日本共産党の市田忠義書記局長は、15日に68周年の終戦記念日を迎えるにあたり、次の談話を発表しました。

 68年目の終戦記念日にあたり、日本共産党は、日本軍国主義の侵略と植民地支配によって、犠牲になられた2000万人ものアジアの人びと、国内の310万人を超す方がたに、あらためて心からの哀悼の意を表します。

 戦後の世界政治は、日本、ドイツ、イタリアがひきおこした不正不義の侵略戦争を二度と再びおこしてはならないという決意を原点に出発しました。戦後の日本も、野蛮な侵略戦争と植民地支配の根本的反省のうえに、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」との決意を憲法に書き込みました。これは、日本が国際社会に復帰する“誓い”でもありました。

 ところが、終戦68周年の記念日を前に、こうした戦後の世界政治の原点を否定し、世界にたいする日本の戦後の“誓い”を捨て去ろうとする重大な事態が進行しています。安倍政権は、侵略と植民地支配の誤りを認めた「村山談話」などの政府見解を否定しようとしています。日本の侵略戦争の精神的支柱であり、その戦争が「自存自衛の正義の戦争であった」と宣伝する靖国神社に、閣僚があいついで参拝しています。一部の政治家からは、日本軍「慰安婦」問題への軍の関与・強制を否定する発言が繰り返されています。ナチス・ドイツの蛮行を「見習うべきだ」とする麻生副総理発言までとびだしました。歴史に逆行するこうした行為にたいして、日本国内はもとより世界各国からも、厳しい批判の声があがっています。

 軽視できないのは、これらの動きが、「海外で戦争ができる国」にするための「集団的自衛権」の憲法解釈の見直しや、さらには、戦力不保持と交戦権否認を規定した憲法9条を改悪しようとする動きと一体に、公然とすすめられていることです。しかも、安倍政権は、自衛隊に「海兵隊機能」を付与し「敵基地攻撃能力」を保有することも検討するなど、自衛隊の侵略的機能の強化を図ろうとしています。こうした動きは「紛争を戦争にしない」という世界の流れに逆行するもので、日本をますます孤立に導かざるをえません。

 最近の世論調査によれば、過半の国民が憲法9条や96条を変えることにも、さらに、集団的自衛権を行使することにも反対の声を上げています。日本共産党は、こうした人々と力をあわせ、侵略戦争への徹底した反省とともに、日本国憲法の平和・民主の原則にそって、国民本位の政治、世界の平和に貢献する新しい政治を実現するためにたたかいぬく決意を表明するものです。