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石川 温の「スマホ業界新聞」

2019/06/01(vol.326)         

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《目次》
1.突如発表になった「第7世代iPod touch」をレビュー
━━iPhone SE復活の可能性を感じさせる「懐かしい風貌」
2.9月20日の5Gプレサービスは「全国規模」で展開
━━「4Gエリアあっての5Gエリア」が重要に
3.突然、降って湧いた総務省での「端末割引3万円」議論
━━「最初から議論していれば、おかえしプログラムは不要説」
4.今週のリリース&ニュース
5.編集後記

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1.突如発表になった「第7世代iPod touch」をレビュー
━━iPhone SE復活の可能性を感じさせる「懐かしい風貌」
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  5月28日、アップルはなんの前触れもなく、突然「第7世代iPod touch」を発表、発売した。見た目は従来モデルをそのまま踏襲。プロセッサには、iPhone 7と同じ「A10 Fusion」を採用し、最高256GBのモデルも用意された。
 昨日、我が家に実物が届き、早速使ってみたが、最初の感想は「新製品だけど、なんだか懐かしい」というものだった。
 まず、画面サイズは4インチ。iPhone SEと同じだ。ウェブやアプリを使ってみたが、「昔、よくこんな小さい画面でみていたな」と感心してしまうほどの小ささだった。 
 iOS製品で長らく使われていたホームボタンも健在。しかし、Touch IDではない。画面ロックを外す時、いちいちパスコードを入力しなくてはいけないのがまどろっこしい。
 また、3.5mmのイヤホンジャックも装備している。
 2万1800円(税抜)から手に入るiOS製品ということで「iPhoneはまだ早い」という学生の音楽プレイヤーやゲーム端末としてのニーズを満たしてくれそうだ。
 もちろん、レストランなどで注文を受ける端末としての需要もありそうだ。やはり、「セルラー通信料という維持費のかからない小型iOS端末」は手堅い人気があるのだろう。
 ここ最近のアップルをみていると、無理に新しいデザインや筐体を起こすことなく、従来のデザインをそのまま踏襲した新製品が増えてきたように思う。さらに、もはやディスコンかと思っていた製品が、地味に復活するケースが増えてきている。
 例えば、MacBookであれば、MacBook Air、iPadもiPad miniが復活した。もちろん、今回のiPod touchも復活組と言える。
 それぞれ、それなりにヒットを飛ばしたモデルであり、長年、愛してやまないファンも多い。やはり、「MacBook Airなら薄さ」「iPad miniなら画面サイズ」「iPod touchはセルラーではない手軽さ」が手放せず、どうしても同じデザイン、大きさ、通信仕様が出るまで待ってしまうのだろう。
 ここ最近のアップルの商品戦略をみていると、やはり「iPhone SEの復活」もありえるような気がしてきた。もちろん、iPod touchがホームボタンで復活したことを考えると、iPhone SEもA10 Fusionを載せて、デザインそのままでの復活というのもありえるような気がしている。
 このタイミングで、筐体のデザインを一切変えなかったiPod touchを触っていると、そんな気持ちになってくるのだった。

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2.9月20日の5Gプレサービスは「全国規模」で展開
━━「4Gエリアあっての5Gエリア」が重要に
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 5月31日、engadgetの読者向けイベントで、NTTドコモ・5Gイノベーション推進室の奥村幸彦氏とのトークセッションに登壇した。
 そのなかで印象的だったが、9月20日にラグビー・ワールドカップのタイミングで5Gプレサービスが開始されるが、エリアは「全国的に展開される」という情報だ。
 これまで、ラグビー・ワールドカップを意識したプレサービスということで、てっきりラグビー場周辺だけかと思いきや、そうではなったのだ。