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トンネル事故 問われる公共事業
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トンネル事故 問われる公共事業

2012-12-09 11:13

    トンネル事故 問われる公共事業

    歴代政権 道路・港湾づくり熱中、維持・更新は後回しに

    共産党 命・安全守る事業に転換

     中央自動車道トンネルの天井崩落事故を受けて、公共事業のあり方が総選挙の焦点になっています。

     道路や橋など公共施設の維持・更新にかかる費用は政府推計で190兆円。小中学校など自治体の公共施設を加えると今後50年間で300兆円を超えるとみられています。歴代政権は、新しい道路や港湾などをつくることに熱中する一方、維持・更新は後回しにしてきました。

    開発競う3党

     自民党は、10年間で200兆円を投じる「国土強じん化」を掲げ、「国が率先して公共投資をしていく」(安倍晋三総裁)と主張。公明党も10年間で100兆円の「防災・減災ニューディール」を掲げています。

     自民党の計画は「日本海国土軸」など大型公共事業が柱で、70年代の「列島改造」を再現させるものです。

     民主党は「元の自民党のバラマキに戻るのか」(野田佳彦首相)と批判。しかし、「コンクリートから人へ」の公約を投げ捨て、1メートル1億円もかかる東京外環道や八ツ場(やんば)ダム、整備新幹線など次々と復活させたのは野田政権です。先の国会で民自公3党は、消費税増税分を公共事業に充てられるように消費税法まで書き換えました。

     日本維新の会の橋下徹代表代行も「公共工事をどんどんやるのはノーだ」と主張。しかし、石原慎太郎代表や橋下氏が東京や大阪でやってきたのは、財界の求める臨海部開発など大型公共事業の推進です。橋下氏の「大阪都構想」も、財界による「大阪改造計画」を進めるためです。

     これに対して日本共産党は、公共事業バラマキの復活は許されないと批判。「新規建設から維持・管理・更新に重点を移し、大型開発から命と暮らしを守る地域密着型の公共事業に変えるべきだ」(穀田恵二前衆院議員、3月1日の予算委)と求めてきました。東京や大阪でも、住民生活を犠牲にした財界いいなりの臨海部開発にきっぱり反対してきました。

     日本共産党が伸びてこそ、国民の命と安全を守る公共事業に転換させる力となります。

    「民営化」推進

     崩落事故をめぐっては、高速道路会社の安全ないがしろの実態が問題になっています。

     道路公団を民営化して高速会社が発足したのは2005年。「官から民へ」の名で公共サービスを切り捨てる「民営化」路線を進めた小泉・自公政権でした。民営化の旗振りを務めたのが、猪瀬直樹東京都副知事(当時)です。

     民営化のさい、管理コストの3割削減を義務付け、人減らしや下請会社の切り捨て、検査・補修の規定緩和などが行われました。今回の事故はそうしたもとで起きた問題です。

     道路公団民営化について日本共産党は「40兆円の債務を国民に押し付け、歯止めなき高速道路建設に道を開く」と批判。高速道路計画を見直し、天下りやファミリー企業は廃止し、公共企業体として再生させる改革を主張しました。民営化後の事態はこの指摘の正しさを示しています。

     維新、みんなは「政府・自治体の事業を民間開放」と主張していますが、破たんした小泉「改革」路線にしがみつく復古政党であることを示しています。

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