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常軌逸した自公の暴挙―秘密保護法案 「強行採決」
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常軌逸した自公の暴挙―秘密保護法案 「強行採決」

2013-12-06 10:59

    数の暴力で民主主義壊す

     国会会期末前日の5日、自民、公明の与党が参院国家安全保障特別委員会で「強行採決」した秘密保護法案。憲政史上まれにみる、常軌を逸したやり方を重ねた上での暴挙です。

    審議まったくつくされない異常

     国民の目、耳、口をふさぐ秘密保護法案は、国会での審議が尽くされておらず、「採決・可決」されたこと自体、正当性のかけらもありません。秘密の範囲、チェック機能のなさ、広範な処罰範囲と国民監視のシステム―国民の不安は払拭(ふっしょく)されるどころか、審議すればするほど増すばかりです。

     参院国家安保特委の審議時間はわずか20時間余。所管閣僚の菅義偉官房長官はほとんど姿を現さず、権限のない森雅子担当相が答弁にたち、法案の問題点を議員に追及されると「有識者会議に諮って検討する」「さまざまな重層的な仕組みを設けている」とあいまいな答弁を繰り返すのみ。

     また、ほとんどの委員会と地方公聴会は、与野党の合意がない中川雅治委員長(自民)の職権で開催されており、民主的なルールさえ守られていません。

    国会のルール平然と無視する異常

     他の悪法(表)についてはどうか―。

     4日午後の参院本会議では、与党理事が前田武志氏の委員会報告をさえぎって休憩動議をあげました。野党側に何の説明もなされないまま議決され本会議は休憩に。こうした異常な例は1952年以来61年ぶりのことです。

     与党はまた、5日未明に及んだ参院本会議で、内閣、経済産業両委員会の委員長(民主党)の解任決議を提出し、賛成多数で可決させました。内閣委員会で国家戦略特区法案、経産委員会では独占禁止法改定案を会期末までに可決させるため、瑕疵(かし)のない野党の委員長を強引に解任し、自民議員に首をすげかえたのです。

     与党が野党委員長の解任をしたのは国会史上初。一つの法案を通すため、民主的運営のため与野党で委員長を配分したルールまで無視しました。

    数の暴力を国民は許さず

     4日夜、参院国家安保特委がさいたま市で開いた地方公聴会から国会に戻り、自民党の参院議員団総会で報告にたった自衛隊出身の佐藤正久・同委員会筆頭理事は、「この“作戦”の大成功にむけてがんばっていく」と抱負を語りました。

     憲法の基本原則にかかわる重大な法案審議を戦争にみたてる異常さ。地方公聴会では山崎徹・埼玉弁護士会元副会長が、「私が公述人になることが決まったのは昨夜10時でした。何の前触れもなく、突然地方公聴会を実施して、はたして国民の声を聞いたといえるのか」と与党のやり方を痛烈に批判しました。会場外には多くの市民がつめかけ、法案の廃案を訴えました。

     世論が何であれ、通したい法案を数の暴力で無理やり通す―議会制民主主義を壊す与党の暴挙を国民は許しません。 (遠藤誠二)


    臨時国会で成立または成立が狙われている悪法の数々

     秘密保護法
     国家安全保障会議(日本版NSC)設置 成立
     産業競争力強化 成立
     国家戦略特区
     社会保障プログラム
     高校無償化廃止 成立
     生活保護法改悪 成立
     国土強靭化 成立
     自衛隊法改悪 成立

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