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大震災2年4カ月―3度目の夏に政治が問われる
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大震災2年4カ月―3度目の夏に政治が問われる

2013-07-11 10:50

    主張

    大震災2年4カ月

    3度目の夏に政治が問われる

     きょうは東日本大震災からちょうど2年4カ月です。いまも約30万人が避難生活を強いられ、巨大津波に襲われた沿岸部のほとんどが更地のままとなっています。政府の従来型の「対策」が復興の足を引っ張り、多くの被災者は「私たちは見捨てられたのか」といら立ちを募らせます。被災者に安心と展望を示す政治こそが求められます。21日投票の参院選は、被災者と心を一つに被災地中心の復興を加速させる政治を実現するための重要な選択の機会です。

    願いに逆らう安倍政権

     被災地に3度目の夏がめぐってきました。すでにきびしい真夏日が続き、猛暑のきざしです。長期化する避難生活で心身ともに疲弊している被災者には、とりわけ過酷です。外の気温が室内にそのまま伝わるプレハブの仮設住宅の環境は劣悪です。電気代を節約してエアコンを我慢する被災者の熱中症などの健康被害が心配されます。

     被災者の健康を支える支援をますます強めなければならないはずなのに、政府の姿勢は正反対です。民主党政権は医療費窓口負担や介護保険利用料を無料にするための国の財政支援を容赦なく打ち切りました。自民・公明連立の安倍晋三政権も、無料化復活を求める声を拒み続け、被災者の苦難に追いうちをかけています。

     宮城県の保険医協会と民医連の調査では、多くの被災者が必要な受診を我慢している実態が浮き彫りになり、「津波で無職になり貯金を切り崩し、生活費を切り詰め、服も一枚も買ってない。せめて医療費だけでも無料に」「医療費をつくるため食費を削るしかない」と悲痛な声が寄せられています。宮城県議会は、仮設住宅の自治会長が求めた医療・介護負担金減免を求める請願を全会一致で採択しました。党派を超えた被災地の声に国は真剣にこたえるべきです。

     被災地にたいする、あらゆる支援策に期限をつけたうえ、「期限切れになった」と機械的に打ち切ることは現場の実情にあいません。道路再建などを元の場所でしか認めないなどという画一的な「復旧」は復興の足かせにしかなりません。「計画」を上で決めて、現場に押し付けるやり方の見直しが必要です。復興予算を被災地と無関係の事業に流用できる仕組みの大本である「復興基本法」を成立させた自民、公明、民主3党の責任は重大です。不合理な仕組みは即刻あらためるべきです。

     「アベノミクス」など安倍政権が推進する悪政は、被災地に新たな痛みをもたらすことは明らかです。すでに燃料費など輸入品の価格上昇などが被災地の生活と営業に打撃を与えています。来年4月からの消費税増税は被災地にさらなる負担を押し付けるものです。環太平洋連携協定(TPP)参加は農林漁業が主要産業である被災地の経済をますます疲弊させます。復興の努力を打ち砕く安倍政権の暴走をストップさせなければ真の復興はありません。

    公的支援など国が責任を

     安倍政権の復興の取り組みに47%が「評価しない」と回答(「朝日」9日付)しています。抜本的転換はまったなしです。被災者の生活と生業の再建にむけ、必要な公的支援など国が責任を果たすことを中心にすべきです。日本共産党は、被災者と心を合わせて復興へさらに力を尽くします。

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