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米軍レーダー 膨大な電力・燃料・水―環境汚染の恐れ 京都配備狙う
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米軍レーダー 膨大な電力・燃料・水―環境汚染の恐れ 京都配備狙う

2013-09-30 10:58

    米環境アセスで判明

     米軍「ミサイル防衛」網の一環として、日米両政府が航空自衛隊経ケ岬(きょうがみさき)分屯基地(京都府京丹後市)への配備を狙っている米軍Xバンドレーダー(AN/TPY2)が、弾道ミサイルの追尾で高出力の電波を発するため、数百世帯の消費電力に相当する1・3メガワットの電力を必要とし、膨大な燃料と冷却水を消費することが判明しました。その結果、大気汚染や燃料漏れ、排水処理などで環境汚染を引き起こす可能性があります。

     米ミサイル防衛局が「国家環境政策法」(NEPA)に基づいて、南太平洋のクェゼリン環礁(マーシャル諸島)で弾道ミサイルの迎撃実験を行うため、昨年7月に公表した環境影響評価書から判明しました。

     評価書ではXバンドレーダーを1日10時間、運用すると想定。1・3メガワットの電力を供給するために、出力840キロワットの発電機2基を使用します。発電機の稼働にはジェット燃料に用いられる「JP5」を使用。この想定では1日約3800リットルを消費します。

     評価書は大気汚染の可能性を指摘し、米陸軍が定めた基準の順守を求めています。また、基地内に大量の燃料を備蓄する必要があるため、燃料漏れなどの事故も考えられます。

     加えて、器材の冷却で1・4トンの冷却水を使用。海岸沿いに設置した場合は塩害に対処するため、表面の洗浄も必要としており、排水処理が重大な問題になりそうです。米側は米兵の生活水などとあわせて1日50トンの水を要求しています。

     ところが政府は環境アセスなど事前評価を拒み、具体的な数値は明らかにしていません。「京都に米軍基地いらない府民の会」の戸田昌基事務局長は、「米国ではきちんと環境アセスをやるのに、日本ではやらない。二重基準だ。アセスの実施を求めていきたい」と述べています。

     Xバンドレーダー 主に北朝鮮の弾道ミサイルの探知・追尾を行います。8~12ギガヘルツの「Xバンド」と呼ばれる帯域を使用。高出力の電波を発します。日本ではすでに車力基地(青森県つがる市)に配備。今年2月、2基目の配備先として経ケ岬が挙げられました。

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