研究者とは,どんな人たちなのでしょうか?
あなたなら,どんなことを聞いてみたいですか?
課題2 (有効回答数37)
プロテオサイエンスセンターの林教授へのインタビューを考えよう!
1 みんなの質問は?
質問の内容を整理して以下に示します。内容が重複していた質問に関しては,ひとつのまめて文章を修正しています。みなさんのインタビューの内容は,大きく分けて
・無細胞タンパク質合成システム
・研究全般について
・研究者の将来像について
の3つの分けることができました。
- 愛媛大学の遠藤先生が研究されるまで,コムギ胚芽抽出液は何らかの理由でうまく行かなかったと事前学習動画で学びました。どうして,当時はうまくいっていなかったコムギ胚芽抽出液に注目したのですか?
- 事前学習動画で,コムギ胚芽抽出液の中にある翻訳を邪魔する物質を見つけて取り除くことで無細胞タンパク質合成システムの研究がうまく言ったと学びました。この翻訳を邪魔する物質は、どのように見つけ、どのように取り除いたのですか?
- 無細胞タンパク質合成システムの研究で大変だったことはなんですか?
- 無細胞タンパク質合成システムで,できるようになることのうち,林先生が一番期待されているのは,どんな研究ですか?
- 無細胞タンパク質合成システムで使用するDNAもしくはmRNA は,研究者が自分でつくるのですか? それとも買ったり、自然にできるものを使うのですか?
- 無細胞タンパク質合成システムの一番素晴らしいと思う所はどこですか?
- この研究の成功には大変なご苦労があったと思います。研究が成功するまで、どのくらいの時間がかかったのですか?
- この無細胞タンパク質合成システムを使えば、今まで作ることのできなかったたんぱく質(有毒なものなども含む)を作ることができるようになりますか?
- 私は遺伝の研究について興味があります。生物に他の生物の遺伝子を働かせる研究はどのくらいすすんでいますか?
- 遺伝暗号の解読が普通と違う生物は,他の生物とどのような点が異なっているのでしょうか?
- タンパク質をつかった実験をする時に,他の実験と違って,とくに注意しなければいけない点はあるのでしょうか?
- 新しく設計したタンパク質を使って食品内の栄養分を変えて、少ない量の食事でバランスよく栄養を取ったりすることはできるでしょうか?
- 生物のないところから、タンパク質を作り出すことができるとすると、昆虫や哺乳類などのクローンを作成することも将来的には可能なのでしょうか?さらに、恐竜を再生することも可能なのでしょうか?
- 将来、もしも地球が食糧危機になったとき、食料(タンパク質)を確保するための手段としても利用できますか?
- 研究をしていく中でなかなか進まず壁に当たることもあると思います。そんな時に辛抱強く,研究を続けて成功に導くために大切なことは何でしょうか?
- ぼくは将来,化学の研究者を目指しています。化学の研究者になるためには,どんな勉強が必要ですか?
- 先生にとって研究は,どういったところが楽しいですか?
- 先生は,子供の頃から研究を行っていましたか? もし行っているとすれば,どんな研究を行っていましたか?
- 先生が,研究している際に,1番重要だと思っていることは何でしょうか?
- いままでの研究で心に残っているものは,どんな研究ですか?
- 研究において,予想外の出来事が起きたときには,どのように考え,対応すればよいでしょうか?
- 研究者になって、楽しかった研究は何ですか?
- なぜ研究者になったのですか?
- この研究をする上で努力していることは何ですか?(メモ、記録、考察、観察など)
質問について,見える化エンジン(プラスアルファ・コンサルティング)で分析してみましょう。
見える化エンジンは,こちらの解説記事か,以下の動画を見てください。
動画はYouTube版も公開されています(視聴はリンクをクリックしてください)。
すべての質問の分析結果は以下の通りです。
表1 単語の出てくる回数ランキング
これを文章のつながりが見えるマッピングに直すと図1になります。
図1 全体マッピング
タンパク質(1位)と研究(2位)は,おなじグループにありますので,広い意味で単語間につながりがある文章が出てくるようですね。コムギ胚芽無細胞タンパク質合成システムは,上記の質問グループのひとつになっていることからも,注目が高いことがわかります。また,そこから研究全般への質問などにもつながっているので,もっとも単語数が多いグループになっています。
物質(3位)は,それらとは違うグループで,翻訳を邪魔する物質という文脈で出てくるようです。コムギ胚芽無細胞タンパク合成システムは,コムギ胚芽に含まれる翻訳を邪魔する物質をのぞくことによって研究が成功した点についての質問が多いことを示しています。図1左上のコムギ胚芽というグループは,そうした文脈の一部です。
では,質問に男女差はあるのでしょうか?
先ほどのランキングを男女別に集計した結果が図2です。
図2 男女別の回答傾向
人数差がありますので,単純にくらべることはできませんが,一番上の青と上から2番目のピンクに差がありそうです。
男子はタンパク質や無細胞,物質という物質名に関する記述が多く,
女子は研究や研究するという行動に関する記述が多い,
という傾向があるとすると,以前の分析とおなじように,
男子は物質,
女子は人
に注目するという傾向があるように見えますね。
男女で人数差がありますので,人数がもっと集まれば詳しく議論できそうです。
校種で違いはあるでしょうか?
小学生と中学生で分析してみましょう。
図3 校種別の回答傾向
上が小学生,下が中学生です。こちらも上から2番目のピンクに大きな違いがありますね。小学生は物質がトップで,中学生はタンパク質がトップです。また下から4番目の黄緑も大きく違います。これは邪魔するという単語です。
小中学生をくらべてみましょう。
小学生は,
物質,邪魔する,翻訳
などの単語のが多く出てくることがわかります。
小学校の理科は,観察が主体であるため,現象の違いに注目しやすいことに原因があるのかもしれません。
中学生は,
タンパク質,研究,作る
などの単語が多く出てくることがわかります。
中学校になると,観察から原理や法則に学習が進むため,物質名や研究という活動に注目が移ることに原因があるのかもしれません。
どうでしょうか?
性別や学年による注目の仕方のちがいがありそうですね。