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どこからみても中止しかない消費税増税
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どこからみても中止しかない消費税増税

2013-04-01 09:54

    どこからみても中止しかない消費税増税

    安倍内閣は来年4月実施狙うが

     安倍晋三内閣は、景気がみかけのうえでは上向いているかのような状態をつくりだし、現行5%の消費税率を2014年4月から8%に、15年10月から10%に引き上げようとしています。しかし、消費税増税はどこからみても道理がありません。

    社会保障のためというが…

    全分野給付減と負担増

     政府は消費税増税で「社会保障の安定財源を確保」して「“全世代対応型の社会保障”を充実します」と宣伝してきました。

     しかし、安倍政権は生活保護費の大幅削減を皮切りに、介護、医療、年金など、すべての分野で給付削減と負担増を計画しています。「社会保障を充実する」という増税の口実は崩れ去っています。

     生活保護では、日常生活費をまかなう生活扶助基準を3年間かけて段階的に670億円引き下げ、年末に支給される期末一時扶助も70億円削減する計画です。生活保護法を大改悪し、低賃金で働かせたり、子どもや兄弟姉妹などに扶養が困難な理由の説明を求めて、生活保護利用を締め出そうと狙っています。

     介護では、利用料(現在1割)の引き上げや「軽度者」を保険給付の対象から外す方向を検討中。医療では、70~74歳の患者負担の倍増や風邪薬などの「市販品類似薬」を保険給付の対象から外すことをたくらんでいます。

     年金でも、「マクロ経済スライド」を毎年必ず発動し支給額を0・9%ずつ減らしていくことや、支給開始年齢のさらなる引き上げを狙っています。

     消費税増税が“社会保障のため”などでないことは明白です。

    財政再建のためというが…

    ムダな公共事業を復活

     大都市環状道路や国際コンテナ戦略港など無駄と浪費の巨大公共事業が復活するもと、「財政再建のため」という口実は通用しません。

     今日の財政危機は1990年代に“国と地方で公共投資に50兆円、社会保障に20兆円”という逆立ちした財政が招きました。

     ここにきて、不要不急の大型公共投資が大手をふるって復活しようとしています。東日本大震災を受け、「国土強靭(きょうじん)化」「防災・減災」の名で「10年間で200兆円」(自民党)、「10年間で100兆円」(公明党)と競いあい。消費税増税法の付則に「成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分する」との項目を盛り込み、増税分を公共事業にも使えるようにしてしまいました。

     消費税を増やしても、経済が悪くなれば財政は悪化します。97年に橋本自民党内閣は消費税を3%から5%に増税しましたが、景気の悪化と大企業・大資産家減税で税収は10年間で14兆円も減ってしまいました。

     消費税増税で景気を悪化させたうえ、無駄と浪費では「財政再建」は吹き飛びます。

    日本経済を奈落の底へ

     消費税増税は、「デフレ不況」に苦しむ日本経済を奈落の底に突き落としてしまいます。

     消費税率が10%になれば、政府試算でも年収500万円のサラリーマン4人世帯で年11・5万円の負担増となります。ほかの増税や社会保障保険料負担、児童手当削減などを含めると年31万円の負担増です。月収分が消えます。この4年間で労働者の平均年収が21万円も減るもとで、家計はとても耐え切れません。

     東日本大震災の被災者にも消費税増税はのしかかります。大企業は増税分を価格に上乗せできても、多くの中小零細企業・業者は価格に転嫁できず身銭を切るしかありません。

     1997年の苦い教訓を思い起こす必要があります。

     当時は4年間平均で年収が21万円増えていたのに、消費税増税など9兆円の負担増が経済失速の引き金となり、長期不況を招きました。増税を実施した橋本首相は後に「失政」だったと認めました。

     いまは、働く人の所得が減り続けています。そのもとで総額13・5兆円もの大増税を強行すれば、97年増税を上回る大打撃が暮らしと経済を襲うことになります。

    別な道がある 能力に応じた負担 所得を増やす

     消費税増税はきっぱり中止すべきです。

     日本共産党は、消費税に頼らない別の道があると訴えています。

     (1)「能力に応じた負担」で社会保障をよくする(2)所得を増やして経済を立て直す―この二つの改革を同時並行ですすめることです。

     社会保障をよくするためには「応能負担」―能力に応じて負担する税制へと大改革をおこなうことが必要です。年収が1億円をこえるような富裕層や、巨大な経済力をもつ大企業ばかりが優遇されているいまの税金のあり方はまちがっています。

     社会保障をよくし、将来不安がなくなれば、消費が増えます。保育所や特養ホームなど、地域に仕事が生まれ、経済にもプラスの効果がひろがります。

     国民の所得が減り、経済成長も止まったままでは、社会保障の財源づくりも、財政危機の打開もできません。経済が冷え込んでいるのは、国民が生み出した富が大企業の内部に260兆円もためこまれ、“死に金”になっているからです。

     日本共産党は、国民の暮らしと権利を守るルールをつくり、国民の所得を増やす経済改革をおこないます。そうすれば、税収を増やし、社会保障の財源をつくることも、財政危機を打開する道を開くこともできます。

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