衆院予算委で高橋議員要求

みなし仮設住宅延長 厚労相「前向き検討」

 「人びとが戻って、生き生きと暮らしていなければ、本物の復興とは呼べない」―。日本共産党の高橋ちづ子議員は12日の衆院予算委員会でこう述べ、東日本大震災と福島原発事故からの復興に国が責任を果たすよう求めました。

 高橋氏は「復興は被災者が主役」「暮らしと生業(なりわい)の再建が大前提」と述べ、被災者への政府の冷たい対応を告発。「医療・介護の減免がなくなったら大変。どこにもすがりようがない」という被災者の声を紹介し、昨年9月に政府が打ち切った医療・介護減免への全額国庫補助の復活を求めました。


 安倍晋三首相も、田村憲久厚労相も「10分の8は補助する」「(減免は)それぞれの自治体・保険者の判断」などと述べ、自治体まかせの態度に終始しました。


 高橋氏は、宮城と岩手両県で医療・介護の減免などを受けている人がのべで約50万人に上ったことを指摘。宮城県石巻市では医療費の増大で国保財政が14億円の赤字になりながらも市長は「なんとか保険料を上げたくない」と訴えているとして「4月からも安心して医療・介護が受けられるというメッセージを国が出すべきだ」と強調しました。


 さらに高橋氏は、原発事故の被害が続いている福島では、避難している人もそうでない人も、すべてが「『原発事故の被害者』との立場に立つことが福島復興再生に取り組む出発点だ」と強調。約3000人が避難している山形県米沢市の支援センターの実態にもふれ、3年期限とされているみなし仮設住宅の延長や復興公営住宅建設促進を求めました。みなし仮設の延長について、田村厚労相は「前向きに検討する。自主避難者も同じような扱いで検討する」と述べました。


 高橋氏は、浪江町が避難解除時期について「人々が暮らしを営むことができる水準であること」などをあげているとして、「早く帰すために基準をゆるめたり、支援を打ち切ることはあってはならない」と要求。また、賠償や支援に線引きが持ち込まれている背景には、原発事故の「収束宣言」があるとして撤回を求めました。


 安倍首相は「収束した状況といえないと思っている」と述べるにとどまりました。