確保していた。
しかし、今年は会場が新しい場所に引っ越したせいか、両陣営ともにブース出展を見合わせた。グーグルの影は一切なく、関係者が商談やメディア対応をひっそりと行う程度に留まっている。一方のマイクロソフトは、昨年は大々的にWindows8関連の記者会見を開いていたが、今年はそれもなく、会場から十数キロ離れた場所にあるホテルを借り、世界の事業者と商談などを行っていた模様だ。ホテルにはスティーブ・バルマーの姿もあった。
そんな、これまでのプラットフォームたちがひっそりとした活動をするなか、精力的に動いていたのが、Firefox OSとTizenだ。
FirefoxOSは、通常、端末メーカーが大規模な記者会見を行う日曜日にイベントを実施。メディア関係者だけでなく、キャリア関係者も呼び、盛大に行った。日本からもKDDI関係者が数名、イベントに参加。記者の囲みに応じている。Firefoxを手がけるモジラはブースも設置し、まもなく発売となるFirefoxOSを搭載した「ZTE OPEN」の触ることができた。人も多く集まっており、説明員も声をからすほどの盛況ぶりであった。
一方のTizen陣営は、会期2日目の夜に、パーティ兼関係者向けイベントを実施。Tizenのチェアマンである、NTTドコモの永田清人氏が、Tizenの方向性などを語った。会場にはサムスン製の端末も展示され、実際に触れる状態であった。しかし、Tizen自身は展示ブースなどは出展しておらず、あくまでイベントだけ開催したという感じだ。
FirefoxOSもTizenも、いずれも「グーグルやアップルからの縛りから解放されたい」というキャリアやメーカーが寄り集まったものという意味合いが強い。KDDIは「過去のOSを否定するものではない」というが、当然、3つや4つのプラットフォームを扱えば、「あちらを立てれば、こちらが立たず」といった状態になる。キャリアやメーカー自身は本心はなかなか語らないものの「真のオープン」を求めてFirefoxOSやTizenに群がっているのは明らかだ。